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異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


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18/30

一生の思い出

 やっぱり今回もダメだったよ。

 というか、マジでワイバーンに当てらんねぇ……。

 ドラゴンの方は討伐できたのにな。

 やっぱ的が大きいとそれだけ当てやすいわ。

 ――その代わり、ドラゴンの的を壊すのに五発もかかっちゃったけど。


「次でラストやね」

「最後にワイバーンに当てたいですねぇ」


 ここまで散々外してるからな。

 せめて一発くらいは直撃させたい。


「動かすの止める?」

「お願い出来るなら」


 で、その為ならばプライドも何も全て捨ててやる所存。

 流石に動いて無ければ当たるでしょ。


「ほいっと」


 という事でワイバーンのランダム移動を止めて貰い、空中に制止。

 これなら当たるわ。


「ほな、最後や。今まで以上に気合入れた呪文詠唱頼むで」

「気合入れた呪文詠唱……」

「ほら、盛大にかましたれ」


 などと煽られ、肩に手が置かれたのを確認。

 よし、と。


「王者の鼓動、今ここに列を成す! 天地鳴動の力を見るがいい! 最大出力で放出せよ! クリムゾンヘルフレア!!」


 たまには、さ。

 いい歳した大人でも、学生でなくても、子供でなくても。

 恥じらいを捨てて、はっちゃけたい時があるよね。

 だから、こんなアニメでしか聞かないような詠唱や口上を言っても無問題。

 そう言い聞かせ。

 俺の手から放たれた火球は、動かないワイバーンに吸い込まれるように移動して。

 直撃、爆散、炎上。


「た~まや~」


 という店員エルフさんの掛け声に振り向き、サムズアップ。

 店員エルフさんも俺にサムズアップを返したところで、俺の初めての魔法発射体験は幕を閉じた。



「めちゃめちゃ楽しかったです」

「そら良かった」

「お楽しみいただけたようで何よりです」


 丁度俺の魔法発射体験が終わった頃、ビオラさんが出現。

 そういえば気付けば居なくなってたな。


「おススメして貰ったカスタマイズがマジで丁度良かったです」


 ビオラさんのおかげで本当に楽しめたし、もっと撃ちたい! とかはあんまりないかな。

 いやまぁ、欲を言えば色んな属性の魔法を撃ちたいとは思うけれども。

 時間もあるだろうし、ここまでにしとくよ。


「また来てや~」


 と、手を振って見送ってくれる店員エルフに手を振り返し。

 ミステリーツアーでの申し込みだし、そもそも現代日本から異世界行のツアーなんて今後来る事は出来ないだろうなぁ、などと思いつつ。


「お昼はラーメンなんですっけ?」

「はい、ラメーンの有名店へご予約を取っております」


 と、移動魔法でラーメン屋に移動。

 断じてラメーン屋ではない。


「意外とお腹空いてる」

「あのエルフがやっていた事は魔力の肩代わりですが、その肩代わりした魔力分のエネルギーを御厨さまから徴収しております」

「初耳だけど?」

「基本的に無害なので。まぁ、三桁数以上魔法を乱発すると、げっそりと痩せこけてしまいますが」


 ……ん? てことは、現代人は魔法を撃つためにカロリーを消費する?

 ……それ、魔法を撃てば撃つほど痩せていくって事?

 え? 神施設じゃん。

 あんな楽しい事を、ストレス発散しながらさらに痩せられるの? それがあの値段?

 ――現代に欲しい。

 ネズミの国……は世界観的に厳しいだろうから、大阪の方のテーマパークとかで出来たりしない?

 出来ない? あ、そう。


「なので、身体がエネルギーを求めている状態ですね」

「ほへー」


 というわけでやってきましたエルフの経営するラーメン屋『LIN&LIN』。

 ラーメン屋の外からいい匂いが漂ってくるよ。

 味噌に醤油のいい匂い……というか、あるんだ。異世界に。

 味噌と醤油が。


「予約の御厨です」

「奥のお座敷へどうぞ」


 しかもお座敷席とかあるし。

 本当に異世界か? 現代感しか感じないが?


「ご予約のお客様ご来店でーす」

「いらっしゃいませー!!」


 ほら、この感じとかどう考えても現代日本のそれでしょ。

 ……ラーメン屋特有の黒シャツに『LIN&LIN』って文字がプリントされたやつ着てるし。

 頭に鉢巻き巻いてるし。

 店の入り口には、店員さんが腕を組んだポスターが飾ってあるし。

 この一角だけ切り取ったら、現代日本と言われても信じるな、うん。

 ――店員さんが一様に金髪や銀髪だし、耳が長いし、顔がめっちゃ整ってることを除けば、だけど。


「このお店は、『天葉』内のタピオカドリンクの様に注文票に好みを記載して注文する方式です」

「なるほど」


 あるよね、麺の固さから替え玉までを自分好みに注文出来るお店。

 というわけで注文票を確認。


「……あ、全部?」

「全部です」


 俺のイメージ、麺の固さとかスープの濃さとかトッピングの種類とかだけだったんだけど。

 この『LIN&LIN』だと文字通り全部を自分好みにカスタマイズ出来るのね。

 麺は、太さはもちろん、縮れ、卵麺、固さを選べ。

 スープは、味噌、醤油、ボア骨、塩、魚介から最大二つ。

 味噌ボア骨とか、魚介塩、みたいな組み合わせも可能。

 トッピングも、チャーシュー、ネギ、もやし、ほうれん草、コーン、バター、ミルク、チーズ、煮卵と色々豊富。

 麺の量も倍や三倍、Xなんてのもある。


「この麺の量Xというのは?」

「十倍ですね」

「食べる前に伸びるでしょ」


 ではでは、俺のお腹の空き具合と相談しつつ。

 異世界エルフラーメン……楽しませてもらいますか!

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