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28 ブラックな奴は地獄につき堕とす

 蒲をボッコボコにするのはこれで終わりではない。


 廊下に大勢の人間が歩いて来る音がする。


 3年の不良グループ、10人くらいを呼んでおいた。

 僕が毎月百万円で用心棒として雇っている人達だ。


 先頭に立つのはリーダーの冨樫さん。


 スキンヘッドで眉を剃り落とし、鼻と口元にピアス。木刀を揺らして、ニタニタしている。

 カス高最狂と呼ばれる男。


「もうええか、虎児郎はん」

「はい。打ち合わせどおりお願いします」


 僕と冨樫さんは目配せして笑う。


「な、なんだ」

 大男たちに取り囲まれて、怯えまくっている蒲。


 蒲は筋肉ムキムキの男だが、不良10人が武器を持って襲ってきたらかなわない。


「私は見てないことにします」

 穂香ちゃんが横を向いて、ツーンとした。


 普段の穂香ちゃんなら学校内の暴力行為はいけませんと取り締まるところだが、蒲をかばってやる気はない。


「おらっ 立てやっ」

 3年が蒲の両腕をつかんで起き上がらせる。


 蒲は尻を蹴られて、連行されて行く。


 行先は男子更衣室。

 僕も最後尾でついて行った。


 更衣室で正座させられた蒲。


「まずは服を全部脱いで、裸になれよ」

 僕は見下して、冷たく命令する。


「な、何をする気だ」


「別に……お前が女子バレー部員にやらせてきたことを、自分でやってみるのもいいじゃないか。ははっ」

 せせら笑う。


「はよ脱げや」

 冨樫さんが木刀の腹を蒲の頬にペシペシしながら、ドスの効いた声で言い聞かせる。


「うう」

 蒲はジャージを脱ぎ始める。


 おっさんのヌードショーなんか見たくないんだけど、今後のために必要なんだよね。


 蒲は引きつった顔で、パンツも脱いだ。見ているのは男だけだが、なぜか股間を両手で隠している。


「どんなご立派なもんをお持ちなんでっか」

 冨樫さんが木刀の先で蒲の手を突く。


 しぶしぶ蒲が両手をずらして見せた。

 現れたのは、小さい象さんだ。


「ぷははははは、ちっけー。小学生みてー」

 盛大な笑いが起きる。


 緊張して縮こまっているのはあるんだろうけど、元から異常なほど小さいとしか思えない。

 でかい図体からすると、さらに小ささが引き立つ。


 このサイズでは、女子バレー部員を犯せていたのか疑問だ。

 だが、だからと言って許す気にはなれん。


「ははっ、こんなサイズじゃあ、大人の女には相手にされんわなあ」

「だからバレー部のガキを相手にするしかなかったかよ」


「でもムカつくよな。こんな粗チンさんが偉そうな顔してたのはよお」

 不良たちが散々な罵声を浴びせる。


 蒲はカス高で一番偉いのは俺だ、他の男はゴミだという感じでのし歩いていたもんな。


「はいはーい、先輩方、ちょっと離れていただいていいですかー」

 僕は更衣室に用意しておいたビデオカメラと三脚を取って来て、蒲の前に据え付ける。


「止めろ、撮るな」

 蒲が手を振って遮ろうとしてくる。


「お前が女子にやってたことだろ」

 僕は毅然と言い返す。


 加えて、冨樫さんたちが木刀や竹刀やバットを突き付けて蒲を制止する。


「んじゃ、ピシッと直立しろ、蒲のバカ野郎」

 僕は呼び捨てで命令。蒲は顔をしかめて立つ。


 録画ボタンを押す。

「よしよし、そこでゆっくり一回転しろ」


「は、どういうことだ」

「記念撮影だ。蒲の裸を(くま)なく撮っておいてやるよ」


「く……」

 蒲は足を動かして、一回転した。


「ちょっとチェックするから待ってろ」

 ビデオカメラで撮影したデータはサユリさんのパソコンに転送される仕組みになっている。


「ネットにバラまくんじゃないだろうな」

 蒲が心配そうにする。


「さあどうしようかねえ。蒲の裸なんか誰も見たくだろうからな」

「そ、そうだ、バラまいてもしょうがないぞ。頼むから止めてくれ」


 蒲は泣き顔で懇願してくるが無視。


 僕のスマホからピポっという音がする。見ればサユリさんからの通知。


「お、オッケーが出た」

「一体、どうするつもりだ」


「ふふ、後のお楽しみだよ」

 僕はニヤリとする。


「じゃあいいか、虎児郎はん」

 冨樫さんが確認してくる。


「ええ、お願いします」

「よっしゃああああ」


「ひゃっはー」

 北〇の拳のザコキャラのような奇声を上げる不良たち。


「警察が校門で待っているから、ここはホドホドにしといた方がいいんじゃないですかね」


「なあに後で、3階から転落して、ケガしたことにしますんで」

 不敵に笑う冨樫さん。


「じゃあギリギリ死なない程度でお願いしますよ。こいつには地獄を味わわせないと気が済まないですからね」


 僕は更衣室を後にする。4階なら死にそうだけど、3階なら死なないだろう。

 背後から、不良たちが蒲に殴る蹴るの暴行を加えている音が聞こえてきた。


 豚が鳴くような悲鳴を上げる蒲。

 おいおい、本当に死なせずに済ませてくれるんだろうな、ククク。

 

 この後、3階の窓から転落して、全身を強く打ち、瀕死の状態となった全裸の蒲が発見された。


 裸で見苦しくのたうち回る蒲の様子は、校舎の窓に集まってきた生徒のスマホで撮影され、さっそくネットにアップされている。


 駆け寄ってきたプロレスラーみたいな女の刑事さんに、蒲は朦朧とした意識で「突き落とされた」と話したという。


 だが多数の目撃者が「蒲が自分で飛び降りた。自殺を図ったようだ」と証言した。


 僕は遠巻きに見ていた。刑事さんが蒲に逮捕状を突き付けていた。

 がくっと力尽きた蒲は救急車で運ばれて行った。


 筋肉ムキムキだから、すぐに回復するだろう。

 でもって警察の、拷問と言われるほどひどい、厳しい取り調べを受けることになる。

 

 そう、体の傷なんかすぐ治っちゃう。

 心の傷の方が治らなくて、ずっと重い。


 蒲には、女子バレー部員が受けた心の傷の重さを思い知らせないと。

 さあ、次なる地獄をプレゼントしようじゃないか。

総合評価が700Pを超えました。

たくさんのブックマーク、ご評価ありがとうございます。

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