表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
四章:ウォーカー自然保護領
63/80

動き始める

「おかん・・・ケイルの町が人でごった返してた」


買い出しから戻って来たアルがげんなりしていた。

いくら引きこもりたいと言っても流石にダンジョンでドロップしない物は買う必要があるんだよね。

なのでアルが買い出し担当になってくれた。


「避暑とかじゃなくて?」


「避暑もあるだろうが、どうやらおかんの噂のせいもあるらしい」


「へ?・・・」


「ほら、あの木彫りの人形・・・

 こっちの世界では見掛けない動物もあったからだろう

 招き人はケイルに居るんじゃないかと人が押し寄せているらしい」


あー・・・なるほど。そうか、こっちでは見かけないのも居たのかぁ・・・

だったら売る前に教えてくれよ!!


「まぁ居ないと解れば元の場所に戻っていくだろ?

 それまでせいぜいケイルに金落として行ってくれ・・・」


とは言え余りにも人が押し寄せると治安が悪くなりそうだ。

興味本位で森に入り込む輩も出て来そうだし。

そこでルークに「ケイルの領主は誰だ」と聞いたら

ケイル・エルム・エムム・エヌムの4町が1領となり前領主が他界した後は跡継ぎもおらず、返領したので各町長がいるのみとなっているそうだ。

なるほどな、ならば町長の手腕次第って事か。

街の様子は静観する事にして、森への侵入者が居ないように警戒しておく事にした。

もっとも進入するのは難しいとは思うし、進入できたとしても魔獣や魔物にやられるか、儂にやられるかなんだがね。ふっへっへ・・・


「おかん、悪い顔になってるぞ」


やだな、キノセイダヨ・・・



そんなある日、陛下がまたやって来た。勿論地中から・・・


「今度はどうした・・・」


「これを見てくれ・・・」


心なしか少し老け込んでいる気がする。

この分厚い書状はなんだね・・・


こっちの貴族家5つが移住希望・・・

こっちのは・・・獣人や亜人を追い出して自分達を優遇しろと阿呆貴族の要望書

んでこっちのは退職者たちの移住希望嘆願書・・・

これは?・・・ は? アレに恩赦をとの嘆願書?バカか・・・

あー・・・こんなの山積みじゃそりゃ老け込むわな・・・


「俺にどうしろと!

 責務を果たさぬ奴らを優遇出来るか!

 他国への移住なら身分証などの手続きもあるが国内でだろ。

 しかも此処に来たいとか自分で交渉すればよかろう!

 退職者たちも何を考えておるのか、あげくにアレに恩赦をとか・・・

 どいつもこいつも好き勝手言いやがって!やってられるかぁぁぁぁぁ!!」


「気持ちは解るがまぁ落ち着け・・・

 ルークとダルクはこの5家って知ってる?」


「一応は知ってますよ。確か最近アレの派閥から抜けたんでしたね」


「元々小心者だろう、あいつ等は。

 しかもその5家は細君が割と強くて、良識のある方々だったような・・・」


「なるほど、じゃぁさ現宰相に一度この5家に面接して貰おうよ。

 必ず夫婦揃っての面接にして貰ってさ・・・

 あー・・・儂もその場に立ち会うか」


「は? マォ?」

「おかん? 何か考えがあるのか?」


いやね領主が居ない領地内の4町、その5家に任せる事が出来ればなと。

あくまでもまともな人ならばだけどね。


「後王族や親族の中で信頼できる人を選んでおいて」


「あれ以外はマトモだ・・・」


「その中でも特に信頼が出来る人。そして獣人や魔物に偏見がない人。

 陛下が選んだ後に儂が会ってみる」


「解った、王妃と相談してみよう。

 はぁ・・・また私ののんびり余生が遠くなる・・・」


「そう思うならサクッと根回ししてさっさと引退しちまえ」


「そうだな。民の暮らしが混乱せぬように根回しはしておくか。

 冬までに・・・は無理だろうなぁ」


「むちゃくちゃに頑張れば・・・・なんとかなるかも?」


「さぁそうと決まればさっさと話を煮詰めていきましょう。

 嘆くのは後にしてください、溜息もですよ」


わぁ・・・ルークとダルクの仕事魂に火が付いたきがする・・・



話を煮詰めた結果

ケイル・エルム・エムム・エヌムの4町は現在王家の管轄となっているので、そのまま陛下が引退後に統治する事になった。

ただ町長を始めとする住人から反発があるかもしれないので

あの移住希望の5家か陛下の選んだ親戚筋の中から代官と言う形で各町に派遣する予定だし

1ヵ月前には予告を出して残るか他領に行くかを住人本人に選んでもらう事にする。

まぁその前に各町長の身辺調査は必要だけども。

外面はいいけど実は町民から搾取してましたとかあってもね?

先日後をついて来た阿呆のような人身売買とかも実は町長だの領主だのが親玉でしたとかもよくあるパターンじゃんね。

身辺調査や下調べ大事。


移住希望の貴族5家にはまず現宰相と面接してもらう、夫婦だけでいいかと思ったが家族全員で面接して貰う事になった。ほら、両親がしっかりしてても子供がちょっと・・・な場合もあるからね。

現宰相がOKした人だけに儂等が面接。うん、儂だけじゃなくてルークも一緒に面接すると言い出したんだよ。心配なんだそうだ。 まぁ面接前にしっかりと身辺調査はするけどね。


細々とした事や小難しい事は陛下と現宰相、それにルークとダルクに任せる。

儂そう言うのまったく解らんし苦手だし

どっちかと言えば本能と直感で行くタイプだし!

読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ