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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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初の買い物

せっかく家が出来ていたんだけど儂等はテントに寝たんよね。

なんでかって?布団がなかったから・・・

なのでケイルのスェイキョウ商会で必需品の買い出しをする事にした。

ぞろぞろと大勢で行っても迷惑になるだろうし目立ってしまうので3人ずつ、3日に分けて行くんだけど初日の今日は儂・コレット・ルークの3人で向かう。

皆が女性と高齢優先でと言ってくれたのだ。

出掛ける前に家の中をゆっくり見ておく。何が必要なのかを確認したいのと昨夜はゆっくりと見れなかったからだ。

まぁ外観だけでも凄いんだけどね?

濡れ縁の下は薪が置けるし、というか既に薪も置いてあったし。

縁側と濡れ縁の境はちゃんと雨戸(木戸)が閉まるようになってるんだよ。

しかもね?窓にガラス使ってあるじゃん!と思ったらガラスじゃないんだってこれ。魔物の外殻らしい。薄いのに透明度があって丈夫でしかもエコ?

利用出来る物は無駄なく利用する、いいよねぇこの考え方好きだ。

玄関は引き戸になっていてドアベルが付いていた。

()()()もちょっと大き目のが付いていて夏場なんかは日除けになる。

ちゃんとお勝手口もあったのでありがたい。


中は中で、土間まであったよ。

まぁ竃は土間続きにあるんだけども。昔の家屋は台所も土間だったんだよ。懐かしいな、子供の頃よく行ってた祖母の家を思い出す。 いや思い出に浸ってる場合じゃないね今は。

土間を挟んで右にリビングダイニングと1部屋、左に2部屋、二階に4部屋となっているので2階を子供部屋・・・と言っても皆成人済みだけど。リオル・アル・ダルク・コレットが2階となる訳だ。

このリビングダイニングの横の部屋が板間の囲炉裏になってるんだよ。昔話のじっちゃんばっちゃんが座ってるあれよあれ。自在鉤まであるんだが・・・いや嬉しいけども。薬缶や鍋掛けれるし?

あ、網も買って来ないと。ここで餅や芋焼くとうまいんだよ。ジュルッ。

そうだな、クッションや座布団が欲しいかも。後は食器類や調理道具かな。まぁ後で思いついたらまた買いに行けばいいんだし、布団さえ忘れなければOKって事で・・・



て事で儂等3人はもっちゃん&もふりんに乗って町に来た訳だが。

ケイルの町は大騒ぎになっていた。

一夜にして街道が元通り、おまけに崩落対策までしてあるもんだから

どこぞの大魔術師か神様の仕業かとか・・・

まぁダルクはランクⅢだから大魔術師とか呼ばれてもいいんじゃね?

儂ランクⅠだからね? 名乗らないけども。


そしらぬ顔でスェイキョウ商会へ入って行く。

おぉー、ド〇キですかってくらいな品揃えだった。流石大手商会。

冒険者や旅行者も利用するからか保存食や行動食も充実しているし、動きやすそうな服もある。

かと思えばちょっとお洒落な服や小物まであるし。凄いな。

あ、あのぬいぐるみ抱き枕によさそう!


「マォ、先に布団を・・・」


あ、はぃ。 ルークに注意された。

だってこの世界に来て初めての買い物だよ?ちょっとくらい浮かれても仕方なくね?

余り浮かれると本当に布団を忘れそうなので素直に布団を見に行った。

羊毛布団・綿布団・センベイ布団。

へぇセンベイ布団売ってるのか。 

・・・ 

センベイ布団ってなに?!

あれってぺったんこになった使い古しの布団の事じゃないのか! え?・・・


「ルーク、このセンベイ布団ってなに?」


「ああ、これはセンベイって鳥の魔物の羽で作った布団だよ」


あー、羽毛布団の事か。びっくりした・・・

敷布団は羊毛にして掛布団は羽毛ならぬセンベイにした。枕は儂そば殻が好きなんだけど無いので一般的な綿枕にした。

3人分の布団、どうやってモファームに乗せるのかと思ったらクルクル巻き寿司みたいにして縛り付けてた。もっちゃんも もふりんもフフンとドヤ顔になってる気がした。毛に覆われて表情は見えないけど鼻息が フンスッ てなってたし(笑)


その後は調理具や食器を見たりしたんだけど、さすがは料理人。コレットはとにかく調理道具に拘っていた。ここでも皆の食事は基本的に自分に任せてくれと言っていたから本当に料理が好きなんだろう。


商会を後にして町の中のお店を見て回る。

肉屋 八百屋 果物屋 薬屋 武器屋 防具屋 金物屋 木工屋 診療所 宿屋

あれ? パン屋やお菓子屋、それに食事が出来る所がない?

と思ったら宿屋が食堂も兼ねているんだそうな。

パンやお菓子は各家庭で作ったり、材料を渡して作って貰ったりしてるらしい。

なんだろう、昔のお隣組みたいな仕組みだろうか。

懐かしいような残念なような。

肉屋八百屋果物屋薬屋なんかは素材の買取もしているらしい。

が、たぶん儂等だと余る事は無い気がする・・・

大喰らいばっかりだしオルガも居るし、なんならオーガ一家とも一緒に食事する事だってありそうだ。


一通りの買い物を済ませて家に戻って見れば・・・

家が更に3軒増えてて庭木にココナッツもどきが植えてあったよ。これでバナナやパイナップルがあれば南国風になりそうだ。


『 植えるか? 』


え? バナナは解るけどパイナップルってあるの?


『 これ パインアップルの実 』


見た目は林檎、大きいけども。味は・・・・ わぁパイナップルだ!

オルガこれ欲しい!是非とも植えてください! ジュルルッ


『 解った 』


そして寝る前に思った。

バナナやパイン。南国フルーツって越冬出来るんだろうか?

こっちの世界だと寒さに強い品種なんだろうか?

なんて考えながら寝たせいだろうか。

夢の中でバナナとパイナップルとココナッツがマラカス片手にマンボNo5を歌っていた。



なんでやねんっ!

お隣組とは 近所の何世帯かで集まった小さな班の事で昔は相互助け合いがあったんです。

「お味噌かして~」とかね(笑)


読んで下さりありがとうございます。

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