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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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362/3658

362:皆で脱がされよう。

「さーて、それじゃこのまま閉めちゃうねー」


 三階を持って固定していたピンを外し、そーっと降ろしていくエリちゃん。


「はーい。ありがとねー」


 少しずつ閉じていく隙間から、枡のお茶を冷ましながらお風呂場から手を振っておく。

 うん、もう良いかな。

 あんまり冷まし過ぎると温めるのも手間だし、ラキとぴーちゃんがどのくらいの温度が好きか判らないし。

 ……二人が両極端だったらどうしたものかな?

 まぁ仲良く妥協してもらうしかないか。



 さて、戻るか。

 熱々のお茶が三杯もあるせいか、こもった熱気で少し暑いし。


 ってそういえばぴーちゃん、ずっとお尻に引っ付いてたんだから温度は聞けば良かったのか。

 まぁ実際に入る段になってからで良いか。


 再度ぴーちゃんの頭をふかふか撫でながらお風呂から出て、タオル部屋に戻る。

 ん、タオルとかシーツとか置いてるのってリネン室って言うんだっけ?

 まぁ何でも良いか。

 今、もうマッサージ用品とかも有ってよく解んない感じになってるし。

 リネン室兼マッサージ部屋?



「はーい、出来ましたよー」


「うむ、こき使ってすまんな。ありがとう」


「いえ、大丈夫ですよー。ていうか元々こういうのって、もてなす側の仕事ですよね」


「そうかもしれんが、こちらは無理を言って押し掛けた立場だからな。礼は言わねばならんだろう」


「まぁアリア様がそういうお人だから、こっちも嫌な気分にならずに色々出来ますねぇ」


「ねー」


 タオルを体に巻いてベッドに座ってるお姉ちゃんから相槌が。

 うん、『尽くされて当然、いちいち言わせずにさっさと自分からやれ』みたいな態度取られたら、流石の私もイラッとするよ。

 まぁ多分それでも一応従いはすると思うけどね。

 偉い人に真っ向から逆らえるほど強い心は多分持ってないよ。

 っていうかコレットさんクラスの人がついてたら逆らいたくても逆らえないし。



「あ、もう出来てたんですね」


「うむ」


 アリア様の隣にカトリーヌさんが居ないと思ったら、組みあがった機械を持って棚に置きに行ってる最中だった。

 ちょいちょい暇を見つけては糸を出しておいて、溜まったら織ってあげないと……って思ったけど、十分な量の糸さえあれば、知らないうちにシルクが全部済ませてそうだな。

 多分そっちの方が綺麗な布が出来るし、私は材料だけ用意して任せた方が良さそうだ。




「さて、それでは行くとしようか。……む、すぐそこなのだが」


 移動しようと立ち上がったアリア様が、即座にシルクに抱っこされてる。

 いつの間にかコレットさんも抱えられてるな。


「まぁ移動には変わりないって事じゃないですかね?」


「ぴぅ」


「あ、良いよ良いよー。ぴーちゃんはそのままで」


 ぴーちゃんがお姉ちゃんを運ぶために私から離れようとして、お姉ちゃんから待ったがかかった。

 おぉぅ、それじゃいいかと迷いなく私のお尻にむにっと顔を埋め直したな。

 まぁぴーちゃんはシルクみたいにお世話こそが使命ってわけでもないしね。


 ん、ラキは……ってお姉ちゃんの頭に乗ってる。

 ……ちゃんと仲直りしたのかなって思ったら、なんか髪をぐしゃぐしゃいじくり回して遊んでるな。

 まぁお姉ちゃんも嫌そうな顔してないし、威嚇されてるよりは良いって事かね?



 シルクの為にドアを開け、カトリーヌさんが最後尾でドアを閉める。

 そういえば脱衣場のたくさん作ってた籠、早速役に立つな。


「おー、銭湯みたい」


「最初見た時は二人しか住んでないのにって思ってたけど、無駄にならなくて済んだね」


「む、どうしたシルク」


「ん?」


 横から聞こえた声に振り向くと、アリア様とコレットさんを下ろしたシルクが少し困った顔になって首を傾げてる。

 どうしたんだろ……ってそうか。



「あー、流石に自分が勝手に脱がすのはまずいかなーって感じじゃないですか?」


 まぁいきなりパッとひん剥いて良い相手ではないよね。

 お姉ちゃんは躊躇なく脱がされてたけど。


「ああ、我々は構わんよ。シルクのやりたいようにやるが良い……むぅ、速いな」


 良いまで言い切ったタイミングで一瞬で裸にされてた。

 うん、流石の仕事の速さだ。

 って同時にコレットさんも脱がされてるし。


 でも全く動じてないし、あのシルクの脱がせる動きも全部見えてるのかな?

 まぁコレットさんだし、見えてても全く不思議では無いけど。

 コレットさん自体が不思議過ぎる存在だもんね。



 お姉ちゃんは元々タオルしか身に着けてなかったから、籠に置いただけで終わりだな。

 それじゃ私も脱いどかないと。


 ……ってあれ? 私の服どこ行った。

 あ、籠に入ってる。

 もしかしてさっきの一瞬で全員同時に脱がしたのか……?


 カトリーヌさんも気付いたら服が無くなってて戸惑ってるしってうわでかっ!?

 えー…… 普段はあれでも服で押さえられてるのか……


 うん、服はまぁ良いや。どうせ脱ぐんだし。

 さて、それじゃお風呂お風呂。


 そういえば他の人と一緒にお風呂とか、ほとんど経験無いな。

 私が銭湯や温泉に行くと周りの人が入れなくて迷惑だから、旅館とかに行っても大体部屋のお風呂に入るか人の居ない時間帯を狙うしかないんだよね。

 そう考えると少し楽しいイベントかもしれない。




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