367:もう一度試してみよう。
そうこうしているうちにコレットさんも終わったらしく、シルクに抱かれて運ばれてきた。
「お姉ちゃんの番みたいだよー」
こちらも湯に触れない様にそっと入れられているのを横目に見つつ、じとーっと見てくるラキに近付き過ぎない様に謝っているお姉ちゃんに声をかける。
「あ、うん。よろしくおねがいしまーす」
「コレット、どうだった?」
「はい、とても良いですね」
「簡潔だな」
くすっと笑いながらコレットさんの感想にツッコむアリア様。
まぁグルメレポートとかみたいに、やたら雄弁に語られても戸惑うし。
「ふむ。しかしコレットがそう評するのであれば、誇って良いと思うぞ」
「だってさ。えらいぞー」
お姉ちゃんを抱き上げたシルクにふわっと飛んで近付き、頭を撫でてやる。
おお、誇らしげだ。よしよし。
「さ、それじゃ続きもよろしくね」
ぽむっと肩を叩いて送り出すと、微笑みながら頷いてスーッと滑って行った。
……お姉ちゃん、なんか既にシルクのぷにぷに感に魅了されかけてない?
そういえばシルクに直接抱っこされるのってこれが最初だっけ?
縮んだ直後にカップで運ばれてたくらいで、後はぴーちゃんが乗せてあげてたし。
「たまには世話をされてみるというのも、なかなか良いものだろう?」
「否定は致しませんが、姫様にお仕えするのも私の好きでしている事ですので、どうかお気になさらず」
「少しは肩の力を、と言いたいところだが助けられている身ではそうも言えんか」
「ま、うちの子もお世話が生き甲斐みたいな感じですしね」
横から言ってはみたものの、あれはそういう種族だし比較対象としては違う気もする。
いや、でもこの人も素の服がメイド服なんていう謎の人だしな……
「うむ。ところで白雪」
「はい?」
「どうだ?」
全く言葉が足りてないけど、コレットさんの方をチラッと見て言うからには匂いが出てるかって話かな。
「えーと、ここからだと混ざってはいますけど確かに良い香りがしてますよ」
「うむ、私がおかしいのではないという事だな」
いや、そりゃそうでしょ。
ていうかさっきお姉ちゃん炙った時も匂いしたって話したよね。
「それと少し気になったのだが、良いかな?」
「と言われましても、何なのか言って頂かないと返事がしづらいんですが」
「うむ、すまん。魔法で威力を弱めた火を出してもらって良いか?」
「あ、はい。これをどうするんです?」
返事をしながら手の上に【火矢】で小さな火の玉を出現させ、アリア様に続きを促す。
「で、コレット。少し手をかざしてみろ」
「はい。……これ以上は厳しいかと」
あれ、これなら普通の人でも魔法防御で耐えられそうなものだけどな。
ほとんど無力ってくらいまで威力落としてあるのに。
「ふむ。白雪、コレット、もう良いぞ」
「はい。この状態では、【妖精】の方の魔法へは完全に無抵抗になる様ですね」
「うむ。ミヤコの抵抗力の問題かと思ったが、コレットに通じるという事はそういう事だろう」
……むしろコレットさんの魔法防御が気になる。
もしかしたら通常時なら私の魔法も耐えるんじゃなかろうか……?
この人たちだと有り得ないって言えないのが怖いよ。




