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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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泣き笑い

ゆっちゃんを寝かせた後、皆でリビングに集まる。


「つまりあの子はマォの孫で教育施設の庭で遊んでいたはずなのに

 気が付いたら此処に居たと」


「んだ。陛下の話だと次に召喚が出来るとしたら200年後になるらしい。

 つまりゆっちゃんは召喚とかじゃなくてここに来たって事になる」


「いったいどういう事なのでしょうね」


「さっぱり解らん、けど娘も心配しちょるじゃろうし

 ちと頑張って夢で会えんか寝てみる。寝れるかわからんけど」


「睡眠魔法でも掛けてみます?」


「んなのあるん?」


「私には無理ですけどマォなら出来るんじゃないですかね?」


物は試しでやってみよう。ってどうやるんだよ!

イメージが大事つっても・・・羊が1匹とか?・・・


「羊が1匹 羊が2匹 羊が3匹 ・・・・  羊が56匹」


「「「「 ぐぅー・・・ 」」」」


お前等が寝てどうする!しかもここで寝るな!


いざ寝ようと思うと眠れないものである・・・

よし、催眠術方式でやってみよう。

貴方は段々眠くなーる、貴方は段々眠くなーるぅーー





見慣れた我が家の風景が見える。

来れた!夢の中だ!!


「千秋! 千秋おらんの?!」


家の中を探すけど姿が見当たらない。

あれ?仕事の日なんかな・・・

と、外から車のエンジン音が聞こえた。

戻って来たんかな? とそちらに向かう。

(あれ?千夏に冬依までおるし皆して黒尽くめ・・・喪服?)

まさか儂の法要とか?

よく見れば千秋が遺影を抱いている。

(え? うそじゃろ・・・)

ゆっちゃんの遺影だった・・・

いやいやいやいや、生きてるから!こっちに来てるから!

その時冬依の泣きはらした真っ赤な目がこっちを見た。


冬「うぉっ、おかんの幽霊がおる!」


失礼な!幽霊じゃないし!


夏「あんた何いいよん、冗談も大概に・・・しぃ・・・ほんまじゃぁ」


見えるんかーいっ!


秋「おかん・・・おかん・・・おかぁーんっ。ゆっ、ゆっちゃんが・・・」


ずっと泣いていたのか過呼吸を起こしそうな状態になってた。


「落ち着け千秋。ゆっちゃん今こっちに居る」


秋「は?何言いよん。今火葬済ませて・・・は?ホンマに?」


家の中に戻って詳しく話を聞けば

ゆっちゃんは学童保育の日に校庭で遊んでいたところ、誤って池に落ちて溺れた。

と最初は言われたらしい。でも警察が介入して解ったのは・・・

高学年の子が池の鯉や亀を棒で突いていたのをゆっちゃんが注意して止めたところ逆ギレ起こした高学年の子がゆっちゃんを池に突き飛ばした後棒で押さえつけて・・・溺れさせた?

嘘じゃろ・・・なんで? 周りは誰も気付かんかったん?止めれんかったん?

止めようとした数名の子も怪我をしたって? うわぁ・・・


夏「ニュースになってTVや新聞にも報じられたんよ」


見せて貰った新聞には大きく取り上げられていた。

本当に・・・ゆっちゃん死んだん?・・・ 嘘じゃ、嘘じゃ嘘じゃ。だって生きてこっちの世界に・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


なんでゆっちゃんが死なんにゃいけんのん、ゆっちゃん何も悪くないじゃん。

代われるもんなら代わって・・・だめじゃん。儂こっちじゃ死んだ扱いじゃん!

ぬがぁぁぁぁ。

今の法律では未成年は殺人を犯しても死刑判決にはならない。なんで?

人の命奪っても未成年なら許されるん?おかしいじゃろぉー!


「ねぇ、儂はさ。こっちの世界じゃもぉ死んだことになっちょるんよね?」


夏「そうじゃけど、おかん? 何する気なん」


「そのクソガキ祟り殺しちゃる」


冬「待て待ておかん。物騒な事言うなや」


「だって腹立つじゃん、なんでゆっちゃんが死なんにゃあいけんかったん」


冬「そうじゃけど!

  じゃからっておかんが犯罪犯したらゆっちゃんが悲しむじゃろうがね」


「儂もぉこの世の人間じゃないけぇ犯罪にもならんじゃろ」


冬「屁理屈言わんで、落ち着いてくれよ」


夏「んでおかん、ゆっちゃんはそっちで元気なん?」


「それがさ・・・」


ゆっちゃんの登場シーンを話してやったら皆爆笑だった。

さっきまでしんみりしてたのに。


夏「さすがゆっちゃんというか」


秋「さすがおかんの孫じゃね」


冬「ガ〇ラに乗って登場とかモロにおかんの影響じゃん」


そう言うけどね?

クリスマスにセー〇ームーンの人形よりゴジラ人形強請ったのは千夏だからね?

レンタルショップで白黒ガメラ持って来たのは5歳の千秋だからね?

わざわざサンシャ〇ンまでゴジラ展見に行ってモ〇ラに乗って写真撮りたいって泣きじゃくったの冬依だからね?

ほら、皆の影響だと思うんだよ。


秋「でもゆっちゃんがそっちで元気ならよかった」


なんで来れたんかは不明なんじゃけどね!そもそも会えたのだって奇跡的だよ。訳の分からん違う世界だったり遠い国だったりな可能性もあったろうからね。


あ、なんか意識がぼんやりしてきた。起きる時間なのか・・・


「なんか伝える事ある?」


秋「ばぁばの言う事聞いてええ子にしんさいてゆうちょって」


「わかったよ、また近い内に来れるよう頑張ってみるけぇ」


夏「たまにはこっちの夢にも来てよ」


「努力はしてみるけど期待はせんで」苦笑


冬「おかん、ギックリ腰に気ぃつけぇや」


「わかったわかった。んじゃねー!」




「・・・・ん! ・・・かん! おかん!目を覚ませ!ゆっちゃんが!」


起きたんじゃなく叩き起こされた。ゆっちゃんがどうした?!

読んで下さりありがとうございます

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