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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
二章:道中
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同情される噂って何

晩飯の仕込みをしながら2人の帰りを待っている。そうだもっちゃんの餌も用意しておかなければ。

もっとも、もっちゃんはある程度自分で餌を探して食べるので用意するのはオヤツ程度の物でいいのだが。

林檎とオレンジと・・・ソーセージでいいかな。そうもっちゃんは雑食なのだ。


仕込みを終えてお茶を飲んでいると2人が戻って来る姿が見えた。

あれ?もっちゃんが居ない?


もこもこっ ずざぁ~っ にょきっ


「うぉあっ! びっくりしたぁ。もっちゃん?・・・土の中も走れるんだ・・・」


すりすり じゃりじゃり


うん、もっちゃん嬉しいのは解るけど儂痛いね、土ついてるね・・・


ぷるぷるぷるぷるっ


ゲホッゲホッ


「もっちゃん、もっちゃんや? ぷるぷるすると土がだね?」


コテッと首を傾げて可愛いけども!可愛いけど駄目だね。

ブラシが無いので手で土埃を払ってやる。気持ちよさそうだ。


もこもこもこっ にょーん にょにょーんっ


「ぬぁおぅ! もっちゃんが増えた?!」


「マォ殿、もっちゃんが増えたのではありませんよ。

 閣下とアルノー殿のモファームです、陛下が遣わして下さったようです」


「なるほど?」


と言うかいつまで閣下や殿呼びするんだろうか。


「ダルク、戸籍上は家族なのだからいい加減にその呼び方を変えたらどうだ」


そうそうルークの言う通りだよ。


「しかしですね、私にとっては閣下は閣下で・・・」


「ふーん、いつまでも他人行儀なんだ。儂寂しい・・・」


「え、いや、その。他人行儀といいますか・・・

 解りました、なるべく善処します・・・」


「その敬語もね? 逆に怪しまれるよ」


「そ、そうで・・・ソウダナ。ワカタ・・・」


なんで外国人風の喋りになったよ・・・

まぁその内馴染んで行くだろうと思いたい。


「それでこの子達の名前は?」


「「 ・・・ 」」


「ないんかいっ! 付けてやれよー」


名前がなきゃ不便だろうに。

2人はモファームを撫でながら考えているようだった。


「マォ、これ買って来た食材。仕入れて来た情報は食後に話すよ」


コレットから食材を受け取り仕分けしてリュックに詰め替える。

モファームが3匹になったのでここからはモファームに乗って移動が可能となる。かなり時間短縮になるんじゃなかろうか。それに荷物の重さも多少は気にしなくてよさそうだ。


そのままの格好でもよかったのにコレットは着替えてしまった。まぁ儂も常にズボンだからな、気持ちは解る。慣れるとズボンのが楽なんだよなぁ。


夕飯には買って来て貰った新鮮野菜のサラダも追加した。まだ3日しか経っていないのに久々に野菜を食べる気がする。いや根菜は食ってたけどもね?葉物野菜は久々なんだよ。


食後のコーヒーを飲みながら仕入れて来た情報を聞かせて貰う。

ふむふむ、ケイルの崖崩れはオーガが原因で討伐隊の募集が掛かっていると。

街の人達はおおむね騎獣や獣人に対して柔軟な考えであると。

儂に関してもなんか斜め上を行く噂が出回っているけどおおむね同情的だったと。

斜め上を行く噂ってなんだ? そこは詳しく話してくれんのか。


「それで俺のモファーム

 もふりんの手綱に陛下からのメモ書きが括りつけてあってな」


もふりんになったのか・・・人の事言えないけど安直な名前だな(苦笑)


陛下からのメモには 自分も行きたかった事と古狸に追跡禁止令を出したと書かれていたらしい。それはありがたいと思う。思うけどもね?陛下の紋章入りのメモとか駄目だろう・・・


「私の方にも弟から手紙があってだな」


ルークの弟って・・・あの無表情男の親か!

まずは儂に対する詫びが書いてあったらしい。その後にウォーカー一族は全面的に支援する方向で動くので何かあれば遠慮なく相談して欲しいとの事。また宰相職も引き継いだそうでこちらも上手くやるから任せて安心して欲しいとの事だった。ルークの弟なら頭の回転はやはり速いのだろうな。

後は各所にあるスェイキョウ商会も安心して使えるとの事。このスェイキョウ商会は城の侍女の実家らしい。侍女やメイドとは仲良しだったからね(餌付けとも言う)人生なにがあるかわからないからね。色々な人と仲良くなるのは悪い事ではないのだよ。まぁ相手にもよるけどな!儂お貴族様系、特に古狸は絶対無理ー!!

とにかくだ、追手はおそらく来ない、来たとしてもそれは小者だろうな王命に背くくらいだし。

そして一般民、こちらでいう平民は割と好意的というか同情的で安心できそうだって事だよね。もっともどの世界でも裏切者とか間者はいる訳で油断は出来ないんだがね。


「まぁ警戒は必要だけど、そこまでピリつく必要も無さげよのぅ」


「です、、、ダナ。モファームが3匹になったのは嬉しい誤算だし

 予定よりも早く辺境の地に到着出来そうダヨナ」


冬支度もあるし早めに到着できるのはありがたい。ダルクくん曰く辺境の地の冬はとても厳しいらしい。アラスカとかグリーンランドとかを想像すればいいだろうか。もっとも動画で見た感じしか知らんけど。実際に行ける訳ないからなぁ。


この日はモファーム達とモモちゃんが居るので安心して皆ぐっすり寝る事が出来た。

モファームって臨戦態勢になると豹変するらしい。

顔がパッカーンと割れて口がガッパリ開いて牙があるそうな。

顔が割れて口がガッパリ・・・

儂の頭にプレ〇ターが浮かんだがたぶん違う。あれか、トレ〇ーズみたいな感じかな?

いやどっちにしてもリアルで見たくはないかも。あれは映像だから見れるんだ・・・


読んで下さりありがとうございます。

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