ハイブルク家はノリで行動していると思う
滅茶苦茶遅くなったのは、久しぶりに覇王様の一人称で書こうとして破綻。
現在は理解不能なキャラ、ヒラリス子爵のせいでマジ書けない状態が続いています(´・ω・`)
でもここを書ければ、楽しい楽しい覇王様とショタの無双タイムが書けるんだぁ~(´▽`)ノ
少ないですが投稿させていただきます<(_ _)>
あ、二巻が今月末に発売なので(^^)後書きで。
グリエダ=アレスト女辺境伯は不機嫌だった。
セルフィルから第二王女リリアーヌの人質救出の護衛を懇願されて、受けざるを得なかったことに不満を持っているからである。
第二王子からの宣戦布告の後、彼女は王子と一緒に辺境伯領に被害を与えていたランドリク伯爵を仕留められる機会が出来たと心躍らせていたところ、そこに慌てて彼女の屋敷にセルフィルがやって来た。
『グリエダさんにはリリィの傍に付いていてほしいんです』
『断る』
グリエダが思考を通さずに返事をした。
辺境伯としては今後を見据えれば、リリィに王位を継いでもらう方が良いと考えている。
しかし王都で第二王子の企みを阻止しようとするセルフィルの傍を離れるのは、彼女の心が拒否したからだ。
『ぶっちゃけると第二王子マロッドの策はグリエダさんを王都から引き離すことが目的なので、グリエダさんがリリィについて行かないと人質となっているゼンーラが逆さ全裸で川に浮かんだりするかもしれません。ええ、幼女の心に小さくない傷跡がつくと思うのですよ』
地味に罪悪感を覚えさせようとしてくるのは余計だ。
あとセルフィルの中ではジェロイ何某はゼンーラになっているようだ。ダッシュといい名を覚える気は無いらしい。
グリエダは必死に説得してくる彼を愛で、不承不承了承するしかなかった。
ただし、その日から燃やした薪の灰の様にグリエダの不満は堆積していく。
アレスト辺境伯の精兵五十名をつけても、セルフィルが心配で心配でたまらない。
家臣のランドン男爵は全員の命を使ってでも守ると請け負ってくれた。しかし自分がいれば彼の安全を完全に兵達に任せて、第二王子達を殲滅出来るのにと思いイラつき。頼まれた護衛もやり遂げられなければ、期待はずれと評価が落とされるかもと考えてしまい気持ちが沈んだりしていた。
そして当日、グリエダはどっちつかず気持ちのまま仕方なしに準備をして、アレストとハイブルクの兵を率いて出発することになってしまう。
「なあエイプ子爵。道中で私が抜けて王都に戻ったらどうなると思う?」
「そうですね。こちらを監視している者を幾人か見かけましたので、人質の安全の保証は出来ぬでしょうな」
「……壊滅させてすぐに戻って来るのは?」
「姫。貴方に出来ないとはもうしませんが、それを実行するとセルフィル様を信じていないと思われますよ」
「ぐぬぅ」
行軍中、グリエダは家臣で己の補佐のエイプ子爵に全てを任せて自由に行動しようと探りを入れたら、逆にセルフィルの名を出されて嗜められてしまった。
第一王女を危うく亡き者にしかけた彼女の信用は下がっている。だから頼まれたことを達成して信頼を積めと暗に言われたのだ。
教育係として厳しいエイプの爺に口で勝てたことは少ないグリエダ。甘いランドンの爺ならどうにか丸め込めたのにと思う。
そして護衛をほっぽり出して戻るべきかぐだぐだ悩んでいるうちに、第二王子が指定した屋敷に到着してしまい。グリエダは王都に戻るのは諦めた。
「第二王女様は不安そうですな。屋敷ではお元気そうでしたが」
「仕方ないだろう。実の兄妹の様に育った者が囚われている所に近づけば余裕も無くなるだろうさ」
馬車から降りたリリィが相手側の誘導に大人しく従う。
人質のゼン……んんっジェロイ何某が救出されるまで、彼女の護衛をするグリエダが王都に戻れることは無い。
グリエダとリリィ、そしてセルフィルの変装をしたメイドのアリーの三人しか屋敷に入るのを許されなかった。
二人に怪我をされてはセルフィルからの信用が下がるので傍にいなければいけない。
救出を手助けすればいいのだが、セルフィルには護衛だけをグリエダは頼まれていた。
『あ、リリィがゼンーラを救い出すのに手を貸さないでくださいね』
『なぜだい?』
『幼くても人質になったゼンーラを助けるのを選んだんです。己の力でやり遂げさせましょう。……成長の糧くらいにはさせないともったいないですし(ボソッ)』
グリエダは最後に余計な事を呟いたセルフィルのお願いぐらいは守ろうと思っている。
途中で王都に戻ろうとした? 目的地に着くまでの道中は自分のアレストの兵とハイブルクの兵が守るから、少しの間は抜けても約束は破っていないことになるので大丈夫と彼女は考えていたからだ。
屋敷に入る前にエイプ子爵に兵を任せ、何かあった時の合図を決めて屋敷周囲はこちら陣営で固め。後は結末まで王都に戻らなかった事にグリエダはふてくされてすごすつもりだった。
「グリエダはこっちに来るのじゃ」
「ん?」
なのに応接室に入室して扉が閉まったとたん、大人しく誘導されるままだったリリィが、グリエダの手を取って引っ張り始める。
「いや、何をするつもりだ?」
「馬車の中でアリーに相談したのじゃ。悪くて自分が好きなえものはなわばりを取られるのが嫌なのじゃ」
「リリアーヌ様こちらです。上座に配置されている下品で華美なソファーにセルフィル様に変装した私とグリエダ様が掛けていれば、必ず激高して室内に入ってくるでしょう」
「そこをわなを仕掛けて仕留めるのじゃ!」
「おっと仕留めてはいけませんリリアーヌ様」
「あ、ジェロイのいる所を聞くまではダメだったのじゃ」
「そうです。その後にわたくしが仕留める約束ですよ」
「う~、えものは最後まで責任を持てとジジーに教えてもらったのじゃ」
「ふふふ、お手伝いを条件に得た権利は返しませんので」
拳を振り上げやる気に満ちたリリィと、それに拍手する男装のアリー。
いったい何を見させられているのか、理解する前にグリエダは強引にソファーに座らせられた。
「餌は用意出来たのじゃ」
「餌は私なのか?」
座ったグリエダを見て、腕組みしながらフンッと鼻息を吹き出すリリィ。
おしとやかさとは正反対で、王女としてどうだろうか。
そして二人はドアに近寄ってしゃがみ込んで何かし始めた。
リリィは自分のスカートの中に手を入れてポーチを取り出す。
いやいや、はしたなくないかいそれはと思うグリエダ。
リリィはポーチの中から細長い輪の状態にした金属の糸と太目の釘を出し、アリーは釘を打ち付ける為にか、近くに飾られていた小さめの銅像を持ってくる。
高級そうな絨毯に容赦なく釘を打ち付けて、その釘に金属の糸を巻き付けた。
「罠は足を引っ掛けて倒すのじゃ。そしてナイフでグサリと」
「針金を釘で固定し、入室してきたときにピンと張って転倒させるのですね。ロンブル翁の狩猟技術をしっかりと身に着けておられますが、仕留めてはいけません」
リリィはドアの前を横切るように金属の糸を伸ばして端を持ち、床に座った。
「シーなのじゃ。後は罠に掛かるのを待つのじゃ」
グリエダにはもう全然意味がわからない。ただ、自分の婚約者が元凶だなというのはわかった。
アリーはグリエダの横に座り、どこから出したのか菓子を出してポリポリと食べ始める。
グリエダもどうぞと差し出されたそれを食べた。
長方形の形をした菓子、外はクッキーの様にサクリとして、中には干した果実や木の実を甘い蜜でからめてあり。その甘さが行軍の軽い疲労のグリエダの身体に染みる。
「ん、美味いな」
「幼少期のセルフィル様が三日ほど家出なさった後に、『携帯食が無いと家出も出来ない時代だ……』と呟かれて作られたものです。家出の理由は侍女長の本気のお尻叩きが怖かったからだそうです」
「いったい何をしたんだ彼は」
グリエダがアリーから聞くセルフィルの過去の暴露話に機嫌が良くなっていく間も、リリィは身じろぎもせずにしている。
その目は獲物が近寄って来るのを待っている。
チラチラと二人の食べている菓子を見ているのには、グリエダ達は気づかないふりをした。
しばらくすると廊下から人のやって来る気配がする。
ドタバタと貴族としての品性の欠片も無い足音と、数名の付き従う音も聞こえてきた。
そして勢いよく扉を開けた小太りの中年が罠に足を引っ掛け転倒し、リリィが馬乗りになってナイフを中年の首筋に当てて吠える。
エルセレウム王国の貴族のグリエダは少々見たくない光景だった。
「早く言わないと刺すのじゃ」
「ひぃぃいいっ!」
筆者「まさかここまで難航するとは……海のリハクもぶぎゃらっとぅー!?」
ショタ「おおう。グリエダさん……ではなく、謎のおかっぱ幼女(偽)に命令された赤髪の女性の室外機アタックが筆者に炸裂」
覇王様「むぅ、一度やりあいたいね」
ショタ「それは次元を越えないと無理です。ところで室外機を殻にしてヌメヌメと逃亡をはかる筆者よ。長い期間空けて少ない文字数ですね。次は雨乞いverが来ますよ」
筆者「待って死ぬっ!」
というわけで遅くなって申し訳ございません<(_ _)>
まさかキチガイ貴族を書くのが、やる気に影響を及ぼすとは思いも知りませんでした。おかげで名前を覚えてしまいました。
後五千文字ほどの苦行で、楽しいショタ達のざまぁが始まるので頑張って書きますので見捨てないで下さいm(_ _)m
今回、無理めに投稿したのは……【ハイブルク家三男は小悪魔ショタです二巻】が発売されるのですー!\(^o^)/
五月には報告するはずだったのに、ヒラリス子爵め……最高の悪夢を見せてやるぜ(▼皿▼)
内容は第二章の前半、のじゃ姫改ぞ……教育のお話になります。
ほのぼの(ショタ視点)、ドッキンドッキン(ダッシュ視点)な、おもしろ内容です。
前半ということは後半もあるということ!三巻の為に買ってくださいましー!(≧Д≦)
あ、二巻の後書きは筆者仕様になっております。
これは悪ノリだろう~。さすがに担当様に却下されるな。(^ー^)と、書いたものがそのまま後書きに(;・д・)
他にも地味に笑わせる箇所もあるので期待してご購入くださいm(_ _)m
新情報もありますので是非とも。
十巻ぐらいまで書きたいなぁ~(´・ω・`)
あ、ハイブルク家の旧ツイッターにダッシュの実名が晒されています。筆者は覚えていなし、今後世に出ることは無いと思われますのでチェックを。筆者の旧ツイッターにはショタ達の他にJが闊歩しております。発見したらハートを押すと喜びます。









