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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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262/3658

262:話を戻そう。

「ま、何にせよあまり高く飛ぶのはやめておいた方が良いという話だな」


「ほぼ確実に無駄死にするだけですもんね」


「うむ。あぁ、もしかすると【妖精】であれば話しかけて来るやもしれんな」


「確かに、一応同じ高位種族ではありますから可能性はありますね」


「まぁ、恐らく普通に触れられて散らされるであろうし、下手をすればそのままパクリと食べられてしまうやもな」


「あー、鳥が虫を食べるみたいにって事ですか。確かに雪ちゃんお手頃サイズで、毒さえ無ければ美味しくて栄養もあるみたいですしね」


 自分のコメントへのレティさんの同意を即座にひっくり返すアリア様と、謎の納得をするお姉ちゃん。

 まったく、妹を虫扱いするんじゃないよ。

 いや、自分でも単位が匹なのを普通に受け入れてたけどさ。



「うむ。……ところで、元は何の話だったかな?」


「何でしたっけ?」


 えーと、確かお姉ちゃんに何やってたか聞いて……


「白雪様がミヤコ様方に何か面白い事があったかと問われ、その会話の中でミヤコ様が白雪様を災害と評された所でしたかと」


 あ、コレットさんがざっくり教えてくれた。

 そうだそうだ、お姉ちゃんに失礼な事言われた事からだった。

 ……実際に災害みたいなもんだったけど。



「あー、そうでしたね。で、私達は特に何も無かったけど、そう言う雪ちゃんは今日何してたの?」


「えーっと…… 特には……」


「大嘘ついてんじゃねーぞ」


「くっ」


 ええい、わざわざツッコむために出てくるんじゃないよジョージさん。



「白雪さん、何もしていないというのは流石に無理がありますよ」


「うん、まぁ自分でも解ってます」


「あぁ、白雪にとっては人を石にするのも大したことじゃないって事か。ならしょうがないな」


 あ、バレてた。

 好きでやったんじゃないやい。



「いやいや、大したことあるから。っていうか掲示板に書かれてたの?」


「まぁそりゃな。あんだけ目立つ事やれば書かれもするだろ」


「あ、そう言えばなんか可愛い看板がかかってるんだって? 後で見に行ってみようかな」


「力作です」


 表情はそのままだけど、心なしか得意げなコレットさん。

 あ、判り辛いけどウサ耳がいつもより少しまっすぐだ。



(個別)スレが立ってるくらいなんだから、人前でやった事は大体知られてると思った方が良いぞ?」


「個別って言うけど、あれ一応【妖精】スレッドでしょ?」


「いや?」


「え?」


「今はもう【妖精】スレは別にある。【妖精】はこういう事が出来るらしいみたいな話題は、そっちでやってるみたいだな」


「既にプレイヤーの間で『妖精さん』という言葉は、【妖精】という種族ではなく白雪さん個人の異名の様な認識になっていますね」


「うあー、マジだー……」



 言いながらレティさんが開いて見せてくれた掲示板には、「【妖精】スレ」と「妖精さんを見守るスレ」が並んでいた。

 おい誰だ立てたの。

 【おしおき】【されたい】って何だよ。


 まったく、本当にお仕置きしてやろうか……

 いや、ただのご褒美みたいになりそうだからやめておこう。


 うん、もう【妖精】が注目されるのは諦めるしかないと思ってたけどさ。

 カトリーヌさんもいるじゃん。

 私だけチェックしなくていいじゃん。


 ……まぁあの妖精(ひと)、見せられない事やってたり見せられない体になってたりするけどさ。




「ほれほれ、観念して一通り言ってみ?」


「そう言われてもなぁ。とりあえず朝ご飯から帰ってきたらアリア様が来てたから挨拶して、いやその塔やりすぎでしょみたいな話して」


「あれは良い驚きっぷりであったぞ」


「そりゃ普通、王女様が工事現場に潜んでるなんて思いませんって」


「何やってるんですか……」


 えー……って顔になるお姉ちゃん。

 うん、そうだよね。普通はそうなるよ。



「少しの手間で面白い物が見られそうであれば、やらない理由はあるまいよ」


「あー、まぁ確かに。白雪はリアクションが愉快だしな」


「アヤメさんまで、人をおもちゃにしないでよ……」


「おっと、おしおきされない様に黙っとこう」


「もー、やんないってば。あれだってジョージさんに言われてやっただけなんだからね」


「そうだったか?」


「しらばっくれないで下さい。まったく……」


 私が好きでやってみたいにしようとするんじゃないよ。



「で、アリア様にシルクたちを預けて蜜を集めて、戻ってきたらなんかアリア様がラキの糸で布を織る機械を作ってた」


「凝った造りではないがな」


「へー、見てみたいなー」


「後でね。で、その後めーちゃんの元居た所の地主さんに伝言しに行って」


「エドワードさんだっけ?」


「そうそう。で、帰ってくる途中にぴーちゃんに振り回された」


「ぴぅ……」


「あはは、怒ってないよー。あれはあれでちょっと楽しかったしね」


 しょんぼりするぴーちゃんをフォローしておく。

 実際怒ってる訳じゃないし、シルクにお仕置きもされてたしね。


 何よりちょっとはしゃぎ過ぎただけで、悪気は無かったんだし。

 しかもそのはしゃいだ原因って、私がスリスリしたからだし。

 それで怒るのは、ちょっと可哀想ってものだろう。



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