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ティータイム

 というわけで、始まりの街を二人で観光することになりました。

 あの街は、今見つかっている街の中で二番目に大きくて、悠人も知らないことがたくさんあるらしい。かくいう私も南側のホンの一部しか知らないわけですが。


「それにしてもお前、ギア無しでログインできるなんてすげえな。」

「界渡りの術を使えばすぐですよ。」

「俺も神になりたいな。どうやったらなれんの?」

「一番確実なのは、修練を積むことです。」

「そうかー。ならさ、神が俺に稽古つけてくれね?」

「稽古ですか?私で良ければ構いませんが…そうだ。いいことを思いつきました。」

「なんだ?またとんでもないこと考えついたか?」

「とんでもないとは失礼な。ただ、指導者になるのもいいかなと。ちょうどイベントで、宣伝もできそうですし。」

「指導者か。現実でも通用するとんでも技術を伝授してくれる最強の指導者か…やっぱりとんでもねえな。」

「何か不満でも?なら稽古をつけるのは無しに…」

「あっいや、違う違う。不満もねえよ。ただ、とんでもなく面白そうなことになりそうだなと思ってな。」

「そうですか。」

「おうよ。それじゃ、そろそろインするは。あの時計台で待ち合わせな。」

「了解しました。」




 さて、やって参りました時計台。

 ルートは少し来るのに時間がかかるそうです。

 なんでも、ルートはそれなりに上位のプレイヤーで、それなりに上位のクランのクランマスターをやっているらしい。それゆえ、結構忙しいらしいですね。それなら後日日を改めてと言ったのですが、別に今はそこまで重要なことをしているわけではなく、イベントに向けてレベル上げのためにダンジョンに潜っていて、それも一段落ついたのでちょうど良かったらしいです。しかし、ダンジョンの中のセーフティーエリアにいるので、最寄りの街の転位門まで少々時間がかかるらしいのです。

 待っている間暇ですね。そうだ、ブランとヴァイスを呼んでお茶しますか。ちなみに、ブランとヴァイスは魔の森の最奥にいた、原初の悪魔王と神話死霊王です。悪魔王がブランで死霊王がヴァイスですね。二人には私のメイドになってもらいました。メイド服は私の神力で作りました。デザインはネットにあったのをぱくりました。スカートや袖は長いですが、フリフリのついた、真っ白なデザインです。私も含めて、全員白以外の色が見あたりませんね。まあ、統一感が有っていいでしょう。さて、家の優秀なメイドの二人がテーブルから椅子から、カップやお茶まで用意してくれました。一秒かかりませんでしたね。さすがです。

 さて、ゆっくり待ちますか。





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 ルート


 さて、今急いで(かなえ)…ノエルのところにむかってるんだが…

「ルートさん。逃がしませんよ。ちゃんと紹介してもらいますからね。」

「ギルマスの幼馴染み…凄く興味ある。」

「どんな人なのか楽しみですねぇ。なんせ余りリアルのことを語りたがらないギルマスの秘密がわかるんですから。」

「おい。リアルのことを聞くのはマナー違反だぞ。だいたい二人で観光する約束だってのに。三人も増えたら迷惑だろ。」

「大丈夫です。私はただ、ルートさんの幼馴染みの方と友達になりたいだけなので。紹介してもらえましたら、別れますので。」

「私も同じく。」

「私は色々聞きたいんですけど…嫌がられたら我慢します。でも許可もらえたら、ついて行きますよ。」

「…ノエルに迷惑かけるなよ。」


 たく。せっかくノエルと初めて一緒に遊ぶのに。

 まあいいか。あいつなら嫌なことは嫌とハッキリ言うからな。

 さて、やっと転位門のについた。

 転位門はゴールドを支払うことで街から街へ時空街道を通って移動できる。始まりの街は時計台で繋がっている。

 そこを通れば、十秒程で始まりの街の時計台広場へ。

「さて、ノエルはどこに…は?」


 ノエルを探してみれば、二人の美人メイドに奉仕されながら、ティータイムの真っ最中だった。

 すげぇ目立ってる。

 美形はこのゲームじゃそんなに珍しくないが、あの三人は人間離れした究極といっても過言ではない美貌を誇っている。そして、肌の色も髪の毛も瞳の色も、服に至るまで全て真っ白。そんな白い超絶美女メイド二人が、白い超絶美少女を奉仕して、その美少女はこれまた白いテーブルと椅子とティーカップでお茶を飲んでいる。

 もう一度言おう。すげぇ目立ってる。







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