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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
二章:道中
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伝言鳥?

誤字報告、リアクションありがとうございます!(*'ω'*)

ガサガサ モソモソ


周囲には魔物避けの匂い袋が掛けてあるので上位でなければ近寄ってこないハズ。

体に緊張が走る。


「どうしようマォ、俺戦闘系の魔法使えない」


えぇぇ・・・ マジかー。コレットはずっと厨房だったから非戦闘員なのか。


「えっと・・・魔物の姿を確認して襲ってくるようなら

 豚の丸焼きをイメージして燃やしてみて?・・・」


「わ、わかった」


調理過程と思えばたぶんイメージしやすいはず。

儂はと言うと土魔法で足止めしてからの鉈で叩き斬るつもりだ。


ガサッ!


『ウキョーホッホッホ、ホゲッコー』


「「 ・・・・  モモちゃん?・・・」」


「「「 なんだなんだ今の声は! 」」」


なんのこたぁない、ササミの子:バジリスクのモモちゃんだった。紛らわしい。

というか、なんでここに?


「モモちゃん、なんで此処に?」


『 ホゲッ 』


差し出された足を見ると手紙が付いている。なるほど伝令鳥代わりか。

よくここが解ったな。

え? 匂いを辿って来た? 犬かっ!

まぁ手紙を見て見よう。どれどれ。


【ケイル手前の町道で崖崩れ有り、迂回されたし】


ケイルとは辺境の地に近い町の名前だ。

儂等が辿り着くまでにはまだ日があるから、復旧が進んでいるかもしれないが復旧工事で人が増えているかもしれないし騎士団なども出向く可能性がある。どのみち迂回したほうがよさそうだ。

ダルクくんは早速地図を開いて最短ルートを探し始めた。


「キエルでモファームと合流したら、いっその事山脈越えをするのも手か」


「だかこの時期だと山脈は寒いのではないか?」


「さすがに積雪はまだでしょうが、寒いでしょうねぇ」


キエルで防寒服を買ってしまえば足が付いてしまう可能性があるのでそれは出来ない。というか王城や町から人が復旧作業に向かうのならキエルに向かうのも危険な気がしなくもない。


「提案があるんだが」


コレットが小さく手を上げて言う。


「俺が女装・・・じゃない。

 キエル手前で私が女性服を着てから偵察にいけばいいんじゃないか?」


つまりは本来の女性姿になればよいと。確かに城では男だと思われていた訳だし女性姿を誰も見た事も無いだろうからいいかもしれない。


「ならば私も変装して一緒にいきましょうか。

 親子で旅をしているという設定の方がモファームを連れても

 不審に思われないかもしれませんしね」


そう言ってダルクくんはおもむろにリュックからウィッグを取り出した。

・・・

ダルクくん何故にその色をチョイスした。水色とか目立ちそうじゃね?当たり障りのない茶髪とかでよくね?


「北の方には青系の髪色が多いので水色も珍しくはないんですよ」


なるほど、そういう物なのか。北国は色白が多いのと同じ感覚なのかな。

確かに髪色が違えば印象も変わるな。


取り敢えずキエルの近くまでは予定通りに進む事になった。

偵察ついでに食料を少し仕入れて貰う事にもした。


そしてこのままアルは見張りに、儂等は休ませて貰う。

敷布代わりの毛皮を敷いて、リュックを枕にして寝転ぶ。

足が浮腫んでる気がするのでタオルを丸めて足首の下に置いておいた。どうせ寝返り打ったら外れそうだけど多少は効果があると思いたい。


「マォのそれは何をしているんだ?」


「ああ、こうやって足を少し上げておくと浮腫み解消になるんだよ」


「なるほど、私もやっておこう」


ルーク達からすれば変な恰好で寝てるように見えるだろうな。

と思ったのにルークもダルクくんも真似していた。

皆やっぱり浮腫んでたんだ、よかった儂だけじゃなくて。



目を覚ませばちゃんとタオルの上に足は乗っていた。

おや、疲れていたから寝返り打たなかったのかな。 


「モモが皆の足をせっせと戻していたぞ」笑


ぶっ、マジかー。そこまで気を遣わなくても・・・

モモ寝不足なんじゃ?と思ったが元気いっぱいだった。


ゴッキョグウグウゴーコォォォォ


ササミよりもダミ声だな、おぃ・・・

まったくもってニワトリの声らしくない、未知のモンスターの声じゃないか。

お陰で目は覚めるけども・・・


朝飯はチーズパンとリンゴジュース、それに昨日採ったアケビで簡単に済ませる。

後片付けもすぐに終わるが火の始末だけはしっかりと。森林火災にでもなったら困るからね。


順調にいけば明日にはキエルに到着する。何事もなければいいんだがなぁ。

読んで下さりありがとうございます。

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