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運営①

ランキング乗ってた。90位だったけど嬉しい。


運営サイドです。

 某所某ビルの一室


「どうだ?システムは正常に作動しているか?」


「はい。今のところ、バグも確認されていません。」


「そうか。」


 いくつものモニターやキーボードなどが並び、その前で何人もの人が何か作業をしている。

 その一角で、二人の男が話し合っている。


「AIも全て完璧に応対していますし、キャパもまだまだ大丈夫です。タイムラグの発生も確認されていません。暫くは楽ができそうです。」


「そうだな。初めての試みだから、もっとトラブルが出るかと思ったが…さすが神様と言ったところか。」


「いやーほんと最初はびっくりしましたね。神が実在して、しかも暇つぶしに我々と共同でゲームを創りたいって。」


「ははは。俺も最初は信じられなかったよ。それに人間くさいし。」


「あー、それわかります。あの人、ほんとに見ためとか性格とか雰囲気とか暇してるおっさんなんですもん。」


「そんなに僕、神様っぽくないかな?」


 そこに、二人の後ろから声がかけられる。そこには、40ぐらいの、優しそうな中年男性がいた。


「あ、部長。まあ、そうなんですけど、親しみ安くて僕は好きですよ。」


「そうかい。それで、どんな感じかな?」


「特に問題はありま「主任ー!」」


 そこにまた声がかかる。今度は若い女性だ。


「どうした?お前はたしか、称号担当の一人だったな。」


「それが、ステータス設定をすっとばしたバカがいるんですよ!」


「はあ?どういうことだ?」


「もしかして、3つの探求者の称号取られちゃった?」


「はいそうです!って部長!?」

 女性が今部長がいることに気づき驚くが、それは無視される。


「探求者?」


「そうそう探求者。称号の中でも強力な部類のシリーズだね。で、その内3つがいきなり取られた訳だ。」


「大丈夫なんですか、それ。」


「まあ、あれは強力といっても、取るための条件が条件だからね。」


「どんな条件なんです?」


「あ、これです。」


「ありがとうございます。て、こんな効果付けてゲームバランス壊れませんか?それで条件は…はあ?!こんなのやるとかそいつバカじゃないですか!?。」


「だから言ったじゃないですか。バカがいるって。」


「見せてみろ。」「どうぞ。」


 主任に資料が手渡され、主任がそれに目を通し数秒…


「バカだな。」

「「ですよね!」」


「ははは。まあ、いいじゃないか。どんなプレイをするかは個人の自由だ。」


「そうですね。」


 それでその日は恙無く終わった。


 が、次の日。


「主任ー!」


「「「どうした(ました)?」」」


 また観測員の一人と主任、部長は三人で話し合っていた。そこにまた、昨日の称号担当の女性が焦ったように声をかける。


「叡智取られちゃいました!」


「「叡智?」」


 観測員と部長が疑問の声をあげる。しかし部長は理解していた。


「マジで?!叡智取られちゃったの?!まだ二日目だよ?!いや、ゲーム内では八日…いやそれでも早すぎる。いったいどう…てまさか。」


「また部長!?まあ、昨日もだしいっか。はいその通りです。昨日のバカです!」


「やっぱりかあ。」


「あの、部長。」


「ん?なんだい?」


「叡智ってなんですか?」


「ああ、叡智はね、知識系スキルを20個修得すると、進化修得できるんだ。」


「え、知識系スキルって、修得方法が鬼でしたよね?めんどくさい上に時間かかるし。」


「うん。でも修得されちゃったんだよね。探求者に。」


「探求者って、昨日のバカか。」


「そうそう。」


「それで、なんかまずんですか?」


「けっこうまずいかな。知識系スキルは知識に該当するスキルの修得難易度を大幅に下げるし、熟練度も上がり安くなる。そして、称号もね。」


「称号ですか?」


「そうなんですよ!叡智の探求者取られちゃったんですよ!」


「また探求者シリーズか。それで効果は?」「これです。」


 それを見て主任は


「これは、まずいな。」


「でしょう?学習系は修得難易度が鬼だけど恩恵がすごいですし、そして何より、賢人の種族と賢者の職種にレベルが10の倍数になったとき進化できる隠し効果。初期に捨てたステータスを補うどころじゃないですよ。」


「どうします?修正しますか?」


「いや、このまま行こう。」


「いいんですか?」


「うん。だってこれは、修正のしようがないじゃない?たしかに称号の力も借りてるけど、何日も、一度も集中を切らさずにやったんだ。これは間違いなく本人の努力の結果だよ。」


「たしかに。それじゃあ、放置でいいですか?」


「うん。あ、でも君、できればこの子重点的に見てて。」


「わかりました。」


 そして観測員が何気なくその件のバカを見ると、


「あのー修練の探求者ていうのもありますけど?」


「「「えっ。」」」


 そして確認作業の後。


「よし、このプレイヤーは絶対に目を離さないこと。でも基本的に放置。何か起きたらすぐに僕に連絡寄越して。」


「わかりました。」


 それから数日。


「主任ー!部長ー!」


「「どうした(んだい)!」」


「あのバカ魔の森の外森林で蹂躙してます!!。」


「「よし、放置!」」

 ・

 ・

 ・

「主任ー!部長ー!」


「どうした(ました)!」


「あのバカ魔の森で…」


「「よし、放置!」」

 ・

 ・

 ・

 それからさらに

「レベル400越えを…」

 ・

 ・

 ・

「どんだけ奥行くの!?」

 ・

 ・

 ・

「神化!?」

 ・

 ・

 ・

「システムから外れた!?」

 ・

 ・

 ・

「悪魔王と死霊王がそとに!?」

 ・

 ・

 ・

「異世界いってる!?」








「これ、どうします?」


「どうするって、もうシステムから外れて、どうもできないじゃん。」


「でもこれ、ゲームバランスの崩壊どころじゃないですよ?。」


「でもまあ、今は放置で。」


「そんなんでいいんですか?」


「今度のイベントで様子を見よう。あんまりにも空気読まなかったら、接触して、こっちに引き込もう。」


「部長がそういうなら。」


 そして運営は、頭を抱えながらも、放置することにした。





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