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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
四章:ウォーカー自然保護領
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引きこもりたい

「おかん、後を付けられてる」


「だねぇ、めんどくせぇ・・・」


これは二度と関わろうなんて気が起きないように徹底的に脅かすべきだろうか。

なんて考えてたんだけどダルクの一言で気が変わった。


「あー!思い出しました。

 さっきの男。どこかで見た気がしてたんですがね。

 指名手配犯ですよ、あれ」


ダルク曰く 人身売買、奴隷商の用心棒らしいので遠慮なく叩きのめすことにした。

儂等の後を付けていたのは5人。森の中にも身を潜めている気配がある。


「これ死体でも報奨金って出るんかな?」


「判別できれば出ますね」


なるほど、んじゃ顔以外をボコればいいかなんて思ってたのに。

森の中からギャーギャー悲鳴が聞こてきた。

見回り中のビスキュイかクッキーかサブレとでも遭遇したんだろうか・・・


「き、貴様ら何をしやがった!」


さっきの男が怒鳴っているが見た通り儂等は()()何もしていない。


「いや見ての通り何もしとらんがな。

 そもそもさ、この森何て呼ばれてるか知ってる?

 魔獣の森って呼ばれてるんだよね」


「魔獣の・・・森・・・」


丁度タイミングよくサブレが顔をだす。


にょろんっ


「「「 ぎゃぁぁぁぁぁ 」」」


『 あれも食べる? 』


・・・・

食べたの?・・・

さっきの悲鳴・・・食べちゃったの・・・


「食べたら駄目だね、ばっちぃからぺっしなさい、ぺっ。お腹壊すよ」


『 はーい 』


ケロッ・・・


まてまてまて、ここに吐くな出すな!

見えないトコにしなさい!!


「おかん?」


「スプラッター見たくないだろ?」


いまいち解ってないようなので皆に蛇の捕食と消化の仕方を教えた。


「「「 グロッ! 」」」


だから見えるとこで吐くなつったんだよ。

で、あの5人はというと絶叫して気絶してやがる・・・

アルとダルクが男達の持ち物を漁っていた。


「これといって証拠になりそうな物はないですね」


「大元の手掛かりでもあればと思ったが」


「まぁそういうのは騎士団なり自警団なりに任せればいいんじゃね?

 儂等はあまり関わらん方がいい、めんどいもん」


「それもそうだな」


て事で、サブレにカカオとチョコを呼んで来て貰い簀巻きにして町の入り口に捨てて来て貰った。その後は町の方で判断して対応してもらいたいものだ。

一応伝言鳥で城にも伝えるとダルクが言っていた。


帰宅すれば


「「「疲れたぁぁぁ 」」」


本当に・・・

やっぱり町にはあまり行かない方がいいかもしれないと改めて思った。


「もぉいっそ此処に町か村作って引きこもりたいなぁ」


ついぼやいてしまった。


「あー、それもありかもしれませんよ」


「だなぁ、城の料理人からも問い合わせが来ている。

 求人予定はないかと」笑


「私の方にも何件か問い合わせが・・・」


へ? そない何人も料理人ばっかり要らんがな・・・


取り敢えず晩飯の時にでも皆で話し合ってみる事にした。


「ここを町に?」

「それなら国から職人を呼ぶことも出来るな」

「俺達の家族も呼べるし、いずれ彼女もこっちに来るしな」

「うちの両親も来たがっていたしな」

「だがあまりに大人数になっても駄目だろう」

「そうだな、まず大まかな人数と必要な職種や店を・・・」


で話している内にふと気が付いた。


「でもさ・・・

 これ町つーか村でもいいんだけど、出来たとするじゃん?

 陛下が知ったら来そうじゃね?・・・」


「「「 あー・・・ 」」」


全員の目が遠くを見つめた。あの陛下ならあり得ると誰もが思ったのだ。




「ヘッ  クションッ」

(風邪でも引いたか)

国王エルフィンは息子エウリケに王位を継承すべく準備を進めていた。

勿論すぐにとはいかない。

が、少しづつ視察という名目で城を空ける機会を増やしエウリケに慣れさせていくつもりである。

それと同時にエウリケの側近達への引継ぎも始まっている。

元々エウリケが20になった頃に引継ぎ余生を王妃とのんびり過ごすつもりでは居た。

が、時折届くルークからの手紙には楽しそうな事が書いてあるのだ。

勿論楽しい事ばかりではなく業務連絡や困りごとなども書いてある。

(次の冬には合流したいものだ)

王妃も最近では簡単な掃除や手芸を侍女長に習い始めたらしい。

その侍女長は侍女長でちゃっかり付いて来る気でいる。

なんなら引退した城のお抱え職人達までもが辺境の地に行きたいと申し出ている。

が、マォが大勢を受け入れるかどうかは不明なのでエルフィンとしても答えようがないのである。

(そもそもがマォや獣人達と交流もないのに何故行きたがるのか)

エルフィンがその理由を知るのはほんの数日後の事だった。


読んで下さりありがとうございます。

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