ハイブルク邸は侍女長が回してます
24時間が待てない筆者…投稿します(つд`)
ショタが勝てない人の一角(´Д`)
「吐け。変態が」
「何を貰った。変態が」
「死ね。変態が」
「最後は暴言のみか。この変態メイド達が」
グリエダの説得で身魂疲れ果てたセルフィルを抱えてハイブルク邸に戻ったアレハンドロは、三人メイドにリリィの手紙を渡した。
そしてセルフィルを分捕られて寝室に寝かしつけた後、彼は三人メイドに侍女長、ロンブル翁の前で正座させられていた。
アレハンドロは公爵である長兄でさえセルフィルを通してでないと動かすことが出来ない事になっている。だがそれはそれ、ハイブルク邸で働いている限り侍女長が正座と言ったら正座するしかないのだ。
「私は悲しいですよアレハンドロ。ハイブルク公爵家の使用人が物につられて動くなどあってはならないことです」
悲しいと言いながらも表情は一ミリも動いてない侍女長。
ここで異議申し立てしなければ、これから侍女長説教フィーバータイムが始まる。
「いえ私は……」
「頂いた物は没収です。それで第二王女様はお元気でしたか。」
侍女長は一言で弁明しようとするアレハンドロを地獄に落とし、王女であるリリィと接触したのを確認する。
「窓から室内に侵入しようとし、拳を振り上げて吠えるほどお元気でしたね」
「……それは王女だけでなく淑女としても少々問題ですね。あとで教育方法についてセルフィル様とお話ししましょうか。あとここにいる全員は事が済んだら説教です」
「「「「え?」」」」
侍女長はリリィをプチアマゾネス化させた者達を逃しはしなかった。
「セルフィル様が屋敷から出したということは一応合格点を超えたのでしょう。ええ、王女様の敵が多いからまず生存スキルを重点にと言われて礼儀作法を控えたのが間違いでした」
いや補習を滅茶苦茶してただろうという周囲の表情に一切動じず、後悔するように目を伏せて頭を横に振る侍女長。
その内心では礼儀作法を疎かにさせたセルフィルへの説教を増やそうと決意していた。
「しかしセルフィル様の下から王女様が離れたといって何もしないでは、ハイブルク公爵家の名折れになります。アリー、セイト、カルナ貴方達は王女様が表舞台に立つ日までにドレスを作りなさい」
「「「え?」」」
マロッドが行動を起こす日までそう日にちは無い。
「いえいえ無理ですよ」
「時間が圧倒的に足りません」
「王族に相応しいドレスなんてどのくらいお金が掛かるか」
それなのに正座のアレハンドロの上に石の代わりにロンブル翁の石像を乗せようとした三人メイドは動きを止めて無理無理と断りの言葉を並べる。
「セルフィル様に言われて王女様の服を仕立てていたでしょう。王女様の体型を知っているのは貴方達だけなのです。公爵家から予算は出しますので王族に相応しいものをお願いしますよ」
「「「わかりました……」」」
「セルフィル様には私から伝えておきます。こういう事に無頓着なあの方はそれで納得するでしょう」
有能な彼女達でも殺人レベルスケジュールになることに目が死んだ。でも侍女長の命令には逆らえない。
「ロンブル翁。貴方は王女様の護衛に付く者達の訓練の相手をしてください」
「えぇ、儂セルフィル様から頼まれて……」
「毎日酔って朝帰りするほどの仕事とはどういうものでしょうか? 必要な時は出て構いませんが、王女様と一緒に狩猟するのは楽しかったでしょう。貴方もジジージジーと呼ばれて満更でもなかったようで」
「あー! あー! わかったわかった! 何でもしてやるからその口を塞いでくれっ!」
孫バカは酒好き女好きを自称してもリリィを孫可愛がりしたのを言われてロンブル翁は撃沈した。
「アレハンドロ。貴方はいつも通りセルフィル様の傍にいるでしょう。アリー達三人がドレス作成に取られますから、少々忙しくなりますよ」
「ふっ、そこの変態メイド達の分ぐらいなんてことありません」
「「「ああん?」」」
「ああそれと宣言した通り王女様から頂いたものは没収です」
「は?」
「儂、王女と一緒に埋めたり隠したりしたから隠し場所知っているぞ」
「はぁ?」
「はいっ! ドレスを作るので没収した中から報酬を!」
「それなら不眠不休でいけます!」
「やる気向上のためのご褒美を!」
「……今回の件が終わり次第、セルフィル様にお許しを頂いた品ならいいでしょう」
「「「やったー!」」」
「はぁー!?」
「かなり引くわー」
報酬に喜ぶ三人メイドに交渉で手に入れたものを没収されて悲鳴を上げる変態。報酬なんてやるつもりは一切無い侍女長に、それがわかっているドン引きのロンブル翁。
セルフィルが問題行動を起こした時の、ハイブルク邸の何時もの光景であった。
こうして王女として初お披露目の初回限定でハイブルク公爵家のサポートを受けることができた。ただしセルフィルの動きを阻害しない範囲であるが。
そして当日のアレスト辺境伯邸に迎えに来た馬車の中。
「わらわがジェロイを助けて、兄上をメッするのじゃっ!」
「さすが王女様ー!」
やる気に満ちたドレスを着たのじゃ姫リリィと、彼女を煽るセルフィルの影武者アリーがいた。
驚きショタ「え、裏でこんなことしてたの?」
侍女長「ハイブルク家のメンツの為です」
ショタと長兄は言わずもがな、ヘルママもないがしろには出来ない存在それが侍女長(´▽`)ノ
この人がいないとハイブルク家はまとまりません。ショタは基本変態執事三人メイドを放置しているので、どこかの分家ズ並みに勝手に動きますので抑制力が必須なのです(´Д`)(まあ侍女長も便利に使っていますけれど)
子供が拾ってきたペットの躾をする母でしょうか。
忖度越権過ぎる侍女長行動ですが、現代日本の様にガッチリした法があるわけでもなく、情報伝達がしっかりしているでもないので忖度は必須なスキルです。大河ドラマとか勝手に動く家臣が多いこと(´`:)
まあ失敗したときは自分の一族の命で贖う気満々の侍女長です(;・д・)
なのでハイブルク家全員が侍女長に信頼を置き、逆らえないのです(^_^;)
一度侍女長のハイブルク家人物評価を見てみたいですね。ショタは問題児(要注)とか(^^;)
さて次回から覇王様のターンです(・ω・) (ようやく主線に戻れるよ(´Д`))
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もう一つの拙作でもお読みいたたければ幸いです。
【釣り合う二人はバカップル】
ノクタ版
https://novel18.syosetu.com/n1277hy/
カクヨム版
https://kakuyomu.jp/works/16817139556484842815
ノクタ版はエチエチが入ります。ノーマル版はカクヨム版を。
ただのバカップルを書いていたのに、人前で読むと大変に危険物と化した物語です。
ショタの前世の親友、魔王様も少し出ます。
笑わずに読めたら是非ともご感想を!
君は雨乞いワールドから逃れられるか!(*´∀`*)ノ









