表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コトノハ薬局  作者: 九藤 朋
乱刃血縁編 第一章
533/817

ポテチ紅茶

 かささぎは歯に衣着せずに物を言う。布帛は長い付き合いからそれを知っている。時と場合によってはそれにより摩擦が生じることも。かたたとらコーポレーションの一室、革張りのソファーに寝転んで、長い脚を組んでとろりとした目をしてもそれは変わらない。

「駄目駄目じゃん、さだめ君。お、俺、今、韻を踏んだ。良いね。駄目駄目さだめ」

「かささぎ。不機嫌なのはともかく、本人を前に言う台詞じゃないぞ」

「だあってさあ~。あー、ポテチない? 布帛、買って来てよ」

「俺をパシリに使うな」

 窓の外からは樹々を紅に染める秋の日差しが射し込んでいる。その光に縁取られるように、くだんのさだめは腕組みし、かささぎを白い目で見ていた。

「裏の何たるかを知らない若造が好き勝手言うね」

「君も若いじゃん。あ、若作りなんだっけ? 実際年齢は……まあ、どうでも良いけど」

 白夕も同席していて、さだめの反対側に立ち、ひっそり笑んでいる。今日も彼は白い単衣だ。珍しく、日頃は流している長髪を一つに束ねている。それはそれで趣が出るのがこの男だ。かささぎは、実は白夕が少し苦手だった。軽さを好むかささぎにとって、白夕という存在は重いのだ。さだめをからかったのは、だから矛先がそちらに向いただけでもある。

「水木楓が音ノ瀬ことの泣き所で、最も与しやすい。そう、私たちは思っていたけれど」

 かささぎの向かいに座る二条が、紅茶を飲みながら言う。

「けれど?」

「あの子そのものがあちらの戦力となっているのなら、その考えを改めたが良いのかもしれないわね。あちらは守りを固めると言っても、限度がある。なるべく少数になったところをこちらは多勢で叩くべきよ」

 かささぎがぴーうと口笛を吹く。

「お嬢さんらしからぬ殺伐とした案ですねえ」

「だが一理ある」

「布帛って美人に弱いよね」

「関係ない」

「音ノ瀬劉鳴がいますね」

「ん。いるけど」

「そちらは私が参りましょう。私でなければ手に負えますまい」

「わーお。すごい自信」

 かささぎが目を見張ると、白夕は珍しく苦笑した。

「手に負えることと、勝ちを得ることは異なりますがね」

「謙虚謙虚。良いじゃん。んで、黙ったままのアーサー君や一色君、水谷君には妙案はないのかな? 女性一人の案に乗るって、君らちょっと情けないよ」

「かささぎ」

「武で以て圧倒すれば良いのだろう。基本、今までとすることは変わらない。水木楓は、最初から俺の視野にはなかった」

 アーサーが言い、紅茶が薄い、という不服も付け足した。

「へえ。賢いんだねえ、アーサーは」

 にやにや笑いながら、かささぎも紅茶を飲んでから眉をひそめ、砂糖ないのという不満を口にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ