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コトノハ薬局  作者: 九藤 朋
神代ひもろぎ編 第三章
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圧倒的実力者

 麒麟は夢の中、目下、椎名たちを閉じ込めている空間を見る。大きさにして十センチ四方。術で凝縮するとこんなものだ。不気味なのは昴が閉じ込めて以降、中からうんともすんとも反応がないことで、中で何か良からぬことを企んでいるのではないかと言う疑念にも駆られる。ことが二重、三重の緊縛のコトノハを処方したので、万一のことはないと思うが、まだ伊勢がいる。長老たちの不気味な力も決して侮れない。麒麟はそんなことを考えて、夢の牢獄から遠ざかった。


「え? 耀さんがいらしてるんですか?」

 ほら劉鳴殿はこれだから。夕食の席、筑前煮を食べながら事情説明した。他の皆には話してあったのだが、劉鳴殿は朝から外をふらついていたので、捕まらなかったのだ。

「いらしていると言うか、監禁状態です。解ってますか、師匠。相手は敵ですよ、敵」

「ロミオとジュリエットですか……」

「黙れ五十路」

「ともかく、耀さんだけでも出して差し上げないと」

 味噌汁を飲んで劉鳴殿が力説する。

「駄目ですよ。彼女は貴方のお嫁さん候補じゃありません」

 烏の鳴き声が聴こえる。いつの間にか蝉の声は途絶えてしまった。撫子たちは皿洗いをしているし、芳江と景はテーブルの上を、私たちの周囲を除いて拭いて片付けたりなどしている。聖はもう食べ終えているが、私たちの様子をゆったり見守る態勢だ。

「彼らの能力の凡そは聴きました」

 それまでとはがらりと口調を変えて劉鳴殿が言う。

「勝てますか」

 劉鳴殿がにっこり笑う。

「僕を誰だと思っているんです。お嫁さん候補にも、傷一つつけずに勝ちますよ」

 随分な大言壮語だが、劉鳴殿が言うとそうは聴こえない。私は筑前煮を肴に酒を飲みつつ、師匠の実力を正しく測る。

「なるべくなら殺したくはないのですがね」

 劉鳴殿の乾いた口調。出来得るが、したくない。圧倒的実力者の台詞である。

「高原さんの出方も怖いです」

「美人?」

「師匠、その考え方止めませんか」

 劉鳴殿がペロリと舌を出す。全く、この酔っ払いは。しかし私には解っている。美人であろうが二十代であろうが初婚であろうが、劉鳴殿は斬る時は斬る人である。それからは縁側に場所を移って、聖と劉鳴殿と私で飲んだ。途中で、楓が水を汲んできてくれるなど、甲斐甲斐しい振舞いを見せ、私たちを和ませるなどした。

 秋の涼風が火照った頬に心地よく、私たちはしばらく葉擦れと釣忍の音など聴きながら、静かに飲んだ。今頃、佐保子や雅はどのように過ごしているかなど、ぼんやり考えていた。




これまで書いて来た作品キャラで、女性と男性の強キャラを考えてみました。

結果。一人に絞れず、数名の名前を挙げてみました。順不同です。


・女性:音ノ瀬こと(『コトノハ薬局』)

    白衣鏡花(『美食牢』)

    小野若雪(『吹雪となれば』)←これは処女作なので、知らない方がほとんどかと。


・男性:九曜禎允(『美食牢』)

    音ノ瀬劉鳴(『コトノハ薬局』)

    新庄竜軌(『龍は蝶を追う』)


男性陣では『龍は蝶を追う』から、織田信長の生まれ変わりである竜軌を挙げましたが、ぶっちゃけこの作品、戦国時代の猛者どもたちがひしめいているので、甲乙つけがたいものがあります。一応、主役で信長、という要素を加味して竜軌をあげました。他にも森蘭丸とか伊達政宗とか色々いて、正直、「みなさん、今から殺しあいをしていただきます!」とか言わないと真の強者がわかりません。ちなみに女性陣で名前を出した若雪は、『竜は蝶を追う』に生まれ変わりで登場しまして、竜軌や森家、伊達政宗より別格に強い、作中一の強者です。病弱美人。


『竜は蝶を追う』はリニューアルオープン検討中。





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