素案提示で丸投げ
ぬぉぉぉぉぉあっ、ぶつかるぶつかる!
いやシールドあるからぶつからないけどもっ!気分的に!
何度経験してもこの地中を走るのは慣れない、まぁまだ2回目だけども・・・
直進で最短距離行くから速いよ?早いけどもね?
精神的にはあまりよろしくないようなぁぁぁぁぁぁぁ、ひぃっ!
「ただいま・・・」
「おかえり? なんか疲れてるね」
「うんちょっと・・・」
不思議そうなコレットに地中走行の事を聞かせて一度体験してみれば?と言ったけど絶対嫌だと断られてしまった・・・
ぬぅん、あの感覚は経験しないと解らないと思うんだがな、残念。
コレットが入れてくれたハーブティを飲みながらアルとしばし休憩をとる。
アルも疲れただろうと思うので今日はのんびりと過ごしたい。
明日からは庭に木や花を植えて、畑の準備も始めたいし。
あ、シカさんが何時頃来るのか聞いておけばよかった。シカさんの家も用意しないとだし。
と思ったけど家の方はすっかり出来上がっていた。
獣人達が伴侶を連れて来てもいいように家族向けの家が3軒増えていたんだよ。
なるほど、空いた家をシカさんに使って貰えばいいのか。
って、シカさんは独身なんだろうか?妻帯者かもしれないじゃんね?
『心配ない、明日もう2軒作ると言っていた』
なるほど、さすがオルガ一家。ありがたいね。
「そうそうマォが居なかったこの4日間で
ケイルを始めとする4町で少し動きがあったぞ」
「ん? どんな動き?」
「各町長の家に監査が入ったらしいんだがな。
不正でも見つかったんだろう、次々と捕えられているんだよ。
それで恐らくは関りがあった町人達が他の領地に逃げ込んでいるみたいだ」
「へ?4町全部の町長が?」
「そう、4町長」
いやそれ少し動きがあったてレベルじゃないような?
「不正って何やったんだ・・・
ありがちなのは税の2重取りとか密輸品の売買とか?」
「まさにそれ。後は人身売買にも関わってたらしいんだ。
エルムなんかはどうやら町ぐるみだったらしい」
うわぁ、なんだそりゃ。領主が居ないからってそんな事になってたのか。
まぁなぁ、広い国土を全部把握ってのはまず無理があるし、どうしても僻地とか貧民層が済む場所ってのは荒れがちになるのも解るけどさ・・・・
あー・・・陛下が言ってた大掃除ってこれの事か。
せっかく陛下が領主になって体制もリニューアル?するんなら変なのは追い出しておきたいもんなぁ。
残った領民や新たに住む事になる人たちが安心して暮らせるようになるといいね。
まぁ儂はこの自然保護領の事にしか関わらんけども(たぶん)
夜になるとダルクとリオルが戻って来た。
居なかった事に気付いて無かったのは内緒。ハハハ・・・
ケイルの町に手伝いに行っていたらしい。
ケイルは元々が300人くらいの町だったのが、残ったのは120人くらい?は?・・・
半分以上が何かしらの犯罪に関わってたってよりも、犯罪の為に住んでたって感じ?
えー、それ普通に住んでた人達からしたらクソ迷惑じゃね?
そういう普通の住人達が巻き込まれないように手伝いに行ってたのか。
獣人の皆も行ってたんだ、大丈夫だったのかな。
暴言吐かれたり嫌な気持ちになってないかな。
「ああ、その心配はない。
犯罪に手を染めてない一般人はおおむね友好的だった。
ここらはスタンピードの被害経験もあるからだろうな。
むしろ感謝されて差し入れまで貰ったくらいだ」
そうか、よかった。 ならば新しい体制になっても大丈夫そうだよね。
種族とか関係なく平和に暮らせるようになるといいんだが。
そして獣人達の婚約者というか伴侶さん。
冬前にはこっちに移り住むそうな。
んでいくつかの家族や兄弟夫婦もこちらに来たいそうで、さずがに全員ここにって訳にも行かないからケイルに住んで貰えればいいかなと思う。ほら、空き家もたんまり出てそうだし?
獣人と人族が共に仲良く生活している領都になったら素敵だよね?
獣人国との貿易とかも出来るようになればいいし。
「取り合えず希望世帯毎に
何が得意とかこれで生計立てたいとか教えて貰えると助かるかな。
店を構えたい人がいれば
同じ町にならないように振り分けたりすればいいんじゃね?
あの町には3店舗もあるけどこの町には無いとかにならないようにさ」
「確かにな。後で皆に手紙を送るように言っておこう」
「じゃあさ、料理人枠と言うか食事処は任せて貰えるか?
元部下が数名来たいと言ってるんだ。ちゃんと信頼できる奴を選ぶからさ」
「んじゃそれはコレットに任せる。食は大事!
そうか、元メイドさんと料理人で各町に宿屋運営でもいいんじゃね?
何処の町でも安定して同じクオリティーサービスを提供出来る宿屋。
宿屋の名前も統一させて〇〇支店みたいな感じでさ」
要するに大手チェーン店みたいにすればいい。
ビジネス用とリゾート用って感じに別けてさ。
制服も作れば統一感も出ていいんじゃね?
いやだってね?
コレットも侍女長も人望あったからそれなりの人数が移住希望しそうなんだよね?
どうせ陛下達とかマトモな人が居無くなれば城下町も崩壊しそうだし?
残ってても不当な扱い受けたりしたらね?
「なんだかんだとマォ殿は結局人の心配をするんですよね・・・
まぁでもそれは良い案なのでこちらでも考えておきましょうか。
料理などは町ごとに特色を出していけばよいでしょうし。
季節ごとに趣向を凝らすのもいいでしょうし」
フムフムとダルクの目が輝きだしたので詳細は任せるとしよう。
基本儂は素案を提示するだけ(笑)丸投げとも言う・・・
読んで下さりありがとうございます。




