驚愕
「あ、ああすまんの。ちと、驚き過ぎての。」
「そうですか。」
「それにしても、やはりすぐに抜かれたの。じゃが、あの魔の森をたった20日で攻略するとは思わんかったぞ。速くても、数年はかかると思っておったんじゃが…凄まじいの。」
「フフフ。ありがとうございます。」
「それで、後ろの二人は誰かの?まあ、だいたい予想はついとるが。」
「お爺様の予想通り、原初の悪魔王と神話の死霊王です。肉体を与えて、従者にしました。」
そう、実は私は、原初の悪魔王と神話の死霊王を完全に消滅させず、特異点から遠くは離れられなかったようなので、肉体を与え、従者にしました。どちらも私に似せた肉体にしました。白髪白眼の美女です。悪魔王は凛とした雰囲気の少し性格がきつそうな美女。死霊王は儚い雰囲気の可憐な美女。まあ、実際はどちらも狡猾、残虐で苛烈な性格なんですがね。
「ホホホ。さすがじゃの。まあ、とにかく、無事で良かったよ。そういえば、お主、これから何をするんじゃ?」
「そうですね、暫くは、のんびりするつもりですよ。それから、近々プレイヤーのお祭りがあるそうで、それに参加するのでその準備ですかね。」
「そういやぁお前さん、プレイヤーじゃったの。」
「フフフ、元、ですけどね。それではこれで。」
「おや、もう行くのかの?」
「ええ。顔見せと報告も終わりましたし、それにちょくちょく来ますよ。」
「そうか。それではの。」
「はい。さようなら。」
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マーリン
はあ。行ったの。面白い少年が来たので少し本と寝床を融通してみれば、とんでもないことになったの。
渡り人。それは数百年に一度現れる、神の遣い。
その者達が人間にとって味方となるか敵となるかはわからない。神の遣いと言うよりかは、神の玩具のような者達。不死であり、驚異的な成長速度を持ち、渡り人特有のスキルを修得可能。
不思議な者達。
じゃが、この中からあのような者が現れるとわのぉ。それに、渡り人すらやめるとはの。
まあ、悪人ではなさそうじゃし、何よりわしの友人じゃ。これからもよい付き合いをしたいのぉ。
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ノエル=リズ=ヴァレンタイン
さて、家に帰って来ました。まあ、家と言うか、ぶっちゃけ屋敷なのですが。調子にのって、最高級の芸術品のように細かい彫刻を加えたり、悪魔王でも壊すのが不可能な強度にしたりした、匠もびっくりな屋敷になりました。
さて、一度ログアウトしますか。ゲーム内32日、現実で8日ぶりですね。
さて、現実に戻って来ました。いや、この場合元の世界と言えばいいのでしょうか?まあ、どちらでもいいですか。
そういえば私、ずっとこの美少女の姿でしたね。もうすっかりこの姿としゃべり方にも慣れてしまいました。まあ、演技すれば元のようにしゃべれますし、いいでしょう。あ、でも服が無いですね。創りますか。神力を使って…できました。白いクラシカルロリータ。落ち着いた、上品な仕上がりに。
さて、悠人は…今は昼食中ですか。今は丁度お昼時ですね。
そうだ、いきなり悠人の後ろから抱きついて驚かせてやりますか。
それでは瞬間移動で悠人の背後にいき…
ギュ
「何を食べてるんですか?」
「ん!?ゴホッ オア」
悠人はあぐらをかいて座ってカップラーメンを食べていたようですが、軽く蒸せましたね。
まあ、誰もいないはずの家の中で、妹もいないのに、いきなり背後から10才ぐらいの幼女に抱きつかれれば驚きますか。
「ゴクゴクっぷはー。やべ変なところに入ってた。それで、そのー、えと。君は誰かな?」
おっと、悠人が復活したようですね。さて、どう答えましょうか。少しからかいますか。
「さて?誰だと思います?」
「いや、わからないから聞いてるんだけど。」
「当ててください。」
「え~。じゃあ名前教えてくれないかな?」
「知ってる癖に。」
「いや、ごめん。知らないな。て言うかどうやって家に入ってきたの?」
「瞬間移動です。」
「そ、そうか…それで、君の名前は?」
「ノエル=リズ=ヴァレンタイン」
「へ?」
「ノエル=リズ=ヴァレンタイン」
「へー、ノエルちゃんか。君は神の友達かな?」
「いえ、本人です。」
「ん?」
「私が巫女神 神です。」
「ハハハ。そうか。」
「信じて無いですね?」
「いや、ま、うん。」
「どうしたら、信じてもらえます?」
「んー、じゃあ俺のなまえは?」
「菊地悠人」
「俺の誕生日は?」
「9月23日」
「じゃあ、なんで神がそんな可愛い姿になってるの?」
「これですか?これは神術で姿を変えてるんです。体を創り変えるように変化させるので、何かのひょうしに術が解けて元に戻ったりもしません。」
「へーすごいね。じゃあ、元の姿に戻れる?」
「もちろんです。」
「じゃあ、戻ってみて。」
「わかりました。」
それでは男の姿になりますか。その時に服もかえて…ほい。
「ほえ?」
「どうだ?」
「えっ?え!?ええええーーーー!?!?」
「うるさい。」
チョップ
「あだっ。て、まじだったんかい!」
「さっきからそう言ってるだろ。」
「いや、普通わかるか!てゆうかあれ、どうやったの?!」
「ああ、話すと長くなるんだけどな…」




