表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

292/3658

292:本人に見つかろう。

「それって、他の人と協力しちゃいけないのかな?」


「あー、押さえてもらったり回復してもらったりー? そこんとこどーなの?」


 お姉ちゃんとエリちゃんが、アヤメさんに質問を続ける。

 別にアヤメさん【騎兵】じゃないのにね。

 まぁ書いてあったかもってくらいで、知らないなら仕方ない程度のノリだろうな。



「終わってからの回復はともかく、捕獲自体に協力するのは良くないらしいぞ」


「一人でやらなくてはいけないのでしょうか?」


「発動条件に有るわけじゃないけど、成功し辛くなるみたいだな」


「あー、相手に自分の方が上だって認めさせなきゃダメーみたいな?」


「なんじゃないか? 私も書いてあるのを見ただけだから詳しくは知らんけど」


「なんだっけ、マウンティング?」


「文字通りですね」


 あー、無理矢理配下にするんだしそのくらい出来なきゃって事なのかな。




「そういう条件が無くて背中に引っ付いてれば良いだけなら、雪ちゃんが居れば一発なのにね」


「え? あー、弛緩毒ね」


「なんかそれ、出来たとしても初めのうちは乗った【騎兵】じゃなくて白雪の配下になりそうだな」


【騎兵】(お前)じゃなくて【妖精】(この人)に負けたんだ、という事ですね。おいおい認めさせていく感じでしょうか」


「まー出来ないっぽいから、想像してみても意味無いんじゃない?」


「まぁそうなんだけどな」


 うん、もしもの話は時間つぶしの雑談には良いよね。




「それにしても、一度は捕獲に成功してるって凄いねぇ」


 あぁ、それは確かに。


「前衛ボーナス無しの一対一でなんとか出来るくらい強いなら、もういっそ乗らなくても良いんじゃない?」


「いやいや、そういう問題じゃないだろ」


 エリちゃんがなんか言い出した。

 でもまぁ確かに、乗らなくても普通の前衛としてやっていけそうではあるね。

 乗っても問題無いくらいの大きな相手を、倒すどころか殺さずに乗りこなせてるくらいだし。



「まぁそれはともかく、まぐれではなく実力で制圧出来たのなら、終わった後の回復さえしてもらえばなんとかなるのでは?」


「回復を、頼むお金が、無いのです!」


「おわぁっ!?」


 アヤメさんのすぐ後ろから悲し気なシャウトが。

 驚いて振り向いたアヤメさんの陰に、鎧姿のちっこい女の人が立ってる。



「びっくりしたぁー……」


「あ、突然すみません。私の話をされていたようで、失礼ながら聞かせて頂いていたのです」


「あー、いえいえ。こちらこそ、なんか雑談のネタにしちゃってごめんなさい」


「いえ、良いのです」


 お姉ちゃんと騎兵さんがお互いに謝りあってる。

 まぁ知らない人が自分の事を話してたら気になるよね。




「ええと、という事はあなたがその【騎兵】さんなのですね?」


「はい。シャルロットと言います」


「ほへー、ちっちゃいのに強いんだねぇ」


「あの、強いと言って頂けるのは嬉しいのですが、背の事は気にしているので出来れば言わないで頂けると……」


「あ、ごめんなさい。以後気を付けます」


 口を滑らせたエリちゃんが深々と頭を下げる。

 でも実際、お姉ちゃんよりも更に頭一つは小さいな。



「で、お金って言うのは?」


「いやぁ、初期の資金は全て装備に消えておりまして。無償で人を使う訳にもいかず、ずっと一人で駆け回っていたので、頼める様な知り合いも居ないのですよ」


 はっはっはと笑うシャルロットさん。


「では、そちらさえ良ければ私が」


「いや結構。これも試練というものですよ」


 シャルロットさんがレティさんの提案を遮って断った。

 なんだろう、変に固い感じのする人だな。



「それにこの言い方で手伝って頂くと、それが目当てで口を挟んだ様に見えますしね」


「いやー、それは気にしすぎ…… いや、うん、確かに」


 お姉ちゃんが否定しようとして考え直した。

 うん、まぁ確かにそうなるかも。




「それにしても、そんな強いなら普通の前衛職でも良かったんじゃ?」


「何を言うのです! 【騎兵】ってカッコイイじゃないですか! カッコイイというのはとても大事でしょう!」


 ふと言ってみたお姉ちゃんに食って掛かるシャルロットさん。

 うん、なんか何気にこの人も残念っぽい感じがするな。


 まぁゲームなんだし、楽しむのは大事って意味では何も間違ってないか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ