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武士は食わねど高楊枝  作者: 一森 一輝
自由なる大国にて
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8話 大きくなったな、総一郎41

 白羽の執務室で電脳魔術をしきりに操作していると、不意に、集中力がぷつんと切れた。


「……」


 手をだらんと机の上に投げ出して、総一郎はぐったりしていた。焦燥が遠い。やらなければならないことは山ほどあるのに、今すぐそれらに取り掛からないとタスクの雪崩が起きてしまうのに、手につかない。


「……何やってたんだっけ、俺」


 ぽつり、言葉が口に付いた。何をすべきかわからない。今取り掛かっている作業というのではなく、もっと本質的に、総一郎は何のためこうやって昼夜通して働いているのだったか。


「……」


 総一郎は頭に手をやる。それから、精神魔法でやる気に関わる脳内物質を制御した。心地よい微弱な電気が、総一郎の脳を刺激する。総一郎は、椅子にもたれていた上体を起こして、「ふぅ」と息を吐いた。


「何って、亜人差別をなくそうとしてたんじゃないか。何を言ってるんだ、俺は」


 ぶつくさと自分の言動に苦笑いしながら、作業を続ける。それから数時間その作業に没頭して、やっと片付いた深夜二時。総一郎はしばらく無意味に、電磁ヴィジョンに映し出されるホログラムの時計を指でいじっていた。


「二時かぁ……」


 最近はいざ知れず、以前ならばほぼ絶対に寝ていた時間帯である。追われるような気持ちでやっていたとはいえ、よく睡魔に襲われなかったものだと我ながら感嘆する。


 だが、勢い余って眠気が全くないのだった。家に帰っても、どうせまたこのARF新拠点に戻ってきて、作業に没頭することになるのだ。ならばいっそ、若い体に甘えて無理をしてみるのも一興ではないだろうか。


「クレーン使うような仕事があったんだよね、確か。でもクレーン借りるお金がもったいないから、グレゴリーを頼ろうって話になったんだ」


 言いながら、総一郎は軽く身支度をする。ついでで仕事のことも済ませてしまおう、という趣旨の独り言だが、メインの目的はもちろん違う。つまりは、寝るのではなくパーッと遊んでしまおう、ということだった。


 幸い、ミヤさんの店は夜バーになると聞いている。未成年飲酒をするつもりはないが、飲みやすいジュースが実はカクテルだった、なんて事故が起こっても、今更気にする総一郎ではない。そのついででグレゴリーに頼み込んでしまおう。


 そんな期待を膨らませながら、総一郎は階下で寝ているJやナイなど起こさないよう、そろりそろりと建物を出た。それから夏の夜の生暖かい風を体に受けながら、散歩と洒落込む。


 夜のスラムに総一郎として足を踏み入れるのは、久しぶりだった。以前ここで活動していた時、闇に立っていたのは総一郎ではなくウッドであったが故に。


 その所為か馴染むのに長期間を要したが、今ではほどほどに総一郎自身が認知されているらしく、道端を歩いていても視線を感じない。アーカムもそろそろ一年近いしね、と感慨深くなる総一郎だ。


 一時期はスラムでさえ人がほとんどいなかったが、今でも少しずつ人通りも戻ってきているようだった。目に見える大きな災害――主にウッドの活動――が減ってきたからだろうか。


 一応ヒルディスなどは破壊活動をしばしばやっていたりするのだが。アーカムの民としては、あの程度は可愛いものなのかもしれない。恐ろしい耐性である。


「見えてきた」


 総一郎は明かりのついたミヤさんの店を視界に捉えて、少し速足で近づいた。それからガラガラと音を立てて戸を開けるとそこそこにいる客の中顔を出し、「あら、こんな時間に珍しいわね」とミヤさんがカウンターから声をかけてきた。


「いらっしゃい、総一郎。何か飲む? 一杯くらいならミヤさん奢っちゃうわよ?」


「じゃあ、何か美味しいのを」


「あらぁ? いいのかしら、そんな言い方で。私、悪い大人だから未成年には出しちゃいけないお飲み物を出しちゃうかも」


「あはは、そうですか。でも、俺も最近疲れてるので、気付かないかもしれませんね」


「ふふっ、了解。ミヤさんスペシャル作ってあげるわ」


 総一郎はカウンターに座り、そこでやっと一息ついた。それから、ミヤさんの店を見回す。いつも昼頃に来る店ではあるが、夜に見るとまた違った風情があるものだ。


 前に来たのは、グレゴリーと飲み比べした時だっただろうか。彼とはヒイラギの異界マンション以来だ。気の合う相手とは言い難いが、こう言った席では妙に会いたくなる。


「でも、総一郎も中々、狙ったようなタイミングで来たわね」


「はい?」


 棚から瓶をいくらか都合するミヤさんが、含みのある物言いでそう仄めかした。総一郎としては首を傾げるばかりだ。ミヤさんは「周り」という一言から切り出す。


「見てみなさいな。何で気にならなかったのかって、不思議に思うから」


「……? っ」


 言われるがまま周囲を見回し、真横に男性が座っていることにやっと気づいて、総一郎は跳ねるほど驚いた。基本的に、他人にパーソナルスペースを侵させない総一郎である。誰かがそこに入り込めば気づくし、気付けなければ何度殺されていたか分からない。


 だというのに、彼は、その男性は真隣でグラスを傾けていた。総一郎は、そのことに気付けない自分が信じられなかった。何せその人物は、一度目にすると、目を離せないような存在感を放っていたから。


「ミヤ、こいつか? 最近やんちゃしてる坊主ってのは?」


「ええ、そうよ。ほら、自己紹介なさいな。総一郎驚いて固まっちゃってるじゃない」


 男性の言葉に、ミヤさんは軽い調子で返した。その親しみを感じさせるやり取りに、総一郎は唾をのむ。


 何故なら、ミヤさんと対等に話せているという事自体が――


 “彼”は、総一郎に向き直り、ニ、と笑う。


「そうだな。最初は自己紹介といこう。俺は――生憎と本名は捨てた身でな。“大統領”とでも呼んでくれ。ミヤとは幼馴染でな。久しぶりに寄ったから、挨拶に飲みに来たところだ」


「……初めまして。総一郎・武士垣外です」


 辛うじて、どもらずに挨拶を返すのが精いっぱいだった。緊張とも興奮とも分からない感情が全身をめぐっている。分かるのはただ一つ。この人は、総一郎が今まで知り合った中でも、最も“ヤバい”人だ。


「はは。いいな、こいつ。ミヤ、今日のこいつの酒代は俺が持つ。総一郎、今日は好きに飲め」


「えっ、あっ、ありがとうございます!」


 そして親分感が強すぎる。並大抵の相手には怯まない総一郎だが、ここまで素で平伏してしまいたい気持ちになったのは生まれて初めてだ。


 尋常じゃない。ただ、圧倒される。何せ総一郎は、いまだ彼の顔を見上げることすらできていないのだ。直視できない。そんな気にもならない。


「大統領、総一郎委縮してんじゃない。もう少し抑えなさいよ」


「何言ってる。隠しすぎるくらい隠してるつもりだ。それでも見破ってくる、総一郎の眼力を褒めるべきだろうが」


「いいから、抑えなさい。それが出来ないアンタじゃないでしょう?」


「……ったく、ミヤも人の扱いが上手い」


 圧倒されるようなオーラが、見る見るうちに大統領と呼ばれる男性の中にしまわれていった。それでやっと、総一郎は彼の外見を伺い知ることが出来る。


 だが、それでもよく分からなかった。白髪交じりで、ある程度年を召しているのは分かるが、一体何歳かは分からない。ミヤさんは十代前半にしか見えないが、大統領に関しては一見して六十代以上に見え、しかしつぶさに肌の感じを見ると三十代のようにも感じてしまう。


「お、お若い、ですね?」


「「……」」


 二人は総一郎の言葉にキョトンと顔を見合わせ、それから揃って爆笑した。豪快に笑う二人に、総一郎はタジタジだ。


「えっと……?」


「くっ、ははははは。いや何。こんな数百歳のロートルに、若いなんてバカなおべっか使うもんじゃねぇぜ、総一郎。だが、その意図に嘘はない。褒め言葉として受け取っておこう」


 鋭いが愛嬌のある目で総一郎を見つめて、それから大統領はまたグラスを傾けた。ミヤさんはツボったのか、いまだにクスクス笑いながら、総一郎の目の前に飲み物を出してくれる。


「ま、ひとまずは乾杯と行こう。数奇なる『能力者』の縁に、乾杯」


「か、乾杯」


 チン、と軽い調子でグラスをぶつけ合って、総一郎は飲み物に口をつける。美味しい、気がする。だが、具体的にどう、というところまで考えが回らない。そのくらい、この大統領という人物の存在感に、総一郎は気圧されている。


「その、『能力者』というと、やはりあなたも……」


「ん? ああ、そうか。今じゃほぼ絶滅状態だし、見て分かるって程いねぇのか」


 そうだよ、俺も『能力者』だ。と笑みを含んで、大統領は言った。それに総一郎は、グレゴリーの話を思い出しながら、質問をまとめる。


「その、グレゴリーからお話をいくつか聞きました。酔っていたので、具体的にどう、というところまではおぼろげなのですが……」


 頭をひねる。それから、問うた。


「ある『能力者』を殺すために、亜人が生まれた、という話を聞きました。そして推測するに、その中心人物は……あなたです、よね? よければ、是非教えていただけませんか? 一体何があったのか。何で亜人が生まれるに至ったのか」


「……」


 大統領は、キョトンとした面持ちで総一郎を見つめていた。それから、クッと笑って「良い勘してるな、総一郎。いいぜ。ぶっ飛んだ話だし、昔のことだから記憶の齟齬もあるかもしれないような、眉唾話で良いならな」とイスを回して膝を総一郎に向ける。


「よ、よろしくお願いします!」


「ミヤ。総一郎だが、前評判に比べて随分可愛い奴じゃねぇの。好奇心に目ぇキラッキラさせてよ。稀代の暴れん坊ってのはどこに行ったんだ」


「可愛い癖に闇を抱えてるのが総一郎なのよ。後で『能力』見せてもらいなさいな、どす黒いから」


「……って話だが、どす黒いのか?」


「え、えぇ。まぁ」


 色だけなら、と答える総一郎に、「ほぉー、まぁ苦労して生きてそうな雰囲気はあるが」と言って、大統領はグラスを傾けた。


「それで? 何で亜人が生まれたか……の理由までは知ってんだよな」


「はい。ある『能力者』を殺すためでしたよね。その――不死の『能力者』を」


「ああ。いや、懐かしいな。本当に懐かしい。アレは挑み甲斐のある無理難題だった。少しでもミスれば身内が死んだ。俺でさえ自殺した世界線があったらしいと聞く。地獄だったよ。だからアイツもろとも、『能力者』ってもんをこの世から消し去ったんだ」


 ゾク、と首筋に走るものがあって、総一郎は背筋を正した。大統領は「そんな真面目になって聞くような話じゃねぇぞ」とカラカラ笑って手を振る。


「そんな地獄だったんですか。何と言うかその、不死っていう『能力』を持っている方が、よほど地獄見ていそうな気がするんですが」


「お、いいセン行ってるぜ、総一郎。確かにアイツは俺たちよりよほど地獄を見てきた。だから俺たちを殺すと宣言することで、脅迫的に自らの協力者になるよう、俺たちを追い込んだんだ」


「……協力者? 敵ではなく?」


 その物言いに、総一郎は首を捻る。かつての敵を語るような大統領の口ぶりには、似つかわしくない単語だと感じた。だが、彼は「ああ」と深く頷く。


「そうとも。アイツは俺たちの紛れもない脅威だったが、奴を含めた全員の目標は一致していた。つまり、『不死の能力』の克服。奴の死こそが、あいつを含めた俺たち全員の目的だったんだ」


 大統領がグラスを空にして「ミヤ」と名前を呼ぶ。「はいはい、どうせこれでしょ?」とすでに用意していたらしいカクテルをミヤさんから受け取って「おうおう分かってんじゃねぇか」と嬉しげに大統領は口端を綻ばせた。


「……不死殺し、ですか」


「ああ。つってもその辺の神話の不死なんぞと比べてくれるなよ? 奴の不死は本物だった。細胞の一片もこの世から消してなお蘇り、地下深くに封印してもケロリとして戻ってきて、不死殺しの武器でも死なず、生まれた過去そのものを消したら膨大な周回が一回分だけ減ったアイツが襲い掛かってきた」


 正直不可能だと何度も思ったな。と大統領は語る。総一郎はその中でも、意味の分からない言葉を反復した。


「周回、とは?」


 大統領は、クイと杯を傾ける。答えたのはミヤさんだ。


「あの時は、宇宙が、何百億年っていう単位でビッグバンとビッグクランチでループしてたらしいのよ。毎回必ず宇宙が生まれ、地球が生まれ、私たちが生まれ、ってね。で、そのビッグバンとビッグクランチっていう宇宙の始まりと終わりに巻き込まれても生き残ってたのが、その『不死の能力者』」


「……はい?」


「まー、すごい奴だったのよ、そいつ。攻撃力とかは私なんかとは比べ物にならないくらい弱かったんだけど、とにかくタフでね~。生まれた過去を消しても、そもそも宇宙がループしてるから、次の週のループで生まれて不死になったアイツが平然と現れるわけなの」


「……、……。……?」


「分かんねぇよな。分かる。俺たちだってあの時あの攻撃が通んなかったことの意味が分からなかった」


 理解の追いつかない総一郎の肩を、ポンポンと大統領が叩いた。総一郎は必死に話をかみ砕いて、両者に確認を取っていく。


「その、前提として、宇宙が数億年単位でループしているんですよね? で、その、ループっていうのはつまり、物語のループ形式というか、記憶を持ち越している人物が能動的に働き掛けない限りは常に同じ経過をたどり、同じ結末を迎える、という……」


「そうね。それが私たちの言ってるループよ」


「そしてその『不死の能力者』は、その宇宙のループを何周もしている……と?」


「ああ、そうだ。何周どころじゃなかったがな。何万、何億周って話だったぜ」


「……」


 総一郎、やっと分かってきて、推論を述べる。


「つまり、『生まれた過去を消し去る』攻撃すら耐えきったのは、厳密にはその『不死の能力者』は生まれた過去ごと消し去られたけど、その次のループの『不死の能力者』が本人のごとく現れた、ということですか?」


「お! 理解が早くていいな、総一郎」


「そうなのよ~。最初それでなお殺せなくて、本気で動揺したのよ。びっくりしたわ~」


 ――しかも、仕組みが分かったからって周回がなくなるまで生まれた過去を消し続けられるわけじゃなかったしな。

 ――そりゃそうよ。事実改変系の技って概念捻じ曲げることになるから、滅茶苦茶燃費悪いのよ?


 などなど、二人の会話を聞きながら、総一郎は想像を絶する規模感を、飲み物と同時に無理やり飲み下すしかなかった。だが、まぁ、そう言うからにはそうなのだろう。と無理やり自分に納得させつつ、かみ砕くうちに見えてきた疑問点を尋ねてみる。


「というと、本人以降のループの『不死の能力者』は、どこに行ったんですか? 毎回増えてたとか? いやでも、それだといずれ限界が来ますよね」


「毎回本人が、不死になる前に殺してたらしいわよ。『苦しむのは僕一人だけで良い』って」


「……」


 総一郎、血の気が引くような思いをする。なるほど、これが二人すら謙遜させる地獄か、と思わないでもない。


 よくよく思えば、宇宙の始まりと終わりの過程には、地球の始まりも終わりも無論含まれていることだろう。宇宙に投げ出される苦痛、ビッグバンに巻き込まれる苦痛。総一郎には、それが想像できない。


 だが、それを幾度となく、地球を生き抜いていく時間とは比べ物にならない年月耐え抜いてきたのが、その『不死の能力者』だということなのか。


 総一郎は、純粋な興味から、こんな質問を投げかける。


「どんな人だったんですか?」


「トチ狂ってた。でも完全に訳分かんねぇ感じじゃねぇのが、見てて痛々しいんだ」


「そうそう。体が心身ともに健康な状態を保ち続けるから、発狂して楽になってるわけでもないのよ。なんて言うのかしら。正常な判断の元狂ってるって言うか。かけがえのない命の価値を理解した上で躊躇いなく虐殺するって言うか」


「そうだ、だんだん思い出してきた。とにかく、常に苦しんでる奴だったよ。自分の関わる全てを心から愛してて、その上で自らの死の為に犠牲にすることを厭わない奴だった」


 俺たちのこともよく知ってたよな。ええ、いつかのループでは親友だったって言ってたわ。大統領とミヤさんの会話に、総一郎は何も言えなくなる。


「……それで、そんな『不死の能力者』を、どうやって殺したんですか?」


「奴の『不死』を支えるエネルギーを、他の現象の再現で使い果たした」


 地獄の沙汰だって、金がなきゃあなぁ。思わせぶりに語る大統領の言葉を、ミヤさんが補足する。


「総一郎。魔法は魔力がないと発動できないわよね? 『能力』も同じなのよ。っていうより、魔法と『能力』は元々同じものというか、ね」


「奴は『能力』の源となるエネルギーを、誰よりもふんだんに使って死ぬことを禁じられていた。だから、そのエネルギーが枯渇しちまえば、不死の『能力』だって使えなくなる。単純な話だ。だからこの世は、今でも『奴』の復活には不十分な量しかエネルギーが溜まらないように回り続けてる」


 そういう風に、俺たちが作り替えたのよ。大統領はそう語り、グラスの中の液体を飲み干した。彼は熱っぽい息を吐きだして、穏やかに目を伏せる。


「結局、俺たちの敵は概念だった。奴は敵なんかじゃあなかったんだ。最期、アイツは嬉し泣きしてたよ。泣きながらずっとありがとう、ありがとうってなぁ。何だか俺たちまで泣けてきたのを、今でも覚えてるんだ」


「みんなでお墓を作ってね。二度と蘇るな~、ってみんなで送り出したのよ。懐かしいわね。お蔭でこんなハチャメチャな世の中になっちゃったけど」


 総一郎、なるほど、と得心いって、まとめに入る。


「つまり、そのエネルギーを使い果たす方法が、亜人だった、と」


「いや? 亜人はどっちかってーと副産物だ。概念上のものすべての実在化、っていうかなり雑な方法を取ったが、その中でも一番消費が多かったのは何だったか」


「アレよアレ。時空の保存。タイムトラベルが可能になったって触れ込みの」


「あー! そうだったな! いやー懐かしい。つっても概念の邪魔が多くってほとんどやらなかったんだけどな!」


 ハッハッハ、と笑う大統領に、ポカンとする総一郎だ。この大統領というお人は、まだまだ難解な過去を有しているらしい。


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