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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
一章:城内
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おかんのピアスの穴

すっかり鹿さんとは仲良くなって、仲良くなったのに名前で呼ばないのかって?

鹿さんの名前はクルシカだったんだよ!なので鹿さんと呼ぶことになったんだよ。

〇ウシカじゃなくて良かったよ。ナ〇シカだったら儂吹くとこだった。

今後も鹿さんとは畑談義をする事になった。次はお茶と菓子でも持ってこようか。


畑から戻り御茶でも飲もうかと思ったら閣下が座ってた。

またかよ!と思ったのは内緒である。


「暇か!暇なのか!」


「やる事は終わらせてから来ているので心配はない」


本当か本当にそうなのか。そのうちダルクくんが汗だくになって来そうな気がするんだが。大丈夫なのだろうか。


「ところでマォ殿。

 先日の件を聞いたのだが、その後体調は大丈夫なのか?」


「あー、体調は大丈夫。過去は過去だしあんま覚えて無いからな。

 気にしちゃなんねぇ」


閣下にまで心配かけたのか、そりゃすまんかった。


「あー・・・そのだな。

 アルノーと同衾したと聞いたのだがいかに血の繋がりが無いとは言え

 親子でというのはいかがな・・・

 ぬぉっ! マォ殿?! しっかり! マォ殿!マォ殿!!」


吹き出すどころか丸っと茶が気管に行ったわな・・・ぐるぢぃ

お茶も纏まった量になると喉を通過する時痛いんだな、儂初めて知ったよ。

まったくなんつー事いいだすかねこの宰相閣下は!!

しばらく咽返った後にやっとマトモな呼吸が出来るようになった。


トラウマで発作を起こして体温が下がりまくったのを温めてくれただけだと言ったら納得はしたようだった。

見て見ろ、今は護衛として後ろに立っているアルの顔も引きつってるじゃないか!


「いやすまぬ。あまりに衝撃的でつい」


何が「つい」なのやら。


「あのなぁ閣下。そんなくだらん事言いに来たん?」


「いやそうではなくて。忘れる所だった。これを渡そうと思ってな」


取り出されたのはピアス。何故ピアスを儂に?


「通信機能付きの魔道具になっている。次に何かあったらこれで私を呼べ」


なるほど、便利なものがあったものだ。

まぁそれだけ心配をかけたのであろうから、ありがたく身に着ける事にする。

シンプルなシルバーの輪っかタイプで儂の好みのピアスだった。

センスいいな閣下。

そしてやっぱりダルクくんが汗だくでやって来た。


「閣下ーーー!せめて行き先くらい告げて行ってください!

 どれだけ探し回ったと思ってるんですか!ほら帰りますよ!」


「仕事は済ませたはずだろう、私はここでお茶を・・・」


「はいはい帰りますよ!新しい案件が届いてるんですよ!

 マォ殿すみませんね休憩の邪魔をして。では!」


ああ、そうだった、これお見舞いですとダルクくんは可愛い箱に入ったクッキーを置いて行った。

蛇のクッキーじゃないよ? お菓子のクッキーだからね?

仕事が出来る男は気遣いも出来ると、さすがだなダルクくん。


見送った後に今度こそアルと2人でのんびりとお茶を飲む。

今日のお茶はジャスミンティーで、この香りに癒される。


「おかんはシルバーが好きなのか?」


「ん?そうだね銀が好きだよ。儂金属アレルギーがあるからなぁ。

 それに儂ピアスの穴多いからさ金だとジャラジャラ付けたら成金みたいじゃろ」


そう、儂左右の耳に合わせて12の穴があるんだよ。全部金にすると・・・ね?

なんでそんなにピアスの穴があるのかって言われてもわからん。気が付いたら12になってた。たぶんメンタルやられてた時にプスプス開けたんだろうなぁ。


「なるほど、ならば俺も今度ピアスを贈ってもいいだろうか」


ん?何故そうなるかな? いやありがたいけども。お気に入りのピアスどころかアクセサリー一式全部元の世界にあるもんなぁ。


「ありがたいけど、そない気使わんでも」


「いや是非に贈らせて欲しい。宰相閣下とだけお揃いだなんて・・・」


ん? 今なんつった? 閣下とお揃い? いや通信魔道具だろ。

あ・・・ そうか。一方だけが持ってても意味がないもんな。

だからってデザインお揃いにする必要があるか?!


アル曰く お揃いのピアスは家族や親友で付けるのだそうな。

恋人同士や夫婦は指輪なので誰かから贈られても受け取るなと言われた。

なるほど、気を付けるよ。まぁそんな贈って来る相手おらんじゃろうけど。


さて騎獣達もそろそろ戻って来るだろうし餌の準備でもしとくかね。

ちなみにあの飼育手帳はまったく役に立たなかった。

返事が解るように〇Xの札用意して現物を見せながら皆に食えるかどうか聞いたさ。

野菜が食えるのはモルト・ホップ・ササミだけだった。

儂が来るまでの間肉食組はどうしてたんだろうな。

今日は猪肉がまだ残っているので猪肉にしよう。勿論生がお好みだそうだ。

この世界にも冷蔵庫のような魔道具があってよかったよ。

保存できなくて毎日狩りとかさすがに儂でもキツイ。

ザックリと切り分けていく。うん肉切り包丁が欲しい。出来れば牛刀か中華包丁が。無理だよなぁ。でも牛刀みたいな肉専用のはあるかもしれん。

今度コルディに聞いてみるか。

草食組には野菜と果物を用意する。これらは厨房に発注しておけば届けて貰えるから便利だ。


その後は自分達のを用意する。

今日は豚汁と炊き込みご飯と大根の煮物!純和食になってしまったが許せ・・・

猪肉があるうちにハンバーグも作りたい。よし明日は気合入れてハンバーグにしよう。

ハンバーグに気合が居るのかって?フフフ、ミンサーもフードプロセッサーもないから包丁で叩きまくるしかないんだなこれが。

儂の手首大丈夫だろうか、腱鞘炎になるんじゃね? 

シップてあるんかな?あれば貰っておこうかな。


外国人の中には味噌の匂いが苦手な人もいたりする。

だからアルも大丈夫か心配だったけど全然平気だった。むしろ豚汁は大好評だった。閣下にも。

そう閣下も一緒に晩飯食ってるんだよ当たり前の顔して。

食費請求してもいいかなこれ。ダルクくんに相談してみようと思う。

読んで下さりありがとうございます。

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