閑話 よしのののーと!東の国編そのいち!
短いですが、よしのののーと!の中身です。
『私の名前は、よしの!私の後にこの世界に来ることになってしまった日本人がいた時のために、このノートを残すわ!感謝する事ね!オーホホホ!
まずは、このノートが初めて、という人のために私がこの世界に来た時のことを話しましょう。
私は北の国……あなたがこのノートを見ている時、何という国の名前になっているかわからないから、方角だけで言うわね。北の国に召喚されたのよ。
聖女として。
私は元々そう言う事もあるかも知れないと思って色々と準備していたから、あまり焦らなかったわ。
北の国は聖女を兵器として見ていて、聖女が高レベルに達した時に覚えるスキル、御光を目当てに召喚したのよ。
私は北の国の王族の我儘そうな感じとか、着飾って偉そうにしている感じとかが気に入らなかったから、すぐに出て行ってやったわ!
追われては面倒だから、お城を半壊させてね!
もちろん、人的被害は出さなかったわよ!私、なんて優しいのかしら!オーーーホホホホ!
その後、南の国へ行ったのだけれど、そこでお米を見つけたのよ!
あまりにも嬉しくって、小躍りしてしまったわ!
でも、その国の人は食べ方を間違っていたのよ。
籾殻をつけたままなんて、絶対美味しくないわ!だから私は懇切丁寧に教えてあげたの。
木摺臼の作り方から精米方法……そしてお米の炊き方もね!
そんな風に南の国でのんびりと暮らしている時に、東の国の人間が来たのよ。
そいつらは南の国の人間で比較的仲の良かった者たちを人質にしたの。私に東の国に来るようにって。
ここで暴れて追い払っても、きっと何度も仕掛けて来るでしょう。そう思った私は、大人しくついて行くことにしたのよ。
東の国は寂れた国で、国王的な人がそれはもう偉そうで……。とにかく気に入らなかったわ!
そこで、私が召喚されたのはこの国の陰謀だった事を知ったのよ。
目的はやっぱり聖女の力。
聖女なんて呼ばれる者の力で人を殺させようなんて、頭がおかしいとしか思えないわ。
私は隙を突いて人質と共に逃げたわ。お城とその周辺を真っ平らにしてあげてね!
ここでも人的被害は出さなかったのよ!なんて偉いのかしら!私!
オーーーーーホホホホホホ!
東の国はとにかく食事が美味しくなかったわ!あまりの不味さに、料理や食材の色々を教えてしまったわ。でも、それで国が発展するかもしれないのだし、私は役に立ってあげたのよ!感謝して欲しいものだわ!
私が料理や物づくりに詳しいのはね、いつか信長様に会った時のためなのよ!
私が愛してやまない信長様!
私が信長様を好きになった理由は……(長過ぎるため、中略)。
きっと信長様もこの世界に飛ばされたに違いないと思うのだけれど……今はまだお会い出来ていないわ。
でも!私は諦めない!!必ず見つけて家来にして貰うのよ!オーーーーーーホホホホホホホホ!!
こんなところかしらね。
じゃぁ次に、私の記憶しているレシピをここに記しておくわ。
(レシピが数ページにわたってズラリと並んでいる。)
せっかく異世界に来たのですもの。この世界の料理を覚えるのもいいと思うわ。けれど、もし日本の……地球の料理が食べたくなったら、これを見ながら作ってみなさい。
あと、この国には小豆があったわよ。気になるようだったら見てみる事ね!
他の国のあちらこちらに私のノートは隠したわ。しかも聖女の力を使って保存の魔法もかけてあるわよ!
私が恋しくなったら探してみる事ね!オーーーーホホホホホ!!!』
千華「レシピよりも信長様への気持ちを書いたページの方が圧倒的に多い……!ここは流し読みでも良いかな……。」(遠い目)




