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指導①

 まず、カタナさんは少しアドバイスして、たまに相手するぐらいで、勝手に伸びるでしょう。

 ヴァイスとブランにも相手をしてもらいますか。

 この二人はある意味、私の師匠とも言えますからね。今でこそ私の方が技量は上ですが、ついこの間までは圧倒的格上でしたからね。

 その旨をカタナさんに伝えます。


「なるほど。つまり、ある程度は教えるが、それ以上はあなた方から盗んで学べ、ということだな?」


「はい。まあ、そういうことになりますね。不満ですか?」


「まさか。こうして弟子にしてもらえただけでもありがたいし、そのお二方も私より格上だ。強者と戦えることに、文句などあるはずが無い。それにたまにとはいえ、あなたも相手をしてくれるのだろう?十分だ。元より、相手の技を盗むのは得意だ。」


「そうですか。不満が無いなら良かったです。それでは、私はこちらの三人とも話があるので、それが終わるまで、ヴァイスとブランに相手をしてもらっていて下さい。

 ヴァイス、ブラン、わかりましたね?」


「「御意に。」」



 さて、次はこちらの三人ですね。

 こちらはもっと、具体的な方針が決まっています。


「あなた達には、それぞれとあるスキルを修得してもらいます。」


「はい!それで、それはどんなスキルなんですか?」


「まず、HP極振りのオーカさんには、【気術】と【魔力暴走】ですね。」


「【気術】と【魔力暴走】、ですか?それはどんな?」


「それは…そうですね。まずは実際に見てもらいながら説明しましょうか。」


「お願いします!」


 オーカさんは元気ですね。

 まあ、やる気があるのはいいことです。

 さてまずは…【気術】からいきますか。


「まず、【気術】です。これは自らの生命力…HPのことですね。これを直接操作する技術です。主に身体能力の強化などができますが、熟達すれば、こんなこともできます。」


 そう言って、私は右手に気を集めて、手の平の上に顕現させる。みなさんには青白い光の玉が浮かんでいるように見えるでしょう。そしてさらに、それを剣の形に成型し、握ります。最後に、これを近くの岩に突き刺し、浸透させ、爆散させます。


「どうですか?これは生命力…HPが高い人ほどより使いこなせるでしょう。つまり、HP極振りのオーカさんにぴったりのスキルと言えます。」


 さて、オーカさん達の反応は…


「す、すごーい!かっこいい!絶対に修得する!」


「すごいな。」

「だね。」


 フムフム。なかなかの好感触。

 次は【魔力暴走】ですか。


「気に入ってもらえたようでなによりです。それでは、次は【魔力暴走】の説明に入りたいと思います。」


 私がそう言うと、みなさん期待を込めた熱い視線を送ってきます。

 しかし、【魔力暴走】はそこまで派手ではないのですよね。


「まず、【魔力暴走】とは、その名の通り、体内の魔力を暴走させる技術です。魔法が使いにくくなり、常にダメージを受けますが、その代わり身体能力がかなり上昇するなどさまざまな恩恵があります。ボス魔物などが、追い詰められるとパワーアップするのは、これが原因の一つではないかと私は思いますね。ちなみに、上手く加減すると、逆に自己回復スキルにもなります。そしてさらに極めれば…」


 そう言いながら私は体内の魔力をかなり加減して暴走させます。さらに、それを体外の魔素にも伝播させます。みなさんには、私が赤いオーラを纏っているように見えるでしょう。

 さて、それでは…


「サージさん、アメさん。私に何か魔法を撃ってもらえますか?」


「え、いいんですか?」


「はい。できれば、あなた方の使える中で最も威力のある攻撃魔法をお願いしたのですが。」


「えっと、それじゃあ。」

「あれやろうか。」


 そう言うと、二人は肩をくっ付けて、肩が触れている方の手くっ付けたままをこちらに伸ばします。

 そして…


「[ファイアボール]!」

「[サイクロンバースト]!」


 サージさんは、初級炎魔法の中でも最も消費が少なく威力の低い[ファイアボール]を使いました。しかし、その威力は上級魔法にも匹敵するでしょう。

 アメさんは、上級風魔法、または暴嵐(ぼうらん)魔法と呼ばれる魔法の、横向きの竜巻のような風を相手に放つ[サイクロンバースト]を使います。しかし、かなり無駄が無駄が多く、本来の威力を発揮できていません。それでも圧倒的な魔力量でごり押しして、効率は悪いものの、本来より範囲が広くなり、威力も本来より少し弱い程度。十分脅威でしょう。

 そして、炎の玉と竜巻。二つが上手く合わさり、炎の竜巻という恐ろしい魔法えと無理矢理変えています。洗練された炎の玉と荒々しい竜巻。偶然にも、上手く調和し、かなりの威力をほこります。

 そこらの雑魚どころか、レベルが60を超えるような強者でも、まともに受ければ無傷ではいられないでしょう。

 しかし、その炎の竜巻は、私の赤いオーラに触れると、途端に弱々しくなり、私にはドライヤー程度の温風しか届きません。


「なっ」

「嘘…」


 お二方とも驚いていますね。

 それだけあの魔法に自信があったのでしょう。

 しかし、今回は仕方ありません。


「お二方とも素晴らしい魔法でした。しかし、【魔力暴走】を極限まで高めれば、周囲の魔素にすら影響を及ぼし、魔法の魔力をも散らしてしまうのですよ。まあ、その分反動も大きいので、使いどころが難しいですが、HP極振りのオーカさんは、余り心配しなくてもよろしいでしょう。」


 そう説明すると、オーカさんは眼をキラキラさせながら、

「頑張ります!」

 と言っていました。


 次はサージさんですかね?







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