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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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385/3713

385:想像してみよう。

 あ、光になってたコレットさんが実体化し始めた。

 少しだけ浮いた状態で出てきたけど、実体化の直後はゆっくりと落ち始めるからちょっとくらいなら何も問題は無いだろう。

 いや、この人の場合は普通に落ちても平然とした顔のまま、膝から下だけで落下のショックを吸収しそうではあるけどさ。


 ふわっと着地したコレットさんは、体の各部を少しずつ動かして異常が無いか確認してから、こちらに向けてお辞儀をしてきた。

 問題無い様ですって事かな?



「ほらよ」


「ありがとうございます」


 おや、なんかジョージさんが出てきてコレットさんに箱を二つ手渡した。


「それ、何ですか?」


「あ? ああ、こいつと姫様の服だよ。野晒しにしとくのも良くねぇだろ」


「あー、確かに」


 コレットさんが片方の箱をぱかりと開け、綺麗に畳まれた服を取り出……すのかと思った時にはもう着替え終わってた。

 早着替え(それ)、従者系の固有スキルか何かなの?



 ……ていうか、女物の服と下着を丁寧に畳んで箱に詰めてる中年男性って……


「おいこら白雪(てめぇ)、なんか変な事考えてねぇか?」


「いやいや」


「一応言っとくが、回収したのは俺じゃねーぞ?」


「ん、あー、どこかに潜んでる部下の人ですか?」


「おうよ。自分で言うのもなんだが、俺がやってたら傍から見りゃ変態のオッサンみたいじゃねーか」


 あ、自分でオッサンって言った。

 ていうかやってたとしても姿を見られるのって隠密仲間とかコレットさんくらいじゃない?

 わざわざそんな事する時に見えるようにならないだろうし。



「別に我々は構わんのだがな」


「勘弁してくださいよ…… つーか姫様、もし実際にやってんの見たら先頭に立ってイジり倒してくるでしょうに」


「うむ」


 堂々と頷いたな、このお姫様。

 まぁ多分、本当にからかうネタにはするんだろうな。


 とは言え実際の所、それくらい仲は良いんだよね、この人たち。

 ジョージさんの方も、結構気軽にコレットさんをおちょくってるみたいだし。

 まぁ普段からこれ以上ないってくらい身近な存在だし、話に聞いたろくでもないお兄さんなんかよりはよっぽど家族って感じなのかな?



「さて、それでは私も戻るとするか」


 ジョージさんが疲れた顔で消えていき、それを見送ったアリア様がテーブルの端に歩いてきた。


「はーい…… ん?」


 あら、ここからじゃ見えないけど、ソニアちゃんの部屋のドアが開いた?

 あー、そういえば復活地点の登録作業があるんだったっけ。


「モニカ、少しそこで待っていなさい」


「うぅ、せめてお姿だけでも……」


 地下からの階段を上がる前にコレットさんに止められて、下から顔だけを覗かせるモニカさん。

 あ、ソニアちゃんは普通に通された。

 まぁモニカさんみたいな暴走はしないだろうし、問題無いのか。



「わわわ…… アリア様が、ちっちゃい……」


「うむ、白雪の新しい魔法でな」


 アリア様がテーブルの端から少し下がり、ソニアちゃんがそこに手をかけてしゃがみこみ、テーブルに顔を乗せてアリア様を近くからじーっと見つめてる。


「かわいい、です……」


「ははっ、ありがとう」


 テーブルに置いていた手を動かしてアリア様の前に人差し指を差し出すソニアちゃんと、それを両手で握って、可愛いと言われたことに礼を言いながら握手するアリア様。

 うん、かわいいなーって顔してるソニアちゃんの方も可愛いと思う。


 てか、さっさと済ませて戻らなくて大丈夫なのかな?

 いくら夜とは言っても、結構痛いだろうに。

 なるべく肌の出ない服着て、頭にもタオルかぶって来てるし。

 ってモニカさんがこっちに来れなきゃ始められないのか。

 


「つい先ほどまで、コレットもこのサイズに縮んでいたのだ」


「むー、ちょっと、残念…… それも、見てみたかった、かも……」


 人差し指を唇に当て、言葉の通りに残念そうな顔をするソニアちゃん。


「ま、そちらはまた機会が有ればと言った所か。縮めるのも中々に消費が大きい様だからな」


 笑いながらソニアちゃんの顔に近付いて行き、ぽふぽふとタオルの上から撫でるアリア様。

 でもアリア様、それを気軽に二人分追加してきましたよね?

 いや、まぁ全然問題無いんだけどさ。




「では改めて。シルク、上まで頼む」


 さりげなくテーブルの近くに待機していたシルクが、アリア様に呼ばれて抱き上げに向かう。

 ソニアちゃんは椅子に座って見物することにしたらしいな。

 でもやっぱり地味に辛いらしく、タオルを巻いて目元以外を覆っちゃってる。

 ……なんか中東とかの女性っぽいな、あれ。


 アリア様を抱いたシルクが十分な高さに行ったのをきっちり確認してから、慎重に対象を認識して効果を解除する。

 うっかりお姉ちゃんまで解除されちゃったら色々と危ないしね。

 お姉ちゃん自身とか私の家とか。

 ぴーちゃんとラキは大丈夫だろうし、カトリーヌさんは心配するだけ無駄だろう。



「わぁ、きれー……」


 あー、確かにあれどうなってんのとか細かい事を気にしなきゃ、ふわふわと光が舞って幻想的な光景ではある。

 今は暗いから、淡い光でも良く見えるしね。


「おー、あつまって…… すごい……」


 ほあーって感じの感心顔でつぶやくソニアちゃん。

 子供かって言いたくなるけど、これでもお酒が飲める歳の人なんだよなぁ……



 そういえば、わざわざ良い(・・)お酒とか言ってたって事は結構色々なの飲んでるのかな?

 ……ていうかこの人、バーとか居酒屋に入れてもらえるんだろうか。

 いや、お友達とかと一緒に行って、身分証とか持ってれば大丈夫か。

 一人だとお店とか言う以前に夜に出歩いてると補導されちゃいそうだけど……


 はっ。

 バーテンの渋いおじ様の正面で、普通に座ってるとカウンターがかなり高い幼女(21歳)が、よいしょと両手でグラスを持ってお酒をおいしそうにくぴくぴ飲んでる姿……

 ちょっと、いやかなり見てみたい。

 いや流石に幼女ってほどには小さくないけどさ。


 ……アルおじさんに頼んでみようかな?

 いやうん、しょうもない事に巻き込むのはやめとこう。

 多分あの人、そういうの凄い似合うだろうけど。



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