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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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422/3659

422:遊んでてもらおう。

 返してもらったパネルを消して家に帰る。

 あ、珠ちゃんに乗ったままモニカさんに遭遇するとマズそうだし、一応降りておこうかな。


 もふっと背中の上にうつぶせに倒れ込み、手を伸ばして頭をなでなで。

 ありがとねー。



 おや、門の前でモニカさんが待ち構えてる。

 いや、待ってたって言うか近くで作業してたついでか。

 少し離れた場所に道具がまとめて置いてあるし。


 うん、ちゃんと復活して服も着替えてるな。

 まぁ血まみれの服で仕事してたら怖いけどさ。

 人が一杯見てる中で侵入者の処刑とかやってたんだし、また誰か殺されたのかとか思われちゃうよ。



「お帰りなさいませ」


「もう動いて大丈夫なの?」


「はい。ご心配をおかけして申し訳ございません」


「いや、まぁ元気ならそれで良いんですけど。今から蜜集めのお手伝い、お願いして大丈夫ですか?」


「はい。瓶をお持ちしますので、少々お待ちください」


「あ、一応私も中まで入るんで一緒に行きましょうか」


 背を向けたモニカさんに声をかけ、追い越して少し先に進む。

 ……はいはい、わざとゆっくり歩かない。

 一緒にとは言ったけど、来ないなら先に行っちゃうよ?




「それじゃ私はお仕事してくるから、皆はこの辺で遊んでて良いよ」


 テーブルの近くで珠ちゃんを中心に集まった召喚獣たちに告げて、少しずつ撫でてから離れる。


 あ、突然ダッシュした太郎に反応して、珠ちゃんが横から猫パンチで転がした。

 凄い反応速度だな。


 まぁ本人は「やっちゃった……」みたいな動きしてるけど。

 ついつい急な動きに反応しちゃったんだな。



 おお、太郎がパンチに逆らわずに綺麗に横に一回転して、そのまま走り去って行った。

 ……と思ったら、ぐるっと円を描いて戻って来て、お座りしてる珠ちゃんに全力で体当たり。

 気にしてないのかと思ったら、一応文句は有ったらしい。


 まぁ体重差のせいで、突進しても大した衝撃を与えられてないんだけどね。

 太郎も解っててやってるんだろうけど。



 ごめんねとしょんぼりした珠ちゃんを見て許したのか、再度走り去ろうとする太郎。

 あ、また手が出た。


 伏せた状態で顔を抱えるようにしてごめんねのポーズを取る珠ちゃんの頭に、太郎がどすんどすんと体当たりをする。

 なにをやってるんだ君たちは。

 本気で怒ってるわけでは無いみたいだけど、仲良く遊ばなきゃだめだぞー。



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