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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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261/3658

261:特徴を聞こう。

「あ、でも話が聞けたって事はしばらくしたら落ち着いてくれたんですよね?」


 まぁ発言内容から察しただけかも知れないけど。



「うむ。ジーの奴も途中で諦めて、『おう』だの『ありがとう』だのと相槌を打っていたんだが」


「だが?」


「褒められ続けている内に怒りはどこかへ行ったらしく、だんだんと『そうじゃろうそうじゃろう』『これはな……』と一緒に盛り上がり始めていたぞ」


「あらら」


「まぁ気持ちは解らんでもないがな。孫の様な年頃に見える可愛らしい少女が、本当に嬉しそうにはしゃいですごいすごいと自分を褒めてくるのだから」


「あー、まぁ確かに」


 アリア様の事も孫みたいな可愛がり方って言ってたし。

 おじいちゃん、子供や若い子に弱いのか……




「実際、怒りを溜めるだけ損ではあるのだがな。ジーですらその子にとっての攻撃でさえないただの挨拶で、治療を必要とする程の傷を受けるのだから」


「そこまでのレベルに達しても、一対一で勝ち目が無いんですね……」


「うむ。直に触れたジーが言うには、体の強度が違い過ぎて話にもならないそうだ」


「強度が?」


「初めに両肩を思いっきり掴みはしたが、強化した奴の握力をもってしても表面を少しへこませるだけで、力を込めている訳でも無い筋肉は全く歪まなかったそうな」


「うはー…… 興味を持ってじっとしててくれたから助かってただけなんですね……」


「ああ。はしゃいで腕を動かし始めたら、すぐに手を離していたしな。振り回されるのを避けたのだろう」


 あ、私とラキみたいな感じかな?

 まぁそこまでサイズに差が無い分、もっと性質が悪いだろうけど。



「しばらくして落ち着いてから何故壊したのかと問うて、先程の習性やらが聞けたという訳だな」


「なるほどー」


「その頃にはすっかり仲良くなっていて、『おじいちゃんのとこ、遊びに行ってもいーい?』などと言っていたがな」


「……来たら大変な事になるんじゃ?」


 ジーさん以外の人間に興味が無い以上、障害物を気にせずに消し飛ばしながら来そうだし。

 真上から来たとしても、着地点はえらい事になるだろう。



「うむ。流石にジーも、周りを壊さない様にゆっくり動けるならと条件を付けた。まぁその一番の理由は、自分の研究資料を破壊されない為だろうがな」


「まぁあの二人から連想すると、町が壊滅しても研究所に被害が無ければふーんで済ませそうですしね」


「私が文句を言わねば、それで済ませるだろうな。そう言われた少女は約束できないからやめておくと言って、忠告を残して去って行った」


「なんて言ったんです?」


「『私はもうおじいちゃんを覚えたけど、他の子たちは知らないから触りに来ると思う。だから飛ぼうとするのは止めた方が良いよー』とな。安全に飛びたければ、少なくとも彼女らの人数分だけ同じ事を繰り返す覚悟をしろという事だろう」


 ……うん、全く飛ばせる気が無いな。



「一体どれだけ居るんですかね……」


「各地で飛ぼうとした者が即座に撃墜されていることから、数人や数十人では無いだろうな」


 死ぬだけなのになんで飛ぼうとしちゃうかな。

 少しなら大丈夫だろうって考えだろうか。



「しかも、その時は運が良かっただけで相手によっては掴んだ時点で殺されたりするかもしれませんよね」


「うむ。そうでなくとも、数人が同時に来るだけでジーでも耐えられなくなるだろうしな」


「飛ぶのは無理そうですねぇ」


「あの魔法マニアがそう判断して、その研究はそこで凍結させて他に移ったくらいだからな」


「流石に諦めましたか」


「いや、完全には諦めていなかったがな。『儂の全力で破壊出来ない装甲が出来るまでは、空の旅はお預けですな』などと言っていた」


「……いつになるんですかねぇ」


「正直、来る気がしないな。ディーの奴も勘弁してくれと言っていた」


 あー、装甲となるとディーさんの分野なのか。

 しかも突撃(あいさつ)が防げたとしても、他にどんな事が出来るかも解ってないんだよなぁ。




「アリア様、ちょっと聞きたいんですけど」


「む、何だ?」


 おや、痛みから立ち直ったアヤメさんから質問が。

 ……いや、立ち直りきれてないな。

 手を当てたままだわ。



「アリア様はそれ見てたんですよね。どんな外見だったんですか?」


 あー、そういえば。

 少女って言ってるし、少なくとも人型ではあるんだろうけど。


「見た目か。白く長いワンピースを着て、少し日に焼けた肌に金色の髪をした十くらいに見える女の子だったぞ」


 ほほー。


「ただ、背中に真っ白い鳥の様な翼を生やしていたがな」


 ……ん?



「天使っぽい見た目なのか……」


「しかしやっている事は、『空の悪魔』といった感じですね……」


 あー、うん。確かに。

 その子だって直前に研究員を一人、原形も留めない様な殺し方してるし。



「みんなそんな感じなんですかね?」


「一体しか見ていないから、何とも言えんな。もしかしたらそれこそジーの様な、筋肉親父もいるやもしれぬ」


「うわぁ」


 ……なんかそこまで行くと、逆に見てみたいかも。




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