擁護不可
で、オーダーしたプリンが登場。
――したんだけれども……。
「抹茶プリンがデフォなのか?」
緑色してるんですけど。
……どっちだ?
抹茶プリンなのか、それとも麺に使われていた緑色の黄身をした卵を使って作っているのか。
「……食べれば分かるか」
という事で早速スプーンですくって口へ。
あ、ちゃんと柔らかい。
こう、カッチリした昔プリンみたいな感じじゃなく、滑らかカスタードプリンみたいな感じ。
スプーンを当てたら、静かにプリンに沈み込んでいく。
「あー……緑色の卵が使われてるね」
で、味なんですけど……。
マジでただ美味しいカスタードプリンだった。
という事は緑色は卵の色という事になる。
やっぱり黄身が緑色の卵が使われてるんだね。
「あとでビオラさんに聞いてみるか」
さっきはプリンだけを食べたから、今度はカラメルと一緒にいただいてみる。
……おー。
「程よい苦みと香ばしさがいいね」
カラメル苦め、これ大正解だな。
カスタード由来の若干ベトッとした甘さが、苦めカラメルのおかげで全然口に残らない。
更にカラメルの香ばしさが卵の香りと一体となって口の中に漂うんだこれが。
「ここにココナッツミルクを……」
で、追加トッピングのココナッツミルク。
甘さもあるけど、何よりココナッツの風味が俺は大好きなんだよね。
一時、ブラックコーヒーにココナッツミルクを混ぜるのにハマってたくらい。
ただ、すぐ傷むんだよね。酸味が出てきちゃう。
だから冷凍してたなぁ。
今はもう無いけど。
「んー、ココナッツミルクのさっぱりした甘さとココナッツの風味が、プリンによくマッチしてますわ」
で、そのココナッツミルクがプリンに合わないはずもなく。
カスタードとはまた別方向のさっぱりした甘さが舌に新しい風を吹かせ、カラメルの苦みをより引き立てる。
と思えば俺を忘れるなとカスタードの甘さがやって来て。
例えるならあれだな、高級ホテルのプリンみたいな感じになる。
美味いわ、マジで。
「プリンが人気なのも納得だわね」
ラーメンもそうだけど、マジでカスタマイズ次第で無限大だし、もし次に訪れる時はこんなカスタマイズにしよう、と退店前に注文票見ながら考えちゃうもん。
このシステム作った人は天才だね。
これならリピート客も増えるだろうし、そりゃあ百五十店舗も広がりますわ。
……本当か?
「よし……ビオラさん?」
「お呼びでしょうか」
「食べ終わりました」
という事で食べ終わったのでビオラさんを召喚。
いやぁ、異世界のラーメンとプリン、美味しかったです。
「では、お会計を済ませて『天葉』の方へ戻りますね」
と、支払いを済ませ、また背景が線になって列車に戻る。
「そういえばなんですけど」
「?」
「卵麺にしたら麺の色が緑色だったんですけど、黄身が緑の卵ってあるんです?」
「ございますよ? と言っても一般的なものではなく、いわゆるブランド卵となります」
「やっぱり」
「大きさがございますので、量も作れ、味もよく、栄養価も高い。名のあるお店はほとんどがその卵を使用しているかと」
「へー」
まぁ、日本にもブランド卵は会ったりするし、何なら、卵かけご飯用や、カルボナーラ用、果てには温泉卵用とかの用途専用卵もあるし……。
異世界でそれがあってもまぁ不思議ではないか。
「ちなみにどれくらい大きいんです?」
「座った御厨さまがすっぽりと収まるくらいでしょうか?」
「デッカ」
せいぜいダチョウの卵位だと思ってました、サーセン。
座った成人男性が収まる大きさって結構だぞ?
何人前の卵になるんだ?
「こちらからもお聞きしてよろしいですか?」
「なんでしょう?」
珍しいな、ビオラさんから質問があるとか。
「プリンにはどんなカスタマイズを?」
「……え?」
ちょっと予想外かも。
ビオラさんからそんな事を聞かれるなんて。
「私事ですが、休日によく利用するんですよ、あのお店を」
「『LIN&LIN』を?」
「はい。それで、御厨さまはどのようなカスタマイズをプリンに施したのかと気になりまして」
「んー、プリン柔らかめ、カスタード生地、カラメル苦め、ココナッツミルク追加、でしたね」
「ふむふむ。……美味しかったですか?」
「めちゃめちゃ美味しかったです」
「なるほど……」
と、どうやら俺のカスタマイズをメモしてるらしいビオラさん。
「ちなみにビオラさんの今のところのお気に入りのカスタマイズってあります?」
「私は断然黒蜜ときな粉をトッピングするのがマストですね。生地に黒ゴマを追加することもあります」
「あ、美味しそう」
和風黒ゴマプリンって所か。
確かに外れ無さそうだな。
「この事を同僚と話したら、『俺は絶対にマヨネーズを付ける』とか言いやがりまして」
「……ラーメンにではなく?」
「いえ、プリンに、です。なのでその同僚とはしばらく口を利いてません」
なんと言うか……異世界にも、変な食べ方をする人も居るんだねぇ。
プリンにマヨネーズ……合わなさそう。
「後は醤油をかける同僚も……」
「同僚に碌なエルフ居ませんね?」
プリンに醤油はもうウニだろ。
なんでエルフってプリンをそんな食べ方するんですか?




