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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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23/30

そんなに?

 なんか、異世界に来て甘味の話題で驚くこと多いな。

 それほどまでに異世界では甘味が重要視されているのだろうか?


「マウラ君、甘い物好きなんですね」


 まぁ、甘い物が嫌いな子供の方が珍しい気もするけど。

 

「俺らも好きだぜ? 甘ぇ食い物は娯楽の一種だしな」

「娯楽……ですか」


 嗜好品ではあるけど娯楽の分類に入るかって言われるとなぁ……。

 娯楽の意味を考えると入っても変ではないけど、嗜好品は嗜好品だろって感想になる。


「甘味食べ歩きの記事が新聞で人気ですし、結構な頻度で甘味のコンテストが行われているんですよ?」

「へー」


 現代でもスイーツのコンテストとかはやってるけど、大体年一回とかだよね。

 そりゃあ外国とかを含めたら結構な頻度になるのかもしれないけれども。


「反応が薄いって事は、ミクリヤの居た世界では結構当たり前だったりするのか?」

「それは甘味がです? それとも甘味のコンテストがです?」

「両方だ」

「う~ん……」


 当たり前……だよなぁ。

 そこらのコンビニやスーパーで手軽にスイーツ買えるし。

 大体の料理店に入ったらデザートも当たり前に置いてあるし、何なら、年に一回七割くらいの男性は涙を呑むイベントもあるからね?

 コンテストについては……。

 でも、ケーキ屋さんとかで○○セレクション受賞とかは見かける気がするな。

 結構やってるんじゃない? 知らんけど。


「俺の世界では身近ですねぇ」

「詳しく聞きてぇな」

「お聞かせくださいな」

「私も興味があります」


 まさかのビオラさんまで参戦。

 いや、プリンの話をしてたし、結構興味あるんだな、スイーツに。


「色んな種類の甘い物が手軽に買えますよ」


 コンビニとか、期間限定で商品の移り変わり激しかったりするし。

 あと、アイスも年中売ってるし。


「例えば?」

「チョコやケーキ、プリンにゼリー……。アイスもありますし、期間限定でまぁ他にも色々と」

「すげぇな……」


 凄いか? いや、凄いか。

 コンビニの品揃えとか、海外から来た観光客ですら驚くらしいからな。

 これがスーパーになればさらに商品の種類が広がるんだからまた凄いんよな。


「チョコレートはどのような物が?」

「クッキーだったりビスケットだったり。チョコクランチとかもありますし、チョコレート菓子だけでもいくつか思い浮かびますね」

「……ゴクリ」


 ん? 今の喉が鳴った音はどこから?

 私の後方から。

 という事はビオラさんか。

 ――ん、そういえば……。

 

「異世界のチョコレート菓子、今持ってますけど食べます?」

「いいのか!?」

「いいんですか!!?」

「ぜひっ!!」


 旅行に際し、俺が必ず持ち歩くものがカバンに入ってたのを忘れていたな。

 小腹空いた時とかに食べられるし、好きだしって事で常備してんだ。


「ウエハースをチョコでコーティングしたお菓子になります」


 オソラクカット、抹茶味。

 これが好きでね。


「色が緑だな」

「異世界のチョコレートは緑色なのですね」

「あ、違くて。これ、抹茶味のチョコレートなんですよ」


 危うく現代日本のチョコレートは緑色がデフォだと思われかねないところだった。

 いやまぁ、抹茶味のチョコは基本日本にしか無いから緑色がデフォだと言っても……過言か。


「抹茶?」

「です」

「……いいのか?」


 何が?

 ……あー、健康的にって事?

 確かに動物にお茶飲ませるのってどうなんだろ?

 カテキンとか大丈夫なんかな?


「ありがたくいただきます」


 なんて思ってたらビオラさんが包装破って一口でパクリ。


「……チョコでコーティングされているのに中のウエハースはふにゃふにゃになっておらずサクサク。コーティングのチョコもかなり滑らかで――おお、抹茶の風味が素晴らしい」


 えらく饒舌じゃん。

 まぁ、気に入って貰えたなら何よりだよ。


「ん。うめぇ。ミルクチョコか? かなりまろやかでミルク感が強いチョコだな」

「そのミルク感と抹茶の風味が凄く相性がいいですね。こうして一つ一つ包装されているのも嬉しい所です」


 一瞬ためらってた獣人夫婦も食べたらしく、こちらでも高評価。

 流石は日本の製品。

 そのレベルは異世界にも通じるってね。


「いやしかし、気前よく抹茶味をポンとくれるとはな」

「そうですね。いい思い出になります」

「……? 抹茶味が何かあるんです?」


 どうも獣人夫婦の口ぶりからして、抹茶味に不安を抱いて食べるのを迷ってたわけではなさそう。


「この世界では抹茶味は希少なフレーバーで、中々流通しないんですよ」

「あ、そうなんですか」


 なんて思ってたら、ビオラさんから説明して貰った。

 確かに、異世界に抹茶のイメージは無いしなぁ。


「それに、流通してもすぐに売り切れるから中々手に入らねぇ」

「お客様をもてなす時に抹茶味のお菓子を用意出来るか、が上流階級の指標と言われるくらいですのよ」

「マジか……」


 異世界で抹茶のカーストがうなぎ登りなんだけど。

 マジかよ。


「ん? じゃあ俺はその指標をクリアしちゃったってこと?」

「そっちの世界でどうかは知らねぇが、今の菓子を大量に仕入れられるならこっちでは余裕で成り上がれるだろうな」

「大量の基準にもよりますけど、まぁ百や二百程度なら……」


 抹茶味のオソラクカットはファミリーパックとかあるし。

 スーパーを数件はしごすれば、数だけは確保出来そう。


「……御厨さま」

「どうしました? ビオラさん」

「御厨さまの出身の異世界の名前と、御厨さまが住む国の名前、地域名、その他詳しくお聞かせ願えませんか?」

「構いませんけど……」

「次回の長期休暇で必ず、必ず! 旅行させていただきます!!」


 ――来られるんだ、異世界から日本に。

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― 新着の感想 ―
よく考えたら世界の名前って難しいよね。 他の世界認識出来ないと自分の世界に名前付けないからなぁ
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