1話 スキルを決めよう
久遠・ダンジョンマスター編はじまります。
誤字・脱字ありましたら連絡お願いします。
4月11日 本文の改稿をしました。
眩しかった光が落ち着いてきた。久遠はゆっくりと眼を開けた。
「クランドール、ここは何処なんだ?」
久遠の眼に映るのは、地面だった。
「ここは”ラグドリーズ”だ。ここにお主の為の迷宮を創造する。
勘違いしないように言うが、ここは次元の狭間になる」
「ここで、能力決めと迷宮創造を行うのか?」
「ああ。まずは能力を決めていこうか」
そうクランドールが言い、手を振ると画面が空中に投影された。
そこには、名前・年・性別・種族・称号と並んでいた。
名前 遠峰 久遠 クオン(鏡面世界表記)
年齢 17才
性別 男の娘 *変更不可
種族 高位精霊族
称号 異世界人
神権能力
不老長寿 LVアップ時ステータスアップ 獲得経験値・増 必要経験値・減 好感度補正
固有能力
迷宮創造・・・迷宮の創造・迷宮改造・魔物配置・侵入者の魔素還元・項目追加
魔物創造・・・魔物の創造・魔物改造・命名
魔物融合・・・異なる魔物を一つの生命に造り変える。合成とは別物。
稀に、高位進化が起きることがある。
悪魔召喚・・・悪魔を召喚し、契約を結ぶ。ただ悪魔は肉体を持たないので依り代となる肉体が必要。
と出ていた。言いたいことは、『性別 男の娘』とあることだ。
確かに、他の同い年の男子いや、女子と比べて小さく幼く見えてもこれはないと思う。
「容姿を年相応に変えたいのだが・・・出来るのか?」
「今の姿の方が、相手の油断を誘えそうでは?」
この場で久遠の容姿を語るなら、やはり『男の娘』としか言えない。
幼さの見える童顔に130センチくらいの身長、成人女性なら楽に持てるであろう体重。
瞳は大きめで、クリックリッとしている。男らしさはどこにもない。
「こんな成りで女が、男と見ると思うか?」
「ワシらの権能では精々、髪、瞳、肌この3つを少し変えるくらいだ。」
久遠は騙されたのではと思ってしまう。
まあ17年も付き合ってきた身体だ。諦めはつく。
「なら容姿は、銀髪銀眼にしてくれ。あと肌の色はもう少し白くしてほしい。」
取り敢えず、容姿から始めた。
「分かった。次は能力を決めようか。
永久の方と比べると、かなりハードなスタートになる。故に少しだがサービスをする。
CPは永久の3倍、300CPで、能力とステータスを決めでくれ」
ハードなのは当然だ。だって周りは全て敵だから。味方は見つけ次第引き込みたい。
そうなると、仲間の援護も考えた方がいいかも。
クランドールの出したウィンドウを覗き込み探す。
「(才能系、生産系は確実に欲しい。)」
そう思いながら、探すとあった。
魔の才・・・魔力・魔力量の成長に補正。魔力操作を精密に出来るようになる。(要・慣れ)
魔法の習得がしやすくなる。 (20CP)
武の才・・・気力・気力量の成長に補正。気力操作を精密に出来るようになる。(要・慣れ)
闘気術の練度が上がりやすい。 (20CP)
全属性適正・・・火・水・風・土・雷の基礎五属と、光・闇の二極にどれにも属さない”無”に適正を得る。ただし、得手・不得手はある。 (10CP)
熟練度上昇・・・能力に対する知識が深まりやすく、上達しやすい。 (30CP)
魔力量上昇・・・魔力量がLV×100%増える。 (5CP)
木工・・・木を使用して作成した物の性能上昇。 (5CP)
料理・・・料理作成時・料理が美味しくなる。 (5CP)
鍛冶・・・採掘時鉱物が良質になりやすい。また金属武器の性能が上昇。 (5CP)
錬金・・・化学法則による変成を行う。一部、例外はあり。 (10CP)
調合・・・薬草や薬効のある実を混ぜ合わせ、より効能を高める。薬草の採集には必要。 (10CP)
服飾・・・裁縫、縫製に補正あり。 (5CP)
細工・・・アクセサリー系の作成に補正。性能の高いものが作れるかも。 (15CP)
直感・・・勘がよくなる。気が・・・。 (10CP)
以上150CPになる。才能の熟練度は、最低のLV1でこれだけ消費した。
探している最中に気になる才能があった。
*夢幻異信・・・世界すら越えて会話が出来ると言われている。
神権能力 (50CP)
「クランドール・・・この才能を永久に取れるように配慮できないか?
これで、役目が少しでもやり易くならないか?と思ってな」
クランドールにそれを見せて確認をする。
「出来ることは出来るが、選ぶかわからんぞ?」
「大丈夫だろ。永久なら選ぶと思う。
見た能力の中で取りそうなのが"能力・限界突破 (50CP)"くらいだと思うしな。
他の能力では、永久の食指は動かんだろうからな」
久遠の言葉にクランドールは、疑問を投げかけた。
ちなみに"限界突破"とは、種族における上限値の制限解除能力の一種である。
「高位精霊族は基本的に、遠距離・魔法使いタイプだからどうしても近接系に弱く、上限値も低いからな。そうなると、その欠点を少しでも補おうと考えるはずさ。
解決策はこの"限界突破"が最有力候補と思うんだ。理由は簡単、上限値解放さ」
久遠はそう話を締め括った。そう考えるのは幼馴染みと言えるだろう。
久遠の消費したポイントは200CPになる。
「あと100CPになるが、次の候補は決まっておるのか?」
クランドールの言葉に久遠は少し考え、
「迷宮の改造には魔力を消費するのか?」
と、クランドールに問いかけた。
「少々長くなるが、詳しい説明をしようか。
迷宮に関するものは、DPと言う別括りのポイントを使う。
部屋の創造、罠の設置、家具の購入なども同じだな。
DPの獲得方法は、『侵入者の撃破』『日毎の固定回復』『侵入者からの、時間毎の吸収』『魔力からの変換』『迷宮内の不要物の撤去』以上になる。
ちなみに挙げた順に量は少なくなる。役目から考えれば問題ないと思うがの?」
「『日毎の固定回復』はどのくらいで、増えたりするのか?」
久遠の言うことは最もだろう。もう一つの生命線だから。
「『迷宮核』に触れれば"迷宮概要"が分かる。
後ろの台座がコアの安置場所だ。後で迷宮核を渡すのでその時に説明をしよう。
『日毎の固定回復』に関してだが、毎日0:00時に固定回復する。
回復量は"迷宮難易度×固定値"になる。
迷宮難易度が上がる毎に上昇するが、ヴェラリーズでは、1~10のレベルがある。数が大きいほど難しく、強くなる。能力も同様だ。
最低値100~最高値1000と言う形になるが問題ないか?」
クランドールの確認に久遠は頷いた。
「なるほど!なら、"DP獲得率上昇 (50CP)"は買いだな。
これはどれくらいの上昇率になるんだ?」
「末恐ろしいのお主。それ「当然だろ?( ̄^ ̄)」・・・そうか。(無理矢理納得したようだ)
魔力量上昇と同様だ。その二つで最高1,000,000時になるぞ。
まあそれでもその域にたs「"能力上昇祝福 (50CP)"も買いだ!」・・・・・・遠慮ないな。
ちなみにそれは、『LV×10%』の上昇率になる」
後の、クランドールは語る。『頼んだ此方が恐怖するくらいの天才を鏡面世界に生んでしまった・・・・・・』とアテンドールに言ったらしい。
「こんなところでいいか・・・欲を言えば、もう少し欲しいくらいだが」
とこんなことを言っているが、過剰戦力もいいところだ。この世界の住人でも良くて3つの能力を持っていればエリートと言われているくらいだから。
「満足したかの?」
「一通り必要そうな能力は決めたつもりだ。確認したいのだが、通常で能力の熟練度はどのくらいであがるんだ?
また能力が、上位進化とかするのか?」
「能力の熟練度に関してだが、基本的に『(現在のLV×次のLV)×100=0.01×(能力適正×回数)』の計算式で表せる。
お主の場合は、弓:110%・魔法系:120%・精霊術:150%・近接70%・格闘50%の能力適正になる。さらに、能力上昇祝福LV1の10%UPを上乗せした数値になる」
クランドールが小難しいことを言っている。数式が細かすぎる気がする。要約すると・・・
「俺の場合、弓なら『1×2×100=0.01×(120%×回数)』になり、100を満たせば上がるってことだよな?1回で1.2の技能点(仮)が入り1.2×167回=100.4で能力の熟練度が上がる。
LV2にするには、2×3×100=600となる。1.2×500回=600というわけか?」
「そうなる。ちなみに精霊族でもそこまでの適性はもたない。弓:75・魔法:80・近接:45・格闘:30くらいだ。優秀な個体で。
此処まで言えば分かると思うが、高位精霊族でも各5増くらいになる。お主等に与える身体が如何に高性能か分かるであろう。お主等の世界で言う規格外性能というのか?」
「俺はダンジョン内なだけに弓は死に能力だがな・・・。
その適正は、看ることは出来ないのか?」
「あるぞ。『鑑定系能力』がな!
まあ、”鑑定”・”識別”では不可能だが鑑定系最上位能力の”看破”でなら確認できるぞ!
お主等にはアテンドールとの相談の上で、アテンドールは”神眼”を永久に、ワシは久遠に”魔眼”を与えることになっておる。言い方が違うだけで役割は一緒だ。
"完全鑑定"、"真偽眼"、"刹那の瞳"がメインの力になる。さらに”個人能力の上限値と、限界値”が分かるようになる。これは、お主だけだな。
下の世界に行く永久が持つには大きすぎる能力になるからな・・・」
「他の能力はどうやって取るんだ?
地道な鍛錬か?CPを使って取るのか?」
久遠が疑問に思ったことは能力の獲得方法だ。
「基本としては、CPでの引き換えになる。ただ向こうの世界の住人は、LV1につき1CPの入手になる。まれに四神の加護を持つものがいて、2CPの者もいる。
お主たちは”半人半神の立場になるから5CPになるな。ちなみに、お主らと”愛の絆”で結ばれたのもは、3CPになる」
「CPを使った能力のLV上げは可能なのか?」
久遠は能力に関して色々と確認し始めた。
「よい質問だな。例えば、5CPで獲得した能力があるがこれをLV1→LV2にするには5CP、LV3にするには10CP、LV4で20CP、LV5には40CPとなり、LV5にするだけで80CPが必要となるわけだ。
能力に関してもう少し詳しく言うと、『能力は上限値LV20』・『特化能力は上限値LV10』・『固有能力でLVのある特殊なものが上限値LV5』となる」
「能力は特化能力に、成ることはないのか?」
「例えば、”剣術”の能力をLV20まで成長させると特化能力になる。
派生先は、”短剣術”・”細剣術”・”長剣術”・”大剣術”の4つに特化する。
槍術・斧術・弓術にも派生する特化能力は存在する。魔法にもあるぞ?」
といろいろなことを話してくれた。そうなるとさらに知りたいものもある。
「”統合系の能力”はあるのか?」
久遠の言葉にクランドールの片眉が動いた。それを見逃すほど久遠は甘くない。
「あるんだな?」
「・・・ある。純粋な物理タイプの『神剣術』、属性魔法を極め剣に宿す『魔剣術』が存在する。
ただし、有史以来で獲得に至った者はいない。だが・・・お主たちなら可能だろう。
ほぼ無限の時間と永遠の若さを与えたお主等ならな」
「”複合魔法”的な2属性以上の属性が合わさったものはあるという判断でいいのか?
また”融合魔法”のようなものは存在するのか?」
最後に魔法に関する事はしっかりと知りたい。
「複数の属性を持つ魔法はあるぞ。炎・氷・雷有名な所はこのくらいだ。ただこれらは対応する属性を極めんことには扱えん。
それ故”選ばれし者”の魔法ともいわれておる。そんなに大層なものじゃないんだがな。
それに先天的に使えるのものもおる。それは転生者だったり、四神が祝福・加護を与えたものたちだ」
色々突っ込みたい所はあるが、『祝福・加護』に関しては特に確認しろと本能が警告してきた。
「『祝福・加護』は何だ?いや、意味は分かるが・・・・・・」
「なるほど・・・。それは、各祝福・加護に応じて『対応する能力の習得・熟練に補正がかかる』というものだ。”戦闘神・フィスリア”・”守護神・デニス”・”知識神・トーラ”・”法律神・ジル”の四神を上位神として、鏡面世界の繁栄を支えておる。
この四神でさえ”世界の規格内”である為、今回のような事態には対処できんのだ」
「その辺りのことは、基礎知識として脳内に刷り込んでしておいてくれ。聞いただけじゃミスしそうだ」
「わかった。そのようにしよう。
それで、『祝福・加護』に関してだが、祝福で25%UP・加護で50%UPとなる。無論、”対応した能力に関して”と注釈が付くがな」
クランドールの言葉を久遠は、自分の中で反芻して自身の糧とした。
「いろいろと教えてくれて助かった。ありがとう。
能力に関してはこのくらいで問題ない。次の手順に進んでくれ」
「そうか。念の為に他の知識も付け加えておこう」
そういうクランドールに会釈して作業を進めていった。




