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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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251/3658

251:一緒に帰ろう。

 とりあえずは納得してくれたのか、ラキをぽすっと頭に乗せるぴーちゃん。

 なんか定位置みたいになってるな。


「それじゃ失礼しますね」


「はい。またのお越しをお待ちしております」


 ライサさんに挨拶して飛び立ち、役場の入り口に向かう。




「白雪、ちょっと良いか?」


「はい?」


 入り口のちょっと手前で、壁際に姿を現したジョージさんに呼び止められた。

 とりあえず半端な位置で止まってたら邪魔になるだろうし、近くに行くとしよう。



「どうかしましたか?」


「今から家に帰るんだよな?」


「はい、そうですね」


「すまんが、もう少しだけ待ってくれるか」


「はい? 良いですけど……」


 なんだっていうんだろう?



「悪い、待たせてしまったようだな」


 おおう、背後から偉い人の声が。


「あれ、アリア様。何か用があったのなら、呼んでくれればこちらから訪ねますのに」


「いや、用と言う程の事ではない。目的地が同じなのだから、一緒に行かないかと思ってな」


「え? ……あ、石碑の設置ですか?」


 アリア様の後ろに居るコレットさんが、それっぽい物を肩に担いでるし。

 用が有るのは、私じゃなくて家にって事だな。


 っていうか、やっぱり直々に置きに来るのか。

 いや、ふらっと立ち寄ったり工事現場に居たりしてるし今更だけどさ。



「うむ。では早速行くとしようか」


「はーい」


 アリア様達と一緒に役場を出て、家の方に進んでいく。

 すれ違う人にすっごい見られてるけど、どうせ私一人で飛んでても見られるんだから大して変わりないよね。


 ジョージさんは気付けば姿を消してたけど、どうせ付いて来てるだろうから気にしないでおこう。

 というか気にしても見つけられないし。




「お帰りなさいませ、白雪様。そしていらっしゃいませ、姫様」


「あ、戻りましたー」


「うむ、邪魔するぞ」


 門の前でモニカさんに出迎えられ、挨拶をされる。

 ……アリア様に先に挨拶するべきじゃないのかなぁ?

 まぁ本人がなんとも思ってないみたいだから、別に良いんだろうけど。



「そうだ、お姉ちゃん達は帰って来てますか?」


「いえ、まだお戻りには…… あ、丁度いらした様ですよ」


 あ、ほんとだ。

 西側の通路から歩いて来てる。



「アリア様、コレットさん、こんにちはー。今日はどうしたんですか? あと雪ちゃんただいまー」


「おかえりー」


 ついでみたいに言ったな。

 まぁこっちが普通だよね。

 大きさから考えても、先に目に入るのはアリア様だろうし。



「うむ、お疲れ。白雪の家に、これを設置しにな」


 コレットさんが担いだ石碑をパンパン叩くアリア様。

 音が出る程度には強めに叩いてるけど、コレットさんはビクともしないな。


「これは?」


「白雪達はともかくソニアやめーちゃんに何かあった時に、噴水広場に出現してしまうと戻ってくるのも一苦労という事でな。復活地点となる石碑だよ」


「あー、なるほど。特にめーちゃんはでっかいですもんねぇ」


 なんか奥から「ふとってないよー」って声が。

 解ってて言ってるんだろうけど、そういう問題じゃないよ。




 皆が挨拶を済ませたら、揃って中へ進む。


「おかえりー」


「ただいまー。エリちゃんはまだ地下かな?」


「今は地下だねー。色々やってるみたいー」


「白雪、石碑はここで良いかな?」


 めーちゃんと話してたら、家の方からアリア様に呼ばれた。

 うん、家の支柱の横なら特に邪魔になったりもしないだろう。



「あっと、そうですね。はい、お願いします」


「うむ。コレット、頼むぞ」


「かしこまりました」


 指示を受けたコレットさんが一旦石碑を横に動かして、固定の為の作業を始める。

 あぁ、普通に置くだけじゃ倒れたり動いたりするかもしれないもんね。


 一瞬服が汚れないかと思ったけど、そんな心配する必要はないだろうな。

 コレットさんだし。



「さて、この石碑の使用法だが」


 あ、そういえばどう使うのか知らないな。


「管理者としてモニカを登録してある」


「初耳なのですが……」


「言っていないからな」


 ひどい話だ。まぁ良いか。



「登録するには、モニカが石碑と対象者に触れながら術を使えば良い」


「その術を知らないのですが……」


「何、難しいものでは無い。そこに置いてある手順書を読めばすぐにでも使えるさ」


 あ、いつの間にかテーブルに紙を数枚束ねた物が。

 ジョージさんあたりが置いたんだろうな。



「なんだ、勝手に仕事を増やされて不満か?」


「いえ、そのような事は……」


「嫌なら他の者に変えてやるぞ? せっかく白雪達に触れるチャンスが増えるというのにな」


「やります」


 おおう、即座に態度が変わった。

 解りやすい人だな、本当に。




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