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第31話(最終話)卑屈令嬢と甘い蜜月
そして、大掃除、大晦日、正月と、年末年始が目まぐるしく通り過ぎていく。
気づけば、いつの間にか二月になっていた。
「今日は結婚記念日ですね」
ミコトが縁側で雪を眺めながら、ポツリと呟く。
コノハも隣に並んで座り、眷属の淹れてくれた温かいお茶で一息ついていた。
「色々あった一年でしたね……」
葦原夫婦が出会い、その日のうちに結婚し、サクヤの妨害を乗り越え、トウマと再会し……。本当に内容の濃い一年間であった。
不意に、夫が狐面を外し、妻に向き合う。
「コノハさん。私はあなたと出逢えたことを、奇跡のように思っているのです」
「――はい。私もですよ、ミコト様」
二人の距離が近づき、唇が重なった。
この夫婦の甘い蜜月は、まだ当分終わりそうにない。
〈了〉
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