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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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3/30

なんでそうなるの

 飲んでみて納得するわ。

 確かに、日本人にとって、一番馴染みのある味の飲み物はみそ汁だわな。

 せめてさぁ、汁物は排除しない? 選択肢から。

 例えばだけど、自販機で売られてる飲み物限定とかで……。

 いや、ダメだな。

 売られてるな、味噌汁。

 ――というか、だからこうして飲み物に分類されちゃった説ない?

 クソぅ……。


「お気に召しませんでしたか?」

「そっすねぇ……」


 思い出して欲しいのだが、このウェルカムドリンク、炭酸入りなのである。

 味噌汁に炭酸の刺激が加わるんだぜ?

 普通に不快。

 なので、この反応なのも理解して欲しい……。


「一応、スパークリングワインもございますが?」

「そっちをください」


 間髪入れずに飛びついたよね。

 ただまぁ、一口だけ口付けてウェルカムドリンクを返すのもなぁと思ったので……。

 意を決して一気飲み。

 二度と炭酸入り味噌汁とか飲まねぇぞ。


「無理をなさらずとも……」

「口付けちゃったんで」


 食べ物や飲み物は粗末にするなと親から口を酸っぱく言われてたので。

 あと、それらを粗末にした翌日のご飯が食パンと水になった思い出があるので……。

 ちなみに焼く事すら許されなかった。

 モソモソと食パンを食べた思い出が今でも強く残ってます、はい。


「では、改めましてウェルカムドリンクです。エルフ族の中でも一番と呼び声高いワイナリーの微発泡ワインでして……」


 そうして説明されながらグラスに注がれるワインは澄んだ空の青い色。

 そして、グラスの底に向かうにつれてオレンジ色に変化している。

 夕暮れ……いや、朝焼けっぽいな。


「こちらのワインは注いだ瞬間の空の様子を投影します」

「なんて?」

「今、外はこのような状態となっているわけです」


 そんなのあり?

 つまり、今外は綺麗な朝焼けという事?

 どんなワインだよ。


「銘柄名は『パーフェクトスカイ』。飲み手の好きな空を飲むことが可能です」

「なんと言うか、想像も出来ないワインですね……」


 味も発想も。

 でも、結局のところ問題は味よ。あと香り。

 ワインだしね。


「結構柑橘系の香りが強い。あと、白い花っぽいニュアンス」

「よい嗅覚をお持ちのようで」


 これも親から。

 成人したその日に、俺の生まれ年のワインを赤と白開けられてさ。

 どう楽しむか、ってのを教えて貰ったわ。

 あの時のワイン、美味かったな。


「……海っぽい香りがする」


 なんというか、潮風みたいな匂いがしたんだよな……気のせいか。

 香りを堪能した事だしグイっと一杯。

 ――うっま。

 良かった、こっちはお吸い物味、とかじゃなくて。

 アルコールはそこまで強くない。微発泡なのを考慮してもなお、低めと思う。

 で、口に入った最初はオレンジみたいな味がする。ギュッと凝縮された甘酸っぱい味。

 ただ、一瞬オレンジかと思ったら、急にマスカットとかの味わいに変化する。

 あと、かなり甘い。デザートワイン? ってくらい甘いよ。

 シャインマスカットと同じ、あるいはキャンディみたいな甘さがある。

 それでも口の中でべた付かず、スッと飲めちゃう。

 これマジで美味い。ヨーグルトとかと合わせたい白ワイン。


「こちらはお気に召されたようですね」

「かなり美味しいです。もう一杯貰っても?」

「もちろん」


 という事でウェルカムドリンクお代わり。

 美味しい物はね、なんぼ飲んでもええですからね。


「ちなみにウェルカムショコラもございますよ?」

「あ、いただきます」

「ウェルカムピザも……」


 何でもかんでもウェルカムを付ければいいってもんじゃないぞ?

 あと、ウェルカムピザって大丈夫か?

 京都で言う、ウェルカムぶぶ漬けとかに該当しない?

 イタリアとかで。

 あ、イタリアならピッツァか。


「ピザの具は?」

「マルゲリータ、ジェノベーゼ、プリンの三つからお選びいただけますが?」

「最後なんて?」

「プリンです」


 聞き間違いじゃなかった。

 前の二つがポピュラーだったものだから、三つめも俺の聞き間違いなのでは? と思っちゃったよ。

 ウェルカムピザでプリンか……。

 いや、でも美味そうだな。


「じゃあプリンで」

「かしこまりました」

「あと、コーヒーか何か貰えます?」

「コーヒーのお好みの銘柄などは?」

「銘柄は特に無いですけど、あまり酸っぱくない奴でお願いします」

「すぐにご用意しますね」


 そう言ってぺこりとお辞儀し、客室を出ていくビオラさん。

 さて……と。

 荷物の詰まったキャリーケースを適当に放り、ベッドにダイブ!!

 部屋が広いから最初からベッドが用意されてるぜヒャッハー。

 寝台列車とか、寝る時に座席を倒してベッドにしたりするのが当たり前だったりするし。

 こうして好きな時に寝転がれるのは最高なんだよな。


「ベッドふかふかだし、枕は……」


 とりあえず枕にチョップし固さを確認。

 俺の手刀の沈み込み具合から察するに……枕自体はやや固め、低反発ではない。

 ふむ……。

 実際に頭を乗せてみて……お?


「頭を乗せたら沈み込んだな」


 置き上がって枕を確認。

 やっぱり、明らかにさっきまで無かった俺の頭の型が枕にくっきりと……。


「そちらの枕は頭を乗せた方の肩や首の負担が最も減る形状に変化する枕でございます」

「あ、そうなんですね」


 不思議そうに枕を見つめていたら、戻ってきたビオラさんに説明された。

 というか、早いっすね。

 ピザ、もう焼けたんですか?


「ウェルカムピザとウェルカムショコラ。それと、香りとコクを重視したコーヒーになります」

「ありがとうございます」


 早速コーヒーカップを受け取ってコーヒーを……。

 いやコーヒー真っ白!!?

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