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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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235/3658

235:突っ込まれよう。

「まぁそんな訳で二人がかりで何とか撃破して、渡航の権利を勝ち取ったんだけど」


「こう言っちゃなんですけど、ジーさんに付いた方が楽だったんじゃ?」


「うふふ、それはダメよ? 協力しようと近づいたらこれ幸いと殴り飛ばされて脱落させられちゃうもの」


 まぁあくまでも敵同士なルールのはずだし、仕方ないのか。



「ジーはそういう小細工があまり好きじゃないしね。協力しようって言っても殴られた上に後で説教されるのがオチさ」


「望む物は自分の力で勝ち取らんかい! ってね。実際負けた後もすっごいボヤいてたしねぇ」


「よく納得しましたね?」


「負けは負け。僕らがそういう手に出る事も想定して、ルールを決める時点で口を挟まなかった自分が悪い。って事らしいよ」


「ほー、潔い人ですねぇ」


「うふふ。そうは言っても『ハメられたわい……』とかなんとかって出発の時までずっと言ってたのよ?」


「ま、まぁ結果にゴネないだけ良いんじゃないでしょうか……」


 む、首周りをカサカサ這われるのって結構くすぐったいな。

 なんかラキ、露出してる所を舐めつくそうとしてない?

 別に邪魔になる訳じゃないし、良いけどさ。




「ははっ。まぁ彼の事だから、どうせ次かその次の船には無理矢理乗り込んでくるだろうさ」


「暴れられたら面倒だから、国側も素直に乗せるでしょうしね」


「でも魔法の研究が出来れば良いなら、無理にこっちに来なくても良いんじゃ?」


 本国の方が資料とか素材とか一杯ありそうなもんだけど。


「うふふ。ジーも私たちほどじゃないけど、姫様を孫みたいに可愛がってるからねぇ」


 あー、その人もアリア様大好き組か。



「それに向こうは雑音が多すぎる。何かを発見するたびにワイワイと群がってくる連中の対応が面倒なんだよ」


「普段は怖がって近寄りもしないくせに、現金な事よねぇ」


「でも、ちゃんと公開するんですね」


「定期的に報告しないと、余計にうるさいのよ」


「成果を隠して、何か企んでるんじゃないかと難癖をつけてくるからね」


「あー、なるほど…… まぁ、寄ってくるのも仕方ないんじゃないですか?」


 新技術とか新魔法とか、結構なお金になりそうだし。



「うん、そうだね。でもまぁ彼の事だから今頃片っ端から追い払って、さっさと国から追い出されようとしてるだろうね」


「うふふ。『やかましいわ! 鍛錬の邪魔じゃい!』なんて言ってるのが、目に見えるようだわ」


 研究とか調査とかじゃなくて鍛錬なんだ……

 日々鍛え続けながら、より効率的な魔力の使い方とかを模索してるんだろうか。




 こら待てぴーちゃん。

 ウエスト部分を口でくわえて引っ張って、中の空気で深呼吸するんじゃない。


 いや、なんでそんな幸せになってるんだ。

 ぬくもってはいるかもしれないけど、仕様上は何も変わらないはずだろうに。

 いや、それを言ったらそもそも頭とかクンクンしても意味無いはずなんだけど。



「ぅぴゃぁ……」


 両手を後ろに回して、服の上からぴーちゃんの頭を挟んでぐにぐにと揉む。

 くぐもった悲し気な声を上げてもダメですー。


 殆ど伸びない生地だから、微妙にお腹が苦しいんだよ。

 ほらほら、その口を離せー。


 よしよし、大人しくしときなさい。

 そのまま服に顔突っ込んでるくらいは構わないからさ。




 ラキはラキで、なんでさっきから耳周りを丹念に舐めてるんだ。

 耳裏の形に添って舌を這わせられると、結構くすぐったいんだけど。

 おおう、内側はもっと……


「ひゃっ!?」


 うおお、待ってちょっと待って。

 耳の穴に無理矢理頭ねじ込んでこないで!?

 流石に体の中まで舐めるのは勘弁してくれませんかラキさん……



 耳から生えたみたいになってるラキのお尻を摘まんで、きゅぽんと引き抜く。

 こら、もっと舐めたいーって顔してもダメです。

 持ち替えて左手に乗せて、「めっ」と頭を人差し指で押さえる。


 しょんぼりした顔で素直にごめんなさいと頭を下げるラキ。

 よしよし、怒ってないから。

 さっきみたいにやり過ぎなきゃ大丈夫だよ。



「うふふ。おねーちゃんは大変ねぇ」


「まぁ痛かったり邪魔になったりする訳でもありませんし、それで喜んでくれるなら好きにさせてあげたいじゃないですか」


「見た目は凄い事になっているがね」


「まぁ、そこはほら、ここに居るのはお二人だけですし……」


「ははっ。あんまり油断していると、ランディ達には見られているかもしれないよ?」


 あ、そういえばそうか……

 まぁ数人なら大した違いは無いし、あの人たちは話を広めたりする人じゃないだろう。

 そもそも人前に出る仕事じゃないし。



「うふふ。私に気付かれずに入ってくるのは流石に無理だけど、私が言ってないだけかもしれないからねぇ」


「あぁ、まぁ完全に閉じちゃってたらぶち抜くしかないですもんね」


「でも安心して。今は皆、サフィちゃんで遊んでる最中だから」


「あー……」


 うん、自業自得とはいえ頑張れサフィさん。

 でもなんか可哀想だし、後で蜜か何か上げよう。




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