主人公
お茶をしながらルートを待っていると、ルートの気配が近くに来ました。おや?どうやらお連れ様がいますね。大人っぽいエルフのお姉さんと、話すのが苦手そうな氷の妖精、そして明るい雰囲気の猫の獣人ですか。以前言っていた、クランのメンバーですか。どうやら少し強引に連れてこらされた感じですね。
ふむ。三人ともルートに好意を抱いているようです。そして幼馴染みということで私がライバル認定されていると。そしてルートはそれに気づいていない。どこの主人公ですか。
ちなみにルートは私のことをほとんど何も教えていないようですね。昔からそういう真面目なところがありますからね。
さて、どうしましょうか。ライバルを演じるのも面白いですが…演じるなら演じるで、キャラはどうしましょうか?
そういえば、さっきから私達、目を閉じてますね。目閉じキャラといくのも面白そうですね。ブランとヴァイスにもそうさせましょう。私たちにとって、目は飾りみたいなものですしね。
設定は…呪術で普段は力を抑えていて、ピンチの時などにに封印を解くと本来の倍の力を発揮できる術を使っていて、その封印解除のトリガーが目を開けることにしている。とこんな感じでいいですね。二人にも伝えておきましょう。
さて、ライバルは…無しでいいですね。そもそも私には生殖器はありませんし、作ろうと思えばできますが。胸も多少膨らませてはいますが、乳腺や乳首はありませんし、実質無乳ですね。違いますか?
まあ、設定はこれでいいでしょう。おや?ルートが私を見て驚いて…ああ、この面子にこのセッティングは目立ちますか。そういえばさっきから目立ってましたね。ルートが話しかけにくそうに…あ、覚悟を決めて来ましたね。ここは私から話しかけますか。
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ルート
意を決して近づいて行くと、ノエルが椅子から降りて、こちらにやって来る。メイド?の二人は…いつの間にかノエルの後ろにいるな。さっきのセットもいつの間にか片付けられてるし。
さて、周囲の注目を集めているが、何て話しかけよう?
と思っていたら…
「ルート。さっきぶりですね。そちらの三人は、クランメンバーですか?」
ノエルから声をかけてくれた。少し助かった。
「おおさっきぶり。この三人はお前の言う通り、俺のクランメンバーだ。
お前ら、こいつが俺の幼馴染みのノエルだ。」
そう言って、三人にノエルを紹介すると、三人は少し驚いた様子だったが、すぐに気を取り直して、自己紹介を始めた。
「初めまして、ルートさんのクランメンバーのミカンと言います。ルートさんには、よくしてもらってます。仲良くしましょうね。」
「同じくメンバーのリルリル。ルートとは、よくパーティーを組む。よろしく。」
「はい!今日は!私はベルセって言います!ルートさんとは、よく仲良く色んなことをします。よろしくお願いします!」
「ありがとうございます。私はノエル=リズ=ヴァレンタイン。ルートの幼馴染みです。よろしくお願いいたします。そして、この二人はヴァイスとブランと言い、私のメイドです。」
その紹介の後、二人のメイドは綺麗なお辞儀をした。
ん?ノエルが面白そうな顔を向けて来る。何だ?
「それにしても、みなさん美人ですね。ルート両手に花どころかハーレムですね。それで、誰と付き合ってるんですか?」
「いや、誰とも付き合ってないぞ。」
「何ともったいない。それでは、付き合うとしたら、誰ですか?」
「いや、考えたこともなかったな。」
俺がそう言うと、メンバーの三人はどことなくがっかりした様子だった。なぜだ?




