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11 ポッキーゲーム 上杉さん、美沙、志乃ちゃん戦【挿絵付き】

 4人の順番はくじ引きで決められた。

 最初は上杉さん。


 互いに正座して向き合う。

 上杉さんがポッキーのチョコの側をくわえて、僕に片側を突き出す。


 僕もくわえた。

 やはり顔がめっちゃ近い。


 スタートの合図は次の順番の子がすることになったので、美沙が横に座る。

「レディ……ゴー!」


 僕はゆっくりとかじる。上杉さんにキスしたら、殺される。

 上杉さんは真剣な顔でかじってくる。


 ドキドキという鼓動が伝わってくる気がする。


 上杉さんは神弁護士で、タワマンの最上階の部屋を買っちゃうくらいお金持ちだ。賞金が1億でも必死になることはないと思うが……


 なぜそんなに僕に近づいてくるんだ!?

 カリカリ


 リスのように上杉さんがポッキーをかじる。

 体感的にはもう3センチくらいまで来ている。

 

 さらに接近――

 上杉さんと鼻がぶつかりそうに――


 キスしちゃいますよ――

 どうするつもりですか!?


「止めてー」

 穂香ちゃんが叫ぶ。


「ふっ」

 上杉さんが口を開けて、頭を引く。


 僕はポッキーをくわえたまま。めっちゃホッとした。

 ほんとにキスする寸前だと思った。


 右指でポッキーの残りをつまみ出す。

「2.5センチってとこね」


 上杉さんが満足げに見つめる。

 僕はポッキーをティッシュの上に置いた。もっと短くなっていたように感じたが意外に長さが残っていた。


 上杉さんは僕を弄んで楽しみたかったんだな。あーびっくりした。


 次は美沙。

「がんばるぞー」


 気合いを入れてからポッキーをくわえる。


 挿絵(By みてみん) 


 美沙はどうするつもりだろうか。

 単純にゲームに勝ちたいと思ってそうだ。


 アホの子だから、お金に興味があるように見えない。

 でもさすがに賞金1億となると必死になるかな。


 美沙と僕は向き合って正座する。

 僕も反対側をくわえた。


 美沙と間近で見つめ合う。

 幼なじみなのに、何度見ても可愛いいなあ。


 このまま僕にキスしちゃってくれよ。

 裸になってもいいじゃないか。


 スタートの合図は志乃ちゃん。

「レディ……ゴー!」

 ガリッ


 力強く美沙がポッキーを噛む。

 僕はゆっくり噛む。

 ガリッ


 美沙は1センチくらい口に含んでから前歯で噛む戦術のようだ。

 ぐいぐい近づいてくる感じ。


 ガリッ

 美沙がさらに接近。


 僕もちょっとずつ噛んでいるから、美沙との間隔はあっという間に縮まる。


「虎児郎くんとキスしちゃうよー」

 また穂香ちゃんが悲鳴を上げている。


 本当に美沙との距離はあとわずか。

 ガリッ

 さらに近づく。


 横の志乃ちゃんが息を呑んでいるのが伝わってくる。

 ぽきっ


 あれ――

 何か音がしなかったか?


 美沙の顔が急に動く。

 僕に倒れ込んできたのを抱き止める。


 美沙の口はポッキーをくわえている。

 僕もくわえている。


「あちゃーポッキーが折れちゃいましたね。残念ながら、美沙は失格でーす」

 志乃ちゃんが非情に告げる。


 美沙がつまんで見せたポッキーは1センチくらい。僕の残りをつまんで見ると1センチくらいだ。

 合わせて2センチ。上杉さんには勝っていたし、一位になってもおかしくない長さだった。


「惜しかったな、美沙」

 僕は哀れむ。


「うーん、残念。力の加減が難しいね」

 美沙はあまり落ち込んでいないようだ。賞金を逃したと悔しがらないのは感心だ。


「悪いな、僕が動いたのかも。体を動かさないようにするのは難しいよな」

 ポッキーゲームは相手があるから、いくら自分だけ上手くやっても成功しない。


 偶然の要素も大きいので、実にハラハラするよくできたゲームだと思う。


 3番目は志乃ちゃん。

「ふふ、行きますよ、虎児郎さん」


 キスされそうな気がする。

 志乃ちゃんはポッキーをくわえると四つん這いになった。そして僕にポッキーを突き出してくる。


 ぴろっと垂れ下がった浴衣は胸元が開いておっぱいが見えそう。


「むー正座よりも、姿勢が安定してる気が……考えたね」

 上杉さんが腕組みして悔しそうにしている。上杉さんと美沙は正座だったから、志乃ちゃんはもっといい姿勢を考えてきたのか。


 僕にとったら、また志乃ちゃんはおっぱいを見せようとしてきたようにも思える。一石二鳥の作戦。志乃ちゃんはマジ策士。


 でも、おっぱいが気になって僕の視線が彷徨うことまで計算に入れてなくないか。目を動かすと顔も動いちゃうよ


 見ちゃいかん。僕の視線を志乃ちゃんに気づかれると恥ずかしい。公正な勝負のためにも見ないことにするのだ。


 僕も反対側をくわえてじっとした。


 スタートの合図は穂香ちゃん

「レディ……ゴー!」

 カリッ


 志乃ちゃんが噛み始める。

 四つん這いだから、体の揺れを最小限にコントロールできる。


 少しずつ前進するつもりのようだ。

 カリッ


 一口ずつ慎重に前進。


 志乃ちゃんは微塵も揺れてない気がする。


「すごい」

 穂香ちゃんが感嘆している。


 空気が張り詰めているように感じている。みなが志乃ちゃんが優勝候補と目して固唾を呑んで見つめているのだ。


 カリッ

 カリッ


 コツをつかんだのか、志乃ちゃんの前進速度が早くなる。


 僕も噛んでいるから志乃ちゃんが目前に迫る。


「きゃああああ止めてー」

 穂香ちゃんの絶叫。


 このまま志乃ちゃんはキスするつもりか、止めてくれ――

 僕が念じたのが伝わったわけじゃないだろうけど、志乃ちゃんが口を開けた。


「ここまでにしまーす」

 笑顔で告げる。

 

 僕はポッキーの残りをつまむ。

 1.5センチくらいだ。


 ほんとに、あと少しでキスするところだった。

 ティッシュの上に置く。


「へへ、上杉さんに勝ちましたね。これで一位か二位が確定です」

 志乃ちゃんはうれしそうだ。お金がほしいよね。当然だと思う。


 それに四つん這いのエッチなポーズを僕の目に焼き付けたし。多大な成果を上げて感心するよ。

美沙がポッキーをくわえている挿絵が可愛くて、社畜作者はとても上手く描いてもらえたなと思っています。


ブクマやご評価をいただけると、プロ絵師も塗りを担当して下さった方も喜びます。

付けていただきますと大変ありがたく存じます。

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