3話 ダンジョンの一日・前編
設定を細かくしすぎて大変でした(自業自得)
計算の間違いがあり直しました。教えて頂有り難う御座いました。
ティナと共にトワと<夢幻異信>で再開させる為ティナに<魔力操作>を教え、訓練をしていた。ハッキリ言えば彼女の成長の延び幅は、俺と言う異端を除けば早い方なのだろう。
「なかなか上手くなってきたじゃないか!お嬢様ってだけに、魔法の勉強なんて片手間程度に思っていたが結構しっかりと学んだものだな・・・」
彼女の成長は生前の努力の結果である。もちろんその理由にクオンは気付いている。クロードと言う婚約者が彼女の努力の根元なのだろう。
「ご存じかと思いますが、私には婚約者がいました。残念ながら私はもう死んでしまいましたが・・・・・・」
「トワの話では”衛兵”何だっけ?王族に連なる者でよかったよな?」
「はい。現国王の側室の長男です」
国王とか地球にはいなかった、過去の歴史上の産物だ。ティナの話によると、結構な為政者らしい・・・それが真実なら”トワを敵に回さないようにして欲しい。トワは”敵と認識したら容赦がなくなる”からだ・・・。
「ティナの言う現国王が”真の賢王”であることを祈るよ・・・・・・。アイツほど敵に回したら厄介なのはいないと思うから」
「クオン様もお話によるとかなりのモノだと聞きましたが・・・・・・」
頭をかきながらクオンは補足した。
「俺はこれでもTPOは考えるさ。確かに必要なら『人殺しも大量虐殺』ですら行うが、不必要な脅し目的でそんな事はしない」
「TPOとは何でしょうか?」
「何事にもあるものさ。まずは『いつ』、次は『何処で』、最後は『何を』と言う意味さ。
仮定で話すなら、『街をモンスターの群れが襲う』としよう。大切なのが、『いつ襲ってくるか』だ。今日なのか、十日後なのか、一ヶ月後が重要になる」
クオンの説明に頷くティナの表情は真剣だ。
「次に、『何処を戦場にする』かだ。町の城壁か、町の外か、町から離れた場所か決めなくてはいけない」
深く考えながら聞いているティナを見る限り、仮定話に近いことがあったと思うクオンである。
「最後は『攻勢にでるか、防衛につくか』を決めなくてはいけない。仮定として『十日後、街を襲うモンスターの群を町から離れた場所で迎撃にでる』とした場合TPOは揃うわけだ」
「まあそんなに単純じゃないけどな」とクオンは笑っていた。これはわかりやすく簡素化したが、本来このようなことがあればもっと複雑で人の欲望が絡むとさらに厄介だ」
命懸けの時はそうでもないが、一番の面倒は”戦後だろう”とクオンは思っている。それは”緊張から解き放たれる瞬間”であるからだ。古来より時の為政者は”敗戦相手に対する略奪”を黙認していたとある。
そこのと自体を”悪”とクオンは言ったりはしない。それをしないと言うことは、”自身の国民に戦闘した男たちの生存本能”がぶつけられることになる。そんなことが起きれば為政者としての”威光”がなくなる。それなら自国民でない者を利用した方が楽であり、問題もない。
「トワは俺と比べれば結構攻撃的な性格だから”敵には容赦しない”それがトワのスタイルだ」
「クロード様はどうなるのですか?」
「慌てるな。昨日話した感じだと、クロードと言う青年に対しては少なくとも”好感”を持っているから彼が間違えない限り安心したらいい。それより問題なのが、ティナの家族・・・特に両親の対応が俺は心配だ」
「お父様たちでしたら・・・大丈夫だと思います。妹もしっかり者ですし・・・・・・」
俺個人としてはそうそう問題は起きないと踏んでいる。トワの性格は攻撃的と彼女に言ったが、逆に言うと”身内になれれば安心できる”と言いきれる。実際彼女には話さないが”ティナを身内に加えたこと”自体が彼女の家族を守る為の安全策としての側面があるのは秘密である。
「そのクロードと言う青年がトワの”兄弟分”みたいに成れたなら一応安心だ」
トワは俺の、俺はトワの性格や考え方は理解している。だからこそ”クリスティナを俺の女に加える”ことを理解しているし、俺の女になったクリスティナの家族は申し訳ないが言葉だが”トワの身内の端くれ”となり『プッツン』しない限りは安全である。
「クロード様なら何も問題はないと信じております」
青年のことを心から信じているのだろう。ティナの瞳に心配するような色は見えなかった。
「本当に良い女だよ・・・俺のことを心から愛するようになるには結構大変そうだな・・・・・・」
クオンの呟きはティナの耳には届かなかった。このクオンにしてもトワにしても基本的に”異性の好意”に鈍い。ティナにとって急務になりそうなのは”心の底からの好意と信頼”を表に出し、言葉で伝えることだろう・・・。
「この話の続きは今夜分かるだろう。その時にティナも参加してもらうつもりだ。けど今のままだと存在が不安定になりやすいから、もう少し訓練するから」
この後二人は昼過ぎまで<魔力操作>の訓練をしていた。
[ティナは スキル<魔力操作> をマスターした]
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ティナの訓練中クオンは指導していただけではなく、ダンジョンの改造も行っていた。
ダンジョンフロアを2→5に変更した。
1km四方100DPの25km四方2500DPを3フロア増やし7500DPの消費になる。30000DPまで回復していたので残り22500DPで維持費は150DP。
今すぐに必要な居住者用の家でDPが10000DPいるから残り12350DP。
そうだ・・2階層は”モンスターハウス”そう考えた俺は早速行動に移った。
中部屋(10×10)200DPを8部屋で1600DP、方角変更通路100mで200DPを4通路で800DP。方角変更通路とあるが回転盤の通路バージョンである。静音性に優れたもので良いアイテムだ。その方角変更通路の変更先はそのまま通路になっている。
その先に小部屋を着けよう!其処には”トラップ付きの宝箱”1箱150DPの面白”ランダムトラップセット”を選ぼう!大まかな説明を確認し、4つでいいか?そう考えたときに目に付いたのはコレ!『面白お宝ハウス~ランダムバージョン~』何かのCMじゃあるまいし。けど面白そうなので”キミに決めた”!
部屋は小部屋(5×5)の大きさで、”床・入口の扉・天井”三カ所の内一つと”宝箱”にトラップが付く。中身のアイテムは一律5DPで内容はコレもランダムになる。希少なアイテムのみ確率を決められる。それは当然『0.01%』に決定する。フェブリーズに強力な武器などはやらん!!
色々と物色している内に、とある一つの感情が沸き上がってきた。
『モンハウと言ったら”無限湧き”だよな!(笑)』
そう俺の魂が囁いた。早速行動する・・・この事を後に聞いたクランドールはガタガタ震えていた。そこまで酷いことしたかな?とクオンは頭を傾げていた。
ちなみに『面白お宝ハウス~ランダムバージョン~』は一部屋400DPとお高かった。”楽しく魔改造こそジャスティス!!”をモットーで1階層分も含め10室購入で4000DP。
お待っち~の”無限湧き系”を探したら・・・あったよ。名称に少し悩んだが・・・。
『スライム湧く湧く君』
もう少し名前を捻って欲しいかな。
湧く湧く君の説明はコチラ。
スライム湧く湧く君・・・スライムを産み出すコアを部屋に設置すると、周囲のマナを吸収してスライムを産み出す。1コアに付き100匹が産み出せる上限になり、1秒当たり1匹生産する。
全滅した場合は、コアを設置した部屋から侵入者がでた時点で生産を開始する。
このコアには”ランク”が存在し、全滅時でも経験値を獲得するが、侵入者を殺した場合の経験値の方が大きい。ランクが上がれば、スライムの”ステータス”が上がり上昇したステータス次第で『特殊能力』や『特異種』を生産できるようになる。
この説明を読んだ感想は「素晴らしい!」であった。クオン自体こういう”育成系”は好き・・いや大好きだ!消費DPを見ると1コア1000DPであった。他の拡張系のDPと比べると高く感じるが、同系統のコアシリーズと比べると”断然安い!”ので迷わず購入。取りあえず4コア購入した。
12350DPー10040DP=2310DPで維持費が2008DPになる。残量302DP・・・結構やばい(汗)
結構2階層に使ったが言い訳はしない。階層のボスはどうしようか・・・・・・。少し悩むが良い案は浮かばない。そのときクオンの目に映ったのはティナだった。その時にふと思ったのは『生体魔導人形』のことだった。
ガサゴソと漁るのは『異次元収納庫』だ。この中にはリリィの契約するために沢山の”死体や魂”が詰まっている。魔石・魔導具なども結構ある。『生体魔導人形』についてはこの世界ではこういう存在だ。
生体魔導人形・・・錬金術師が求めて止まない錬金術の最高峰の一つ。”賢者の石”と双璧をなす過去の伝説。
ちなみにコイツは錬金術だけでは生み出せないと直感が告げている。最初に始めたのは”核の生成”だ。
「アイテムボックスの中にあるのは『魔石』が300個ちょいか・・・」
魔石・・・魔石には現在2種類ある。一つは”魔力地脈”の穴と呼ばれる魔力湧穴で高密度に結晶化する。もう一つは、モンスターの体内で”余剰魔力”が溜まって結晶化する場合である。無論、前者の方が純度は高い。
「まずは『魔石』10個に<錬成>」
出来上がった魔石は純度10%前後のモノだった。今まで色々と<錬成>を行ってきたせいかこんなモノを手に入れた。
[クオンは 称号 <狂導の錬金術師> を手に入れた]
さらに純度を高めようと”魔力を付加術で加えてみた”所上手いこと成功した上スキルも入手した。
[クオンは スキル <魔力付与> <純化錬成> <魔力凝縮> を入手した]
これらが魔石錬成に”役立つかもしれない”と思った俺は早速行動する。
「”魔石300個”に <狂導の錬金術師> <魔力付与> <純化錬成> <魔力凝縮> 発動」
今までで一番眩しい輝き。その輝きは悠久の果てに消え去ったモノの再訪の喜び。
「成功したな(笑)それにしても14%くらいの魔力を一気に消耗したな・・・。出来上がったのは、『魔導錬石』か・・・・・・」
魔導錬石・・・純度90%以上の魔石に与えられる名称。”魔力湧穴”で結晶化する魔導石で15~20%くらいの為、その性能は最低でも4倍以上になる。
純度95% 最上質 備考性能は4,5倍
うん「やりすぎました(苦笑)」というかどうするべ(笑)
このことを聞いたクランドールは色々と遠い目をしていた。
[クオンは 称号 <精錬の錬金術師> <純化錬成師> <魔石の創造者>
スキル <魔石生成> <魔力支配> を入手した]
説明は要らないだろう。そう思っていたら・・・・・。
[クオンのスキル <魔力感知> <魔力操作> <魔力支配> は統合され”神権能力 <魔力完全支配>”に進化した
クオンは 称号 <魔を極みし者> を入手した]
「え??」それが俺の素の感想だ。どうすればこうなる!?手に入ったモノはしょうがない・・・「まあいいか」と思考を切り替える。
「次の問題点は『肉体』だな・・・」
そう言いアイテムボックスから”死体を4体”取り出した。最も損傷の酷いモノだ。損傷度を同程度にして、片方に<錬成>を行うと予想通り”損傷の修復”は出来たが修復後の肉体は”女だったモノ?”だった。しかも継ぎ接ぎだらけでフランケンシュタインみたいだ。
気を取り直して肉体に”解析”をかけて『エーテル』と『マナ』で出来る細胞体、仮名称として『万魔細胞』にした。分子体まで分解しなかったのには単純な理由で”再構成出来ない”と感じたからだ。
そのオリジンを用いて再構成をさせる。概ね予想通りの結果に満足した損傷は元から無かったようになり、女らしさが際立った。
[クオンは 称号 <人造人間の創造者> <神域に近ずきし者> を手に入れた
称号獲得によるスキル 特化能力 <超解析> <分解・極> <再構成・極> <解体・極> <生体錬成・極> を手に入れた]
結構な数のスキルが手に入った。スキル<魔石生成>を使ってみると、純度20%くらいの魔石が生成された。 試しにコレをコアとして実験してみよう。
~10分後~
試作型用の肉体が出来上がった。300体の死体とたまたまあったトカゲ族の死体をベースに”竜人仕様”の肉体を創造した。この肉体にトカゲ族の特徴は”縦長の瞳”に”先に行くほど細い尻尾”と”手足の甲の鱗”の3点だ。スタイルに関しては俺の指向は100%反映されている。つまり”ぼいん・キュ・ボンである。
中途半端ですが今回は此処で区切ります。
誤字・脱字ありましたら連絡をお願いします。質問・感想ありましたらお願いします。
次回の更新予定は4月25日の予定になります。




