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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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335/3658

335:報告されよう。

「あー、まぁとりあえずやることは一通りやったな」


「んーと、まぁうん、一緒にやる様なことはもう終わったかな?」


「っていうか今のって、別に私たち居なくても良かったよね……?」


「まぁそれもそうだな。お茶も飲んだし器もモニカさんが洗ってくれてるし」


 そこまで言って、アヤメさんが何か思いついた様な顔をする。

 あれはお姉ちゃんで遊ぶ時の顔だな。うん。



「ま、でもお前は可愛い妹を放っておいて一人で帰りはしないよなぁ?」


 いや、別に帰っても良いんだけど。

 家に一緒に入ってこれるわけでもないし。

 ていうか昨日もご飯の準備のために先にログアウトして(出ていって)たし。


「雪ちゃんは可愛いけどね!?」


 いつもとちょっと違うな。


「ていうかお外で放っておくならともかく、ここ雪ちゃんのおうちじゃないの」


「まぁそうだな」


 アヤメさんはからかいたかっただけだから、お姉ちゃんの反論をサラッと流してる。


 そもそも普段から別行動じゃないか。

 あぁ、お外って町の外かな?

 連れて行かれて置いて帰られたら、確かに困るかもしれない。

 いや、困ったなーって思った時には既に噴水広場に戻ってるかもしれないけどさ。



「むぅ、アヤメちゃんはアレに襲われた事が無いから解らないんだよ」


「ん、スライムに食われたことなら別ので結構有るぞ?」


 結構有るのか。

 まぁスライムにも色々種類が有るし、強いスライムも居るだろうな。


「スライムとは違うんだよう。スライムみたいだけどスライムじゃない、得体のしれないスライムっぽい何かだよ」


「それもうスライムで良くないか?」


「違うのー! むぅ、こうなったら次の機会にアヤメちゃんを襲ってもらおうかな……」


「やめんか」


 本気で嫌そうだな。

 まぁ今日も散々な目に遭ってるし、そうでなくても当たり前かもしれないけど。




 ん、工事現場から大工さん達が出てきた。

 今日の仕事は終わりかな?


「やーれやれ。お、白雪ちゃん。丁度良い」


 ライカさんが私を見て話しかけてきた。

 どうしたんだろ。

 とりあえず呼ばれたし、近づいて挨拶しとくか。


「お疲れ様ですー」


「あらかた終わったよ。後は仕上げをするだけだから、明日の朝には完成だね」


 早っ!?

 なんで地下三階まで掘る様な工事が一日で終わるんだ……

 いや、上もだけどさ。



「どうも、ありがとうございますー……ってそうだ。おねーちゃん、通訳お願いできる?」


 お礼を言っても聞こえないのを思い出して、座ったままだったお姉ちゃんを呼ぶ。


「あ、うん。えーと、雪ちゃんが『ありがとうございます』って言ってます」


「いやぁ、こっちはちゃんとお代を貰ってるんだからね。礼はいいって」


 確かにお金は払ってるけど、それはそれ、これはこれだよね。

 ていうか普通一日で建たないし。

 ……いや、こっちだと普通なのかもしれないけどさ。


「で、休憩するのにその辺の空いたとこ使わせてもらって良いかな?」


「あ、もちろん大丈夫ですよー」


 ていうか朝も使ってたんだし、今更断らなくても。

 あー、まぁ居るなら一応言うか。




 おや、魔人のお姉さんが近づいてくるぞ。

 あ、アヤメさんが立ち上がった。


「そんな逃げないでくださいよー」


「いや、だってさぁ……」


 まぁ朝っぱらからあんなのにつき合わされちゃ、苦手にもなるか……

 みんな面白がって、誰も止めないし。

 いや、私もだけどさ。



「朝はついはしゃいじゃって、すみませんでした」


「え、あ、あー、うん」


 突然素直に謝られて戸惑うアヤメさん。

 一応迷惑をかけたって思ってるんだな。


「次からはちゃんと確認してからやります」


「いや、私にはやらなくて良いよ……」


 ……あー、「無理矢理付き合わせた事」を謝ってるだけなのね。

 まぁ本人的には素晴らしい物なんだろうし、自分が見るのも多分好きなんだろうなぁ。



「私は良いから、今度そっちの狐にでもやってあげてよ」


「いやいやいや!? 私も良いから! 朝のだけで十分です! はい!」


 唐突に振られて必死に断るお姉ちゃん。

 いや、そこまで必死にならなくても良いでしょ。

 本人がちゃんと同意を得てからって言ってるんだからさ。



「そうですか? 残念です」


 ちぇーって顔で、同僚が休憩の準備をしているところに合流する魔人さん。

 うん、大人しくしててください。

 色物は十分に足りてますから。



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