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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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236/3658

236:洗ってあげよう。

「そういえば、毒の方はどうだったんだい?」


「強力なのは解ったけど、少し離れるだけで毒性が無くなるのも解っちゃってねぇ。研究を急ぐ必要が無くなっちゃったわ」


「ふむ、急務で無ければ【妖精】を縛りつける訳にもいかないか」


「そういう事。ま、代わりに妖精の糸を貰ったからそっちで色々楽しめそうよ」


「ほう。良かったじゃないか」


「あ、ディーさんも要りますか?」


 ジェイさんが担当だったとは言え、片方だけに上げるのも不公平な気がするし。



「ふーむ。気持ちはありがたいけど、僕が使うとなるとそれなりの量が必要になるだろうからね」


「あー、それもそうか。あ、それじゃ甘い物は好きですか?」


「あぁ、好きだよ。しかし、こちらじゃ中々手に入りづらくてねぇ」


「それじゃ、何か小さめの入れ物は有ります? 私の粉、毒を乗せなきゃただの砂糖ですんで」


「お、それはありがたいね。ちょっと待って…… おっと、ありがとうジェイ」


「うふふ。どういたしまして」


 ジェイさんがどこからか小さなコップを持ってきてくれていた。

 これ、粉入れて大丈夫? ヌルヌルしてない?

 あ、大丈夫っぽいな。それじゃドバドバ入れていくか。



 ラキに左耳を丹念に舐め回されながら、大さじ一杯分くらいを注ぎ込む。

 こらこら、穴の入り口でどこまで舐めて大丈夫か探るんじゃないよ。

 また潜り込まれても困るので、早めにお尻をトントンして止めておこう。



「さて、それじゃ今日の所はこの辺で」


「ああ。わざわざ来てくれてありがとう」


「いえいえ、効果について知りたいのはこちらも同じでしたから」


「あら、もう少しだけ待ってくれないかしら?」


「どうしたんだい?」


「うふふ。こういう事よ」


 ジェイさんが壁を触手で指す(指差す)とそこに一筋の線が入り、中から押し広げる様にヌルヌルのサフィさんが滑り出てきてボトリと落ちた。

 うわー、すごいぐったりしてるなぁ。

 あ、天井から乾いたバスタオルが三枚落ちてきた。

 まぁこれだけ全身が粘液まみれじゃ、一枚じゃ足りないよね。



「うぅ…… 全身にヌルヌルがぁ……」


「何やったんですかジェイさん……」


「あら、私はサフィちゃんが汗だくでへろへろになってたから、お風呂に入れてあげてマッサージもしてあげたのよー?」


「余計なお世話だぃ…… 服、余計にベトベト……」


 落ちた体勢のまま微動だにせずに文句を言うサフィさん。

 うん、汗だくより酷い事になってるっぽいし言いたくもなるよね。

 というかお風呂って、もしかして粘液風呂か……?



「うふふ。お風呂もマッサージも気持ち良かったくせに、強がっちゃってー」


「ふ、服がベトベトなのは本当だし……!」


 なんか悔しそうに言い返してるのは、図星って事か。

 まぁ得意って言ってたし、おかしくはないか。



「あらあら、それじゃ仕方ないわねー?」


「え…… あ、や、やめっ」


「ごっくん! うふふふー、綺麗にしてあげちゃうわよー?」


 あー、抗議したサフィさんの居る床がへこんで、窪みの周囲がせりあがってぱくんと閉じられた。

 なんかくぐもった「ひやぁー」とか「やめぇー」とかいう悲鳴が、床からさっき出てきた壁の方にゆっくり移動していってる。

 乾かしながら運んでるのかな?



「出来上がりー!」


 あ、吐き出された。

 おー、服がちゃんと乾いてる。凄いなー。

 まぁ本人はさっきと同じ様な姿勢でぐったりしてるけど。


「うぅ、酷い……」


「だって、サフィちゃんが服が汚れてるっていうんだもーん」


 いや、最初汗だくだったとはいえ、べとべとにしたのはジェイさんだよね。

 まぁ汗でびしょ濡れのままってのも、気持ち良いものじゃないけどさ。



「しかしこれ、どうやって乾かしてるんですか?」


「うふふ、聞きたい?」


「そりゃまぁ、聞きたいから質問する訳ですよね」


「それもそうねぇ。人間で言うと、腸に放り込んだ様なものよー」


「ちょ、腸ですか……?」


「うふふ。腸の内側って、絨毯みたいに細かい毛でデコボコになっててねー?」


「あー、それで揉んで水気をどんどん吸い取っちゃう訳ですか」


「そうそう。で、仕上げに魔法で温風を浴びせて残った湿気もぶわーっとね」


「なるほどー」



「ふ、服の中にまで入って来なくて良いじゃない……」


「あら、それじゃ下着がちゃんと乾かないでしょう? 外から乾かすだけじゃ、効率が悪いもの」


 んー、まぁ確かに、下着がヌルヌルのままだと気持ち悪いかもなぁ。

 でも服の内側に触手突っ込まれるのも、結構嫌かも。

 あー、でも手触りはふわふわなのか?

 試したくはないけど。



「それに、サフィちゃん暑いの嫌いでしょー?」


「う……」


「中に入れた触手で内側に冷風を送って涼しくしながら、外にだけ熱風を出して快適に乾かしてあげたのよー? 結構難しいのよー?」


「うぅ……」


 なんか追い詰められてる感じになってるけど、それ脱いで服だけ乾かしてもらえば済んだ話じゃないかな。

 既に全身を触手で舐め回されてるんだし。

 ここだとディーさんが(男の人)居るけど、さっきまでは個室に居た訳だしね。



 とりあえず、体はマッサージでほぐされても精神的にぐったりしてるみたいだから、【妖精吐息】で癒してあげるとしよう。

 うん、お疲れさまでした。

 ……ラキ、横から顔出してちょっと横取りしないの。




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