表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/30

人間に優しくない

 ふっふっふ。

 分かってますって。

 この牡蠣、見た目は牡蠣だけどアサイーボウルに入ってたバナナ味のやつでしょ?

 ビュッフェに並んでいるのはブランチ用のご飯って言ってたし、だったら果物のバナナが並んでいても不思議じゃない。

 何なら、牡蠣が並んでいる方が不思議まである。

 というわけで……この牡蠣バナナをいただきます。

 アサイーボウルの時も思ったんだけど、この牡蠣バナナ美味しいんだよね。

 そうそう、この鼻に抜ける磯の風味。

 ほんのり塩味の利いたクリーミィな味わいで、とろける様な味わいが……。


「牡蠣だ」


 牡蠣でした。

 誰だよバナナ味とか言った奴。

 普通に見た目通りの牡蠣味だったが?


「日本の方が美味いな」


 そしてその牡蠣も、美味しいには美味しいんだけれど……。

 日本で食べる牡蠣の方が普通に美味い。

 何だろうな、味の濃さが日本の方が濃い気がする。

 異世界の牡蠣はちょっと物足りなさがあるな。


「お、牡蠣グラタンとかあるじゃん」


 で、ビュッフェを眺めていたら、牡蠣の殻を剥いたままの姿に刻んだ野菜とチーズを乗せてオーブンで焼いた牡蠣グラタンが。

 これは食べるしかないでしょ。


「チーズとホワイトソースが牡蠣とすこぶる合う……」


 で、当然のように美味い。

 この牡蠣グラタンなら日本の牡蠣とも渡り合えるな、うん。


「……て、違う違う」


 俺は牡蠣を食べるためにビュッフェを頼んだんじゃあない。

 えーっと、何かデザート……。


「オーダーメイドタピオカドリンク?」


 そういえば、ビオラさんがさっきの町でおすすめのお店を紹介してくれた時、その内の一つの人気商品がタピオカドリンクって言ってたな。

 エルフの中で流行ってるのかな? タピオカドリンク。


「えーっと? 注文票を書いて提出するだけか」


 で、気になるから飲んでみることに。

 注文方法はとっても簡単。注文票に書いてある項目に、自分好みになる様にチェックを付けて提出するだけ。

 チェック方法は四角の枠があるから、そこに指を置いて魔力を込めればチェック完了……。

 ――? 簡単? 俺には不可能だと思われるんだけど?

 しょうがない。こうなったら……。


「ビオラさん、居ます?」

「お呼びでしょうか?」


 エルフを召喚。

 これ、異世界人には優しくない注文方法だなぁ。


「タピオカドリンクを飲みたいので、注文票にチェックを入れて貰っても?」

「? ああ、魔力込式チェックの紙をお取りになったのですね」


 そう言って空間の割れ目に腕を突っ込んだビオラさんは。


「こちら、ペンで記入する用紙もございますよ?」


 と、ペンでチェックする式の用紙を渡してくれる。


「あ、ありがとうございます」

「いえいえ。また何かあればお申し付けくださいませ」


 そう言ってお辞儀し、どこかへ消える。

 ……何だ、あるじゃん。

 俺が見つけられなかっただけか。

 というわけでタピオカの注文へ。


「タピオカの固さ……固め普通柔らかめはいいとして、粉落としはタピオカに使う固さの表現じゃないだろ。当然の様にハリガネとかあるし」


 ただ、この注文票がどこかラーメン屋チックなのはなんでだろうね?

 タピオカの固さから始まり、タピオカの量、ドリンクの濃さ、ホイップクリームやチョコソース、キャラメルソースに至るまで。

 タピオカドリンクでそこまでいる? みたいな注文が出来ちまうんだよな。

 というわけで、タピオカの固さ柔らかめ、ドリンクはミルクティー、濃さ普通。

 ホイップクリームやソースの追加は無しのスタンダードなタピオカドリンクを注文。

 あ、タピオカの味も替えられたよ?

 フルーツ味とか、チョコ味とか、挙句にはカスタード味まで。

 まぁ、俺はこれもオーソドックスな黒糖味にしたけども。


「で、この注文票を提出と」


 ……どこに?

 目の前にはビュッフェの料理が並ぶ棚しかないが?

 どこでもいいのかな?

 と、空間の割れ目に記入したタピオカ注文票を置こうとすると。


「うわ」


 急に、注文票が虚空に消え。


「え?」


 直後に、俺が座っていた客室の座席。

 その横にあるドリンクホルダーにタピオカドリンクが出現。

 なにこれ凄い。


「ん~、美味い」


 早速一口だけど、まぁ、美味い。

 ミルクティーの香りとミルクのコク、黒糖タピオカの甘さと俺が思うタピオカドリンクそのまんまの味。

 タピオカの固さもいい感じ。

 あんまりゴリゴリしたの好きじゃなくてさ。

 噛んだ時に、タピオカの中心まで一気に歯が通り、そこで一瞬固くなる、みたいな食感が好きなの。

 歯に貼りつく寸前くらいの柔らかさでさ。

 このタピオカはその固さを完璧に体現してくれてるね。


「サイズも丁度いいし」


 某ハンバーガーチェーン店のSサイズくらいのサイズ感だけど、食後に飲むならこの位が丁度いい。

 もちろん、サイズの変更も可能。

 よかった、サイズがアメリカ基準じゃなくて。

 ちなみにサイズも、S、M、L、川、山、海、チャレンジとか言う謎段階に分けられていたよ。

 あんまり飲み物のサイズで地形が出てくることは無いから、逆に海とかのサイズが気になる所ではある。

 ……これ、人魚種専用で、文字通りタピオカドリンクで泳ぐため、とか言わないよね?

 あり得ないと思えないのがやだなぁ……。


「ん……眠くなってきた」


 タピオカドリンクを飲み干し、お腹が一杯になったから眠くなった。

 実に欲望に忠実な感じだけど、旅なんてぶっちゃけこんなもん。

 その時にやりたい事をやりたいようにやる。

 というわけで……一時間くらい仮眠しようかな。

 おやすみ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
牡蠣の見た目で牡蠣が出てくるのがおかしいと感じるなんて…
見え見えの待ちに引っかかった気がする…!! 三歩先を行かれたということか…(かっこつけ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ