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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
四章:ウォーカー自然保護領
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ピザは大好評

「それじゃおかん、迎えに行ってくるであります!」


4人の獣人達が伴侶や家族を迎えに旅立った。

家は既に完成しているのでいつ来てもらっても大丈夫ではあるんだがね。

トータルで何名なのかを聞き忘れたよ・・・

まぁ・・・そこまで大人数にはならないと思いたい。


そして儂とオルガ、クッキー・サブレ・ビスキュイで夜な夜な街道の整備をした。

新たなウォール領がいずれ小国となるのならば、国交だの貿易だのの人の流れを考えて整備された道の方がいいと思ったんだよ。

まぁアスファルトがある訳じゃないので、地均し程度だけど。

魔獣や魔物でやってるからそんじょそこらの道よりは綺麗になったし、所々で休憩が出来る場所も設けてある。と言っても開けた広場って感じ。道端に座って休憩とかよりはいいと思うんだ。

そして各町にはちょっとした防護壁もどきも作ったし、出入り口には警備兵を立たせることにもなっている。町に出入りするには身分証の提示が必要になるので不審者予防にもなる。

ウォール領とウォーカー領、それにここウォーカー自然保護区はちゃくちゃくと整備が整っている状態だ。


獣人達お迎え組とすれ違いでエウリケがやってきた。ササミに咥えられて・・・

あのね?ササミ。彼は王太子なんだよ。それを咥えて運ぶってどうなの・・・


「あ、いえあのマォ殿。

 最初は背中に乗せてくれていたのですが

 私が転寝をして落ちそうになったのでこうなりまして・・・」


ササミの背中で転寝できるとか、意外と神経図太い?


「後私はもう王太子でも王子でもないので

 エウリケと呼んでいただければ嬉しいです」


ニコッと微笑む姿はまだあどけなさが残っている気がした。

それはそうと皆一斉に移動すると聞いたんだが・・・


「父上達は馬車で移動なので後2~3日は掛かるかと」


なるほど。ちなみにササミ・・・

エウリケを咥えてどうやって移動した? まさか飛んでないよな?・・・


『 ちゃんと走った!もっちゃんの最短ルート! 』


ん?・・・ まさかと思うけどあの崖も一直線に?


『 勿論! 』フンスッ


勿論じゃねぇんだわ、あれは駄目だろう!


「あー・・・エウリケくん。大丈夫だった?崖・・・」


「アレは最高でした! 人生で初めてでしたよ、崖から飛び降りるなんて!」


はい?! ササミさんや・・・ちょーっとこっちにおいで?

崖から飛び降りたの?! なんで?! 走りなさいよ!ってか迂回しなさいよ!


『 あいきゃんふらーい! 』


I can fly じゃねぇわぁぁぁぁぁ!!


「怪我はしてないよね?大丈夫だよね?・・・」


「大丈夫でしたよ、あれは癖になりそうな体験でしたし」


いや、癖にならんでもええから・・・



結局陛下もといエルフィン達が到着するまでエウリケは獣人達とトレーニングに励んでいた。

さすがに畑仕事はさせられんかったんよ。

元王子だからってんじゃなくてひ弱すぎて・・・(苦笑)

鍬持つ手が震えてんだよ・・・ 今までだって剣術の稽古とかしてたんじゃないのかと思ったのにしてなかったんだと・・・

なのでまずは体力作りからって事で獣人達とトレーニングをして貰っているんだがね。

見ているとこれはしなかったんじゃなくてさせて貰えなかったんだと解った。

すこぶる運動音痴だったんだよ・・・

腹筋も腕立ても1回も出来ないとか、ありえんだろう!その若さで!

まぁああやって体動かして行きゃなんとかなんだろ、たぶん・・・


案外獣人達とエウリケは仲良くやっているようで安心した。

ジャックなんかは弟ができたみたいだと喜んでたし。

儂としては孫を見守る気分だよ・・・

孫と言えば千秋とゆっちゃんにはいつ逢えるんだろうか、そろそろこっちに産まれてるんだろうか。

って、待って?・・・

今生まれたとして千秋がゆっちゃん産むのに早くて19年?

えーっと・・・儂最低でも78まで元気でいないと?・・・

マジで? 大丈夫かな・・・



4日後無事にエルフィン達が到着した。

今日はここに泊まってもらう事になっている。

今こそピザ窯の出番だな、ふっふっふ。


「おぉ、オーガは初めて見るな。

 こう見ると古狸よりはよっぽど人間味があるではないか」(笑)


「ええそうね、エルフィン。

 それに子供も可愛らしくて」


侍女長なんかはオルガに深々とカーテシーで挨拶してるし。

ぶっ、オルガマネしなくていいから!カーテシーしなくていいから!

ちょ、アムリタ(元王妃)もなにしてんの!

えぇぇ、オルガの髪を結ってみるって・・・

まぁいいか、オルガも嬉しそうだし・・・


そうこうしている間にピザは焼き上がった。

シカさんの野菜たっぷりミックスピザ!

勿論大好評で用意していたピザ生地が無くなったので追加で捏ねるハメに。

もぉある意味宴会になったよね・・・

愚痴が出る出る、特に王城に行けなかったダルクから・・・


「あの古狸共は何も解っていない!

 民あっての貴族であり王族なんですよ!

 予算組だって好き勝手言ってこっちの身にもなっていただきたい!

 我々が頂いていた給与も彼らが要求する予算も

 ぜーーーーーーんぶ民からの税なんですよ!

 それをうまく活用していかに民の生活を良くしていくかを考えないと!

 部下も部下でなんでもかんでもはいはい安請け合いばかりで!

 適当な空返事ばかりで役にたたないし、向上心なんてどこへやら。

 あれは給与泥棒です!

 あんなのに給与を払うくらいなら薬師の研究費に回して養毛剤の開発をですね!

 ああ、そうですね。マォ殿。マォ殿の知識でどうにかなりませんかね養毛剤!」


え?・・・ 儂に振るの?・・・勘弁してくれぃ。

読んで下さりありがとうございます。

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