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ダブル・サイド  作者: 四宮 皇季
第一章 久遠ダンジョンマスターになる
3/39

1話 スキルを決めよう

 久遠・ダンジョンマスター編はじまります。

 誤字・脱字ありましたら連絡お願いします。

 4月11日 本文の改稿をしました。

 

 眩しかった光が落ち着いてきた。久遠はゆっくりと眼を開けた。


 「クランドール、ここは何処なんだ?」


 久遠の眼に映るのは、地面だった。


 「ここは”ラグドリーズ”だ。ここにお主の為の迷宮を創造する。(つくる)

 勘違いしないように言うが、ここは次元の狭間になる」


 「ここで、能力(スキル)決めと迷宮創造(ダンジョンクリエイト)を行うのか?」


 「ああ。まずは能力(スキル)を決めていこうか」


 そうクランドールが言い、手を振ると画面が空中に投影された。

 そこには、名前・年・性別・種族・称号(ピュリア)と並んでいた。


 名前 遠峰 久遠(とおみね くおん) クオン(鏡面世界(ヴェラリーズ)表記)

 年齢 17才

 性別 男の娘 *変更不可

 種族 高位精霊族(ハイエルフ)

 称号(ピュリア) 異世界人


 

 神権能力(レジェンドスキル)

  不老長寿 LVアップ時ステータスアップ 獲得経験値・増 必要経験値・減 好感度補正


 固有能力(ユニークスキル)

  迷宮創造(ダンジョンクリエイト)・・・迷宮の創造・迷宮改造・魔物配置(ポート)・侵入者の魔素還元(マナチェンジ)項目追加(メニューリスト)


  魔物創造(モンスタークリエイト)・・・魔物の創造・魔物改造・命名(ネームド)


  魔物融合(モンスターユナイト)・・・異なる魔物(モンスター)を一つの生命に造り変える。合成とは別物。

 稀に、高位進化(エクステンド)が起きることがある。


  悪魔召喚(サモン・デーモン)・・・悪魔を召喚し、契約を結ぶ。ただ悪魔(デーモン)は肉体を持たないので依り代となる肉体(依り代)が必要。

 

  

 と出ていた。言いたいことは、『性別 男の娘』とあることだ。

 確かに、他の同い年の男子いや、女子と比べて小さく幼く見えてもこれはないと思う。


 「容姿を年相応に変えたいのだが・・・出来るのか?」


 「今の姿の方が、相手の油断を誘えそうでは?」


 この場で久遠の容姿を語るなら、やはり『男の娘』としか言えない。

 幼さの見える童顔()に130センチくらいの身長、成人女性なら楽に持てるであろう体重(体躯)

 瞳は大きめで、クリックリッとしている。男らしさはどこにもない。


 「こんな成りで女が、男と見ると思うか?」


 「ワシらの権能(ちから)では精々、髪、瞳、肌この3つを少し変えるくらいだ。」


 久遠は騙されたのではと思ってしまう。

 まあ17年も付き合ってきた身体だ。諦めはつく。


 「なら容姿は、銀髪銀眼にしてくれ。あと肌の色はもう少し白くしてほしい。」


 取り敢えず、容姿から始めた。


 「分かった。次は能力(スキル)を決めようか。

 永久の方と比べると、かなりハードなスタートになる。故に少しだがサービスをする。

 CP(カスタムポイント)は永久の3倍、300CPで、能力(スキル)とステータスを決めでくれ」


 ハードなのは当然だ。だって周りは全て敵だから。味方(魔族)は見つけ次第引き込みたい。

 そうなると、仲間の援護も考えた方がいいかも。


 クランドールの出したウィンドウを覗き込み探す。


 「(才能系、生産系は確実に欲しい。)」


 そう思いながら、探すとあった。


 魔の才・・・魔力・魔力量の成長に補正。魔力操作を精密に出来るようになる。(要・慣れ)

 魔法の習得がしやすくなる。 (20CP)


 武の才・・・気力・気力量の成長に補正。気力操作を精密に出来るようになる。(要・慣れ)

 闘気術の練度が上がりやすい。 (20CP)


 全属性適正・・・火・水・風・土・雷の基礎五属と、光・闇の二極にどれにも属さない”無”に適正を得る。ただし、得手・不得手はある。 (10CP)


 熟練度上昇・・・能力(スキル)に対する知識が深まりやすく、上達しやすい。 (30CP)


 魔力量上昇(MPUP)・・・魔力量(MP)がLV×100%増える。 (5CP)


 木工・・・木を使用して作成した物の性能上昇。 (5CP)


 料理・・・料理作成時・料理が美味しくなる。 (5CP)


 鍛冶・・・採掘時鉱物が良質になりやすい。また金属武器の性能が上昇。 (5CP)


 錬金・・・化学法則による変成を行う。一部、例外はあり。  (10CP)


 調合・・・薬草や薬効のある実を混ぜ合わせ、より効能を高める。薬草の採集には必要。  (10CP)


 服飾・・・裁縫、縫製に補正あり。 (5CP)


 細工・・・アクセサリー系の作成に補正。性能の高いものが作れるかも。 (15CP)


 直感・・・勘がよくなる。気が・・・。 (10CP)



 以上150CPになる。才能の熟練度(スキルレベル)は、最低のLV1でこれだけ消費した。

 探している最中に気になる才能(スキル)があった。


 *夢幻異信(ファーリース)・・・世界すら越えて会話が出来ると言われている。

                 神権能力(レジェンドスキル) (50CP)


 「クランドール・・・この才能(スキル)を永久に取れるように配慮できないか?

 これで、役目が少しでもやり易くならないか?と思ってな」


 クランドールにそれを見せて確認をする。


 「出来ることは出来るが、選ぶかわからんぞ?」


 「大丈夫だろ。永久なら選ぶと思う。

 見た能力(スキル)の中で取りそうなのが"能力(スキル)・限界突破 (50CP)"くらいだと思うしな。

 他の能力(スキル)では、永久の食指は動かんだろうからな」


 久遠の言葉(セリフ)にクランドールは、疑問を投げかけた。

 ちなみに"限界突破"とは、種族における上限値の制限解除能力(スキル)の一種である。


 「高位精霊族(ハイエルフ)は基本的に、遠距離・魔法使いタイプだからどうしても近接系に弱く、上限値も低いからな。そうなると、その欠点を少しでも補おうと考えるはずさ。

 解決策はこの"限界突破"が最有力候補と思うんだ。理由は簡単、上限値解放さ」


 久遠はそう話を締め括った。そう考えるのは幼馴染みと言えるだろう。

 久遠の消費したポイントは200CPになる。


 「あと100CPになるが、次の候補は決まっておるのか?」


 クランドールの言葉に久遠は少し考え、


 「迷宮(ダンジョン)改造(カスタム)には魔力(MP)を消費するのか?」


 と、クランドールに問いかけた。


 「少々長くなるが、詳しい説明をしようか。

 迷宮(ダンジョン)に関するものは、DP(ダンジョンポイント)と言う別括りのポイントを使う。

 部屋の創造(ルームメイク)、罠の設置、家具の購入なども同じだな。

 DPの獲得方法は、『侵入者の撃破』『日毎の固定回復』『侵入者(捕虜)からの、時間毎の吸収(ドレイン)』『魔力(MP)からの変換』『迷宮(ダンジョン)内の不要物の撤去』以上になる。

 ちなみに挙げた順に量は少なくなる。役目から考えれば問題ないと思うがの?」


 「『日毎の固定回復』はどのくらいで、増えたりするのか?」


 久遠の言うことは最もだろう。もう一つの生命線だから。


 「『迷宮核(ダンジョンコア)』に触れれば"迷宮概要(ダンジョンステータス)"が分かる。

 後ろの台座がコアの安置場所だ。後で迷宮核(ダンジョンコア)を渡すのでその時に説明をしよう。

 『日毎の固定回復』に関してだが、毎日0:00時に固定回復する。

 回復量は"迷宮難易度(ダンジョンレベル)×固定値(100)"になる。

 迷宮難易度(ダンジョンレベル)が上がる毎に上昇するが、ヴェラリーズ(この世界)では、1~10のレベルがある。数が大きいほど難しく、強くなる。能力(スキル)も同様だ。

 最低値100~最高値1000と言う形になるが問題ないか?」


  クランドールの確認に久遠は頷いた。


 「なるほど!なら、"DP獲得率上昇ダンジョンポイントアップ (50CP)"は買いだな。

 これはどれくらいの上昇率になるんだ?」


 「末恐ろしいのお主。それ「当然だろ?( ̄^ ̄)」・・・そうか。(無理矢理納得したようだ)

 魔力量上昇(MPUP)と同様だ。その二つで最高1,000,000時になるぞ。

 まあそれでもその域にたs「"能力上昇祝福(スキルステット) (50CP)"も買いだ!」・・・・・・遠慮ないな。

 ちなみにそれは、『LV×10%』の上昇率になる」


 後の、クランドールは語る。『頼んだ此方が恐怖するくらいの天才(天災)鏡面世界(ヴェラリーズ)に生んでしまった・・・・・・』とアテンドールに言ったらしい。


 

 「こんなところでいいか・・・欲を言えば、もう少し欲しいくらいだが」


 とこんなことを言っているが、過剰戦力もいいところだ。この世界(ヴェラリーズ)の住人でも良くて3つの能力(スキル)を持っていればエリートと言われているくらいだから。


 「満足したかの?」


 「一通り必要そうな能力(モノ)は決めたつもりだ。確認したいのだが、通常で能力(スキル)熟練度(レベル)はどのくらいであがるんだ?

 また能力(スキル)が、上位進化(エクスチェンジ)とかするのか?」


 「能力(スキル)熟練度(レベル)に関してだが、基本的に『(現在のLV×次のLV)×100=0.01×(能力(スキル)適正×回数)』の計算式で表せる。

 お主の場合は、弓:110%・魔法系:120%・精霊術:150%・近接70%・格闘50%の能力スキル適正になる。さらに、能力上昇祝福(スキルステット)LV1の10%UPを上乗せした数値になる」


 クランドールが小難しいことを言っている。数式が細かすぎる気がする。要約すると・・・


 「俺の場合、弓なら『1×2×100=0.01×(120%×回数)』になり、100を満たせば上がるってことだよな?1回で1.2の技能点(仮)が入り1.2×167回=100.4で能力の熟練度(スキルレベル)が上がる。

 LV2にするには、2×3×100=600となる。1.2×500回=600というわけか?」


 「そうなる。ちなみに精霊族(エルフ)でもそこまでの適性はもたない。弓:75・魔法:80・近接:45・格闘:30くらいだ。優秀な個体で。

 此処まで言えば分かると思うが、高位精霊族(ハイエルフ)でも各5増くらいになる。お主等に与える身体が如何に高性能(ハイスペック)か分かるであろう。お主等の世界で言う規格外性能(チート)というのか?」


 「俺はダンジョン内なだけに弓は死に能力(スキル)だがな・・・。

 その適正は、看ることは出来ないのか?」


 「あるぞ。『鑑定系能力(スキル)』がな!

 まあ、”鑑定”・”識別”では不可能だが鑑定系最上位能力(スキル)の”看破”でなら確認できるぞ!

 お主等にはアテンドールとの相談の上で、アテンドールは”神眼”を永久に、ワシは久遠に”魔眼”を与えることになっておる。言い方(名前)が違うだけで役割は一緒だ。

 "完全鑑定"、"真偽眼"、"刹那の瞳(クロックアイ)"がメインの力になる。さらに”個人能力の上限値と、限界値”が分かるようになる。これは、お主だけだな。

 下の世界(フェブリーズ)に行く永久が持つには大きすぎる能力()になるからな・・・」


 「他の能力(スキル)はどうやって取るんだ?

 地道な鍛錬か?CP(カスタムポイント)を使って取るのか?」


 久遠が疑問に思ったことは能力(スキル)の獲得方法だ。


 「基本としては、CP(カスタムポイント)での引き換えになる。ただ向こうの世界の住人は、LV1につき1CPの入手になる。まれに四神の加護を持つものがいて、2CPの者もいる。

 お主たちは”半人半神(デミゴット)の立場になるから5CPになるな。ちなみに、お主らと”愛の絆”で結ばれたのもは、3CPになる」


 「CPを使った能力(スキル)のLV上げは可能なのか?」


 久遠は能力(スキル)に関して色々と確認し始めた。


 「よい質問だな。例えば、5CPで獲得した能力(スキル)があるがこれをLV1→LV2にするには5CP、LV3にするには10CP、LV4で20CP、LV5には40CPとなり、LV5にするだけで80CPが必要となるわけだ。

 能力(スキル)に関してもう少し詳しく言うと、『能力(スキル)は上限値LV20』・『特化能力(エクストラスキル)は上限値LV10』・『固有能力(ユニークスキル)でLVのある特殊なものが上限値LV5』となる」


 「能力スキル特化能力エクストラスキルに、成ることはないのか?」


 「例えば、”剣術”の能力スキルをLV20まで成長させると特化能力エクストラスキルになる。

 派生先は、”短剣術”・”細剣術”・”長剣術”・”大剣術”の4つに特化する。

 槍術・斧術・弓術にも派生する特化能力エクストラスキルは存在する。魔法にもあるぞ?」


 といろいろなことを話してくれた。そうなるとさらに知りたいものもある。


 「”統合系の能力スキル”はあるのか?」


 久遠の言葉にクランドールの片眉が動いた。それを見逃すほど久遠は甘くない。


 「あるんだな?」


 「・・・ある。純粋な物理タイプの『神剣術』、属性魔法を極め剣に宿す『魔剣術』が存在する。

 ただし、有史以来で獲得に至った者はいない。だが・・・お主たちなら可能だろう。

 ほぼ無限の時間(とき)と永遠の若さを与えたお主等ならな」


 「”複合魔法”的な2属性以上の属性が合わさったものはある(・ ・)という判断でいいのか?

 また”融合魔法”のようなものは存在するのか?」


 最後に魔法に関する事はしっかりと知りたい。


 「複数の属性を持つ魔法はあるぞ。炎・氷・雷有名な所はこのくらいだ。ただこれらは対応する属性を極めんことには扱えん。

 それ故”選ばれし者”(エリート)の魔法ともいわれておる。そんなに大層なものじゃないんだがな。

 それに先天的に使えるのものもおる。それは転生者だったり、四神が祝福・加護を与えたものたちだ」


 色々突っ込みたい所はあるが、『祝福・加護』に関しては特に確認しろと本能が警告してきた。


 「『祝福・加護』は何だ?いや、意味は分かるが・・・・・・」


 「なるほど・・・。それは、各祝福・加護に応じて『対応する能力(スキル)の習得・熟練に補正がかかる』というものだ。”戦闘神・フィスリア”・”守護神・デニス”・”知識神・トーラ”・”法律神・ジル”の四神を上位神として、鏡面世界(ヴェラリーズ)の繁栄を支えておる。

 この四神でさえ”世界の規格(システム)内”である為、今回のような事態には対処できんのだ」


 「その辺りのことは、基礎知識として脳内に刷り込んで(インプット)しておいてくれ。聞いただけじゃミスしそうだ」


 「わかった。そのようにしよう。

 それで、『祝福・加護』に関してだが、祝福で25%UP・加護で50%UPとなる。無論、”対応した能力(スキル)に関して”と注釈が付くがな」


 クランドールの言葉を久遠は、自分の中で反芻して自身の糧とした。


 「いろいろと教えてくれて助かった。ありがとう。

 能力(スキル)に関してはこのくらいで問題ない。次の手順に進んでくれ」


 「そうか。念の為に他の知識も付け加えておこう」


 そういうクランドールに会釈して作業を進めていった。

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