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思い付き短編

ただならぬ鳥

作者: 黒イ卵

 その鳥が温めていたのは、一見、只の模様のある卵だった。


 違いがあるとすれば、地球がすっぽり入る大きさで、木星の渦巻きに似た色をして、常にぐらぐらと揺れ動いたことだろう。

 もう、何京か何垓か過ぎたのだろうか、それでもその鳥は身動ぎ一つせず、孵化を待った。


 羽の白は剥がれ落ち、黒く汚れても、体が痩せ、骨が露出しても、卵の上から動かなかった。


 最早その鳥が、生きているのかどうかわからなくなり、やがて鳥と卵は一体化し、一つのオブジェのようになっていた。


 何がきっかけだったのだろうか。


 おそらく殻があったと思われる部分にひびが入り、あっという間に全体に行き渡ったかと思うと、ぴしりという音を立てて、勢いよく、鳥と卵は割れた。


 中からはいわゆる、例の、有名な‘青い鳥’がさえずり、幸福とやらは身近にあるということを示してくれたそうだ。


 今もなお、何処かに伝わるお話と聞く。




あまり意味を持たせたく無いようなものを書きたくなった頃、カクヨムに載せてたのでこちらにも

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― 新着の感想 ―
[良い点] 地球がすっぽり入る大きさの卵とそれを温める鳥とは、とても壮大なスケールですね。 巨大な青い鳥は、温めている鳥が生き生きしているうちに、幸福をもたらしてほしかったです。 深いお話ですね。
[一言] これだけ短いと何回か読めてしまいますね (*´▽`*) とりあえず3回読んでみました。 木星の大赤班のイメージが素敵でした☆彡
[一言] 何気にエッセイジャンルにタイムリーに関わってますね。 一頃の青鳥ノ杜のなろう界隈は中々酷かったですなぁ。お陰様で疑心暗鬼の底無し沼に沈み込んで仕舞う所でした。 ああ、その節は大変お世話に…
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