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17グラマンの地図


「おおっ!すごいなぁ」


一歩踏み入れば右も左も石造りの建物。

宝石とアクセサリーのショップや家庭用の道具専門店、異世界の野菜や果物を売る青果店など、様々な店が並んでいる。


「グフェル村の特産品マグフェル石だよ!」

「綺麗だけど高いなぁ」


「黒石ナイフの切れ味。その目でご覧あれ!」

「すごいもんだなぁ」


「今ならもう一つオマケだ!」

「買ったわ!」


店員と客のやりとりが活気に溢れていた。


奥には、入村前に見えた大きな煙突が煙を吐き出している。

煙突が関係しているのかは不明だが地面が暖かい。

激しく熱いわけではなく、陽だまりのようなじんわりとした暖かさで不快感よりも気持ち良さがあった。


また村にしては規模が広い。もしかしたらこの世界ではこれが普通のことなんだろうか?


異世界はじめての店巡りをしたいところだがお金がないので、まずはグラマンさんのお姉さんが働いている宿に向かうことにする。ここで手に持ったグラマンさんから貰った羊皮紙の地図を見てみる。内容はとても大雑把でグラマンさんには悪いが分かりづらい。道とか方角の概念がなく建物のような四角いものが散りばめられた地図。その中に一つだけバッテンマークのついた四角があった。恐らく、目的地のイグマ亭だろう。一番縦長の長方形が煙突だと仮定するとイグマ亭は他の四角と比べて近くにあるようなので煙突付近を調べれば見つかりそうだ。


「地図なんだからもう少しわかりやすく描けよな」


1人で愚痴をこぼしても何かが変わる訳ではないので、まずは奥に見える煙突に向かうことにした。

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