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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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見た目はあれだけど

寒さも緩み始め、もうすぐ春となる。

春と言えば? そう恋の季節だよね。

ルークやダルクを始めとする儂等人族はともかくとしてだ、獣人達はまだ若い。

恋人とか婚約者ってのはおらんのじゃろうか。


「ジャック達ってさ、恋人とかおらんのん?」


「ぶほっ」


ジャックは盛大に吹いた。


「おかん殿、この国では相手が見つかりません・・・」


「あー種族間の問題とかあんのか、んじゃさ一旦帰国してみれば?

 家族や友人にも元気な顔見せてあげればいいし」


「確かに・・・家族は安心させたいですね」


って事で獣人達は一旦帰郷する事になった。

とは言えこの山の向こうはもぅ獣人の国らしい。

なるほど隣国だったか、だったら尚更偏見とか無くして仲良くすりゃいいものを。


『 それなら僕達も故郷に行ってこようかな 』


カカオとチョコがそう言う。

2人の故郷って?


『 獣人国の中にある大きな洞窟だよ 』


そうか、洞窟なんだ・・・ 森の中とかじゃないのか。


『 マォもくる? 』


いや洞窟は遠慮しておこうかな。ヌメヌメ居たら嫌だし・・・


『 じゃあお土産いっぱい持って来る 』


いっぱい・・・

ホドホドにね? カカオ達のいっぱいは本当にいっぱいだから・・・



と言う訳で 獣人達とカカオ・チョコは帰郷する事になった。

手土産を持たせるのに何がいいだろうと考えてたらソーゼージと()()がいいと言われた。

ならばとデカニアでトバを、ソーセージはボアで作る事にした。

まずはボアを狩りに行く。

保存してあるボア肉はあるんだけど、今回は新鮮な血も使いたい。


「血を使うのか?」


コレットが不思議そうに聞いて来る。


「うん、血を使って作るブラッディソーセージってのがあるんよ。

 カカオ達も獣人達もたぶん好きだと思うんだ」


「血のソーセージ・・・」


「貧血予防にもなるから女性にはいいんだよ。

 見た目はちょっと黒いけど案外旨いぞ?」


そう、最初は儂も「えぇー・・・」とか思ったが食ってみれば旨かったんだよ。



「マォ、そっちにデカいのがいった!」


「はいよー!」


なるべく苦しませないように、眉間を狙ってアイスアロー!

火や雷だと肉が焼けちゃうから・・・

ボアはドスンと倒れたので早速血抜きを始める。抜いた血はすぐに保存用バケツに溜めて行く。

血は時間を置くと凝固し始めるので急がないといけない。

肉はおおざっぱに切り分けたらすぐもっちゃんに運んでもらって家に戻る。


コレットが内臓をミンチにする間に儂はハーブや香味野菜を切っておく。

ほら、臭いがね?・・・ なのでハーブや香味野菜大事!

ミンチが出来上がったら材料をすべて混ぜていくんだけど、ここで注意点。

ツナギとして少しばかり小麦粉か米粉を入れるといいんだ。血を入れるからゆるゆるなんだよね。

胡椒は粗挽きにして少し多めにするほうが儂は好きだ。

出来上がったら腸に詰めて、沸騰しない程度のお湯で20分弱茹でる。好みで茹でた後に燻製しても旨い。

出来上がったのを皆に試食して貰う。


「なんだこれ! うめぇぇぇぇぇぇ」

「見た目はあれだが旨いな!」

「何本でも食える!」

『 マォ マォ 私これ好き! 』

『 僕もこれ好き! 』

「これ思いついた人すげぇ」

「「「「 おかわり! 」」」」

「無い!土産が無くなるだろうが!!」


大好評だったのでたまには作ろうかなと思った。


ならばついでにと 豚足ならぬボア足も煮込んでみた。

生姜を利かせて砂糖と醤油でコトコト煮込む。味付けは薄めの方が儂は好きだったりする。


「足・・・喰えるのか?」


コレットが怪訝そうに見つめる。


「まぁ肉ってよりも筋や皮を食う感じかなぁ。

 実はこれってコラーゲンタップリでね。

 足腰の痛みや関節痛の予防、皺改善に美肌の効果もあるんだぜ?」ニヤリ


「なんだと!!」


まっさきに食い付いたのはルークとダルクだった。何故に・・・

コレットは興味がないのかむご・・・喰うんじゃねぇぇぇぇぇ!それまだ下茹でしかしとらん!


「美肌と聞いたものでつい・・・」


つい、じゃないわぁ! 完成まで待てぇい!

美肌とかあんまり興味がないのかと思ってたんだが。


「マォと一緒に居ると自分が凄く老け込んで見える気がして

 少しは気を付けるようになったんだ」


「「「 うんうん 」」」


どうやら皆曰く、儂が59に見えないし一緒に過ごすなら少しでも若々しく長生きしたいと健康にも気を付けるようになったんだそうな。


「こうやって考えると城内では、その栄養バランスとか言う物も考えてなかったし

 マォと暮らし始めて体調も良いし肌もこうプルンとしている気がする」


「髪の毛もハリと艶が出てきたような気もするし」


「自分達も毛並みが良くなってますよね」


いやだからそれはストレスフリーになってだね?

まぁ食事の影響もすこしはあるだろうけど。

少し?・・・いや割とあるのか?・・・

城内だと野菜類が少なかった気がしなくもない・・・


「まぁ皆で健康に長生き! それでいいんじゃね?

 儂皆が禿ても平気だし?」


「それは嫌だ! ふっさふさがいい!」


「俺だってマォが禿ても平気だ」


「大丈夫儂家系的に禿ん!フフン」


「「「 ずるい! 」」」


いやズルいと言われてもね?・・・家系ですし遺伝ですし?

いつも読んで下さりありがとうございます。

拙い作品ではありますが今後ともお付き合いいただければ幸いです。

リアクションもありがとうございます!(*'▽')

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