表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/30

エルフ酒造

「色んな種族の方が居るんですねぇ」

「葉脈市場は人気な観光地ですから」


 紅茶を買い終え、もう少し時間があるとの事なので市場内をぷらぷら歩いて輝蜜酒のお店へ。

 そんな中、やっぱり目に入るのはその場を行き交う人たちなわけで。

 先ほどのハーピー種に始まり、当然に多数見受けられるエルフ。

 頭に角の生えた……鬼? 的な種族から、背中や腰から翼を生やし、首筋には鱗が見て取れる恐らく龍人種。

 あと、恐らくだけど水かきが付いてる魚人……いや、ここは希望を込めてマーメイドという事にしておこう。

 と言った種族まで。

 陸はおろか、空や海の種族まで居るとは恐れ入った。

 もちろん獣人も居た。

 確認出来たのが耳の形状だけだから詳しくは分からなかったけど、狼や猫、熊辺りは見つけたな。

 なお、一番見かけず、数が少ないと感じた種族はドワーフなもよう。

 いやまぁ、種族単位で仲が悪いってんならわざわざ出向かないよなって。

 ただ、ドワーフに出会った場所というのが、今辿り着いた輝蜜酒のお店なわけだけど。

 やっぱりお酒だけは外せないらしい。


「こちらが輝蜜酒を取り扱うお店になります」


 そうして案内されたお店の外装は、切り株をイメージしたような見た目であり。


「入口は上になります」


 と、まさかの頭上侵入型。

 どうやって店の上へ? と思ったら、景色が線になって到着。

 そうか、これがあったね。


「いらっしゃいませ」


 で、店の上にあったハッチ的なのを開け、店内へ伸びる梯子を下りると、店員さんに出迎えられ。


「本日は何をお求めでしょうか?」


 と。


「輝蜜酒を買いたいんですけど……」

「蜜の比率はいかがしましょう?」

「こちら、異世界の方で輝蜜酒は初めてですので、いくつか試飲をお願い出来ればと」

「なんと、異世界からの旅行者様でしたか。これはこれは」


 と、ヒッヒッヒッみたいな怪しい笑い声をあげながら奥に引っ込み。

 ウイスキーを飲むグラスのようなものを三つ。

 中には琥珀色の液体が、指一本を横にした高さまで注がれている。

 色の濃さはグラスごとに違い、これが蜜の比率の違いなんだろうな。


「おつまみとして『風鳴豆』もどうぞ」


 と小皿に盛られた緑色の豆も渡される。

 ……見た目完全に某龍玉の回復用の豆なんですがそれは。

 まぁ、とりあえず一つ。


「ん、美味い」


 これが美味しいんだ。

 まずね、食感はピーナッツ。

 カリっとした軽い歯ごたえで、噛んだらこの豆の風味が広がる。

 でもって味だけど、これは銀杏。

 ピーナッツ食感の銀杏で、これでビールとか飲んだら美味いだろうなぁ。

 で、ここに輝蜜酒をゴクリ。

 最初に色が濃いのを試させてもらった。


「おー……」


 まず最初に感じたのはトロリとした口当たり。

 酒ってより、マジで蜂蜜とかシロップ的な感じがする。

 続いて甘さ。

 うん、しっかり甘い。

 しかも果物とかの甘さじゃなく、ガッツリ蜂蜜系の甘さだね。

 で、香りは……樽香とかは感じないかな。

 代わりに金木犀のような香りがする。

 スッキリするタイプの香り。

 蜜の比率が高かったんだろうけど、これはちょっと甘すぎるかなぁ。

 美味しいし、好きな人はいるだろうけどね。

 カルーア系が好きだったらハマるんじゃないかな?

 ……牛乳で割ったら美味しそうだな。


「今のが蜜比率が7割のお酒です」

「今ので7割!?」


 てっきり9割とかだと思ってたんだけど。

 となると、もっと甘いのもあるって事か。

 口の中がシワシワになるぞ。 

 んじゃあ次は濃さ的には三つの中でも中間のやつを飲むか。

 その前に一度『風鳴豆』を摘まんでっと。

 うむ、美味しい。


「あー……」


 蜜の比率が下がった分だけ、トロリとした食感は消える。

 そして、如実にアルコール部分も強くなる。

 さっきのは全然アルコール感を感じなかったけど、今飲んだのはしっかりとアルコールを感じるな。

 味としては甘さが抑えられ、先程よりもさらりとした飲み口。

 さっき感じた金木犀のような香りは、アルコールの香りで消されちゃってるね。

 うーん……これならさっきのやつの方が好みかもなぁ……。


「そちらは蜜比率4割です」

「半分じゃないんだ」


 なんと言うか、普通はちょうど中間ぐらいを出して貰えるものとばかり。

 いやまぁ、別に構わないんだけど。


「事前に聞きますけど、これの蜜比率は?」

「そちらは2割ですね」

「1割じゃないんだ……」


 四、七と来たら一では?

 いや、俺が麻雀好きなだけか? これ。


「うっわ」

「どうされました?」


 グラスを顔に近付けただけで分かるアルコール臭。

 強いなぁ、これ。

 ドワーフが蜜比率低めを好むわけだよ。

 

「いただきます」


 これまでには無かった覚悟をしつつ、一気に呷る。

 ……あれ? 思ったほどアルコール――感じるわ!!

 喉がカーっと熱くなる感覚を、蜜の冷たさで冷やされる感じ。

 何だろうな、甘いウイスキーみたいな感じか。

 さっきまで試飲した輝蜜酒には無かった樽香を感じるし、若干のスモーキーさがある。

 えー……いや、飲めるし美味しいんだけどさぁ……。

 これ買って行っても飲み切る自信無いなぁ……。


 どの比率の輝蜜酒を買おうかと考えていたら、ここでドワーフが登場したわけですよ。

 ……俺たちが入ってきた上からの入店ではなく、普通に横から。

 横からというか、おおよそ一般的に出入り口だと思われる普通のドアから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ