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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
四章:ウォーカー自然保護領
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思ってたのと違う

うちの庭、と言うよりもこの居住区はいったい何を目指しているんだろうか。

ココナッツもどきの木にバナナの木にパインアップルの木、ここまでは南国風。

なのに沈丁花に雪柳に楓に桜に椿、花に至ってはヒマワリ、スノードロップ、クリスマスローズ、マリーゴールド、紫陽花などなど。

そして四方にそびえる四神獣の木彫り(大)、各家には等身大の熊の木彫りで儂の庭にだけ騎獣の木彫りまであるんだよ。

いやまぁ田舎の寂れた遊園地にある休憩所とかこんな感じだったりもするけども!

でもね?でもここ普通に居住区な訳だよね。 なんでこうなった・・・


「マォが木彫りとか始めるからだろ」


うっ・・・儂が原因? えー・・・皆元々木彫りやってたじゃねぇか・・・

しかも儂等身大とか作ってねぇし・・・


「マォが褒めるからだろ・・・」


えー・・・ 上手いから褒めただけじゃんかよ・・・


「皆マォに褒めて欲しかったんですよ、諦めて下さい」


むぅ・・・ まぁ出来上がったもんは仕方がない。

魔除けとか泥棒避けになりそうだし?

もっともここに泥棒なんて居ないし来れないだろうけども。



温室もどきも出来上がった。

某中年アイドルグループがやっていたバラエティで見た堆肥の発酵過程で出る熱を利用して室温を上げる方法を真似してみた。これ意外と温度が上がるしエコなので優れ物なんだよ。

但し夏場にやるもんじゃぁないけども。


ちゃくちゃくと準備が進む中、儂とダルクはピザ窯製作中。

勿論この作り方も某バラエティを参考にしている。

耐熱煉瓦はダルクが魔法でちょちょいと作ってくれるので組み上げていく。

家の中でも竃で焼こうと思ったら焼けるんだけどオルガ一家にもふるまうなら屋外に釜が有った方がいいからね。家の中から何往復もしてらんないし。

2日がかりでピザ窯の形は完成したので、後は乾燥させて火入れしてみればOK。


そしてやっとルークもシカさんを連れて戻って来た。


「お帰りルーク、お疲れ様。シカさんもいらっしゃーい!」


「マォ殿お久しぶりですね。再びご一緒出来て嬉しい限りです。

 ここでもまた菜園を担当させていただけるとか。

 いやぁ王城内では栽培出来なかった野菜や果樹も植えていいですかね?

 獣人国ではポピュラーな物なんですが見た目がちょっとな物で・・・

 人族の方々は苦手みたいでして・・・」


人族が苦手な見た目がちょっとあれな物ってなんだろう・・・


「見て見ます?一応見本として持ってきてはいるのですが」


とシカさんが取り出したのは・・・

2頭身にデフォルメされたぽっちゃりまるまるなマンドラゴラ。しかもカラフル。

ほらあれよあれ、セクシー大根とかセクシー人参とかさ、あれらをまるまるさせた感じ?ぶっちゃけ可愛い。これ食べるの?と思ったけど栄養価が高くて色によって味も違うと言われれば食べてみたくなるよね。

どうぞと渡されたのでかぶりついてみる。

大根とか人参みたいな歯ざわりなのかと思ってたのに違った。桃に近いかな?

そして味は オレンジ色だとちょっと甘めの人参? 紫だとあまずっぱいさくらんぼ?

緑はケールっぽい味だった。 ちょっと面白いかも。


「栄養価も高いなら植えようよ、見た目もそんな気にならないし」


で後日植えられた様子を見て驚いた。

根菜じゃなかったんだ、よくある引き抜く時に叫び声上げるとかじゃないんだ。


「木に生るんかいっ!」


えー・・・あれがわっさわっさと枝からぶら下がるのぉ?・・・

なんか儂が思ってたマンドラゴラと違う気がするんだが?

ちょっとしたホラーになりそうじゃん、そりゃ人族には不評だろうよ!儂だって夜中とか見たくない。


「あー、そうそう収穫する時に幼子が居たら耳を塞いであげてくださいね」


ん?どういう事やっぱり叫び声上げるって事?

とか思ったけどこれも後日納得した。


「あっはぁ~んっ♡」「うっふぅ~んっ♡」「いやぁ~んっ♡」


ぶっ・・・

なんつー声を出すんだ! 皆して盛大に吹いた。

収穫する度にこの声が・・・うん、そりゃ子供には聞かせれんわな・・・


「収穫しているだけなのに、なんだかいけないことをしている気分に・・・」

「しかも何故に無駄な色気を醸し出した形状なんですかね・・・」

「これは気にしたら負けな気がする」


そう、もう気にしたら駄目なんだよ、無心だ無心!あくまでも植物!!


ついでに言えば普通に畑に植える野菜もちゃんとあったよ!

ハート形のトマトとか星型の人参とか。女性や子供が喜びそうだなと思った。

そしてシカさんが作る野菜はやっぱり美味しかった。

温室がある事をシカさんは喜んでくれて冬でも新鮮な野菜が食べられそうでよかったよ。

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