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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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リップクリームと化粧水

そして2日後 家は完成した。ついでにコレットが皆の食事も作ると言うので大食堂も作って貰った。

その大食堂には半地下の食品保管部屋まであったし、他にもデッカイ薪倉庫まであった。

モファームや騎獣の獣舎もあったし、儂の家を参考にしたからだろう。鶏小屋まであったよ。

鶏じゃなくても食用卵を産む鳥がいればいいなぁ。


ササ『 コケコと言う鳥が食べれる卵産む 』


コケコ・・・ どう考えても鶏っぽい名前よね?


ササ『 5匹くらい連れてくる 』


連れてくるって何処からだよ!待てササミ。おぉーい・・・

ササミが猛ダッシュで何処かに走って行った。大丈夫なんだろうか。


オーガ一家に何かお礼をしなきゃなぁと思ったが「助けて貰った礼だから気にするな」と言われてしまった。ぬぅん、そのうち何か考えようと思う。


オルガは近くに住むと言って居住区と森の境目に竪穴式住居を作っていた。

確かにこれだと夏は涼しいし冬は暖かい。生活の知恵だろうか。


この日の夜は 外で大きな焚火を起こし皆でバーベキューもどきを楽しんだ。

勿論オーガ一家も一緒に。完成祝い兼慰労会だからね。

騎獣達やモファーム達もすっかりオーガ一家と仲良くなっている。


城内と違って周囲の目や古狸を気にしなくていいので皆のびのびとしている。

勿論儂だってストレスフリーだ。

とは言ってもきっとこれからだってトラブルはあるだろう。

それこそ自然災害なんかも。

でも皆と一緒なら何があっても乗り越えられるんじゃないかと思う。

まずは冬を乗り越えなきゃなんだけど。

なにせ初めてだから、どのくらいの寒さなのかが想像出来ない。


それからの数日間 獣人組は狩りへ。 コレットは獲物を捌いて肉を保存加工。 ルークとダルクは皆のハンター登録や必要品の買い出し。騎獣達は各々越冬準備。モファーム達もせっせと準備をしていた。

儂? 儂はコレットが捌いた毛皮を洗浄して鞣して乾かしてポンチョやブーツカバー、襟巻などのいわゆる防寒具を作っている。

糸はチョコとカカオが提供してくれる、と言うか縫うのも手伝ってくれている。

ぶっちゃけ儂よりも上手い。裁縫は出来るけど苦手なんだよ・・・


段々と暖炉に火を入れる時間が増え、ついに冬が始まった。

まだ儂が知ってる冬の寒さくらいなのだが、空気が乾燥しているので唇や手がガサガサになる。

薬屋でリップクリームとかハンドクリームってあるだろうか?


「あー・・・売ってるけどやめた方がいいと思うぞ?」


「え?もしかして素材がなんかヤバ目とか?」


「グァマと言う魔物の油だ」


「グァマってなんだ・・・」


「こんなのだ」


とコレットが書いてくれた絵は・・・画伯だった。 うんさっぱり解らん・・・

次にダルクが書いてくれたがこれまた画伯だった・・・ 崩れたドラ〇もん?

仕方が無い俺が書こうといったルークですら画伯だった・・・ 潰れたミニカー?

渋々と書いたリオルの絵でかろうじて解った。 蛙かよ!

体長3mくらいで茶色なんだそうだ。

グァマ グァ・・・ガマ  ガマガエルか!

ガマの油・・・でもあれってどっちかつーと傷薬だよなぁ。

強心作用、鎮痛作用、局所麻酔作用、止血作用だったけな。もっとも今は製造禁止なんだったけか。

いやそもそも、そのグァマの油がどんな効果あるんかも知らんし。

・・・  

ガマがダラダラ汗流してそれを塗るのを想像してしまった・・・ 

手はいいけど唇はちょっと嫌かも・・・


って事で薬屋に行ってみれば、ちゃんと蜜蝋で作られたリップクリームやハンドクリームがあるじゃないか。よかったよ・・・

化粧水も売ってたけど、なんか変な匂いがしたので止めておいた。代わりにドライハーブを買って帰って自作する事にした。

作り方は簡単。ハーブティーのちょっと濃い感じ。まぁ1週間くらいしか日持ちしないけど。なんだったら普通にハーブティ煎れて小匙1杯を肌につけるのでもいいくらいだ。使うハーブは目的に合わせて使い分ければいい。今回はカモミールとローズ。保湿&アンチエイジングだ。どれがいいのか迷う場合はカモミールをお勧めする。意外とオールマイティなんだよカモミールって。


結局獣人以外は皆この化粧水を愛用する事になるのだ。


「マォの化粧水をつけるようになって小皺が目立たなくなった気がする」

「あの化粧水のお陰か髪がフワッとするように」

「髪につけたんかーいっ!」

「目の下の隈も薄くなった気が」


君等ね、それストレスフリーになったからじゃないんかね?

まぁこっちの世界のハーブの方が効能高い気がするけども。

読んで下さりありがとうございます。

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