小悪魔も人だけど、前世はブラックなオッサン
遅くなりましたm(__)m
グリエダさんのおかげで襲撃者達がランドリク伯爵の騎士と判明した。
相手が誰かわかって対応しやすいが、どうやって判明したのかは教えてくれなかったのは少し気になるけど。
愚王の夜会で彼女に強烈なトラウマを植え付けられた伯爵の指示ではないだろう。
ほぼ確実にチャラ王子マロッドがランドリク伯爵家を乗っ取っている。
メインはマロッドで芸術王女オーレッタはその下についたのかな?
そんなことを考えながら騒動に集まってきた人の中でガラの悪そうなチンピラ数人に銀貨を渡して死体と馬の処理を頼んだ。
それが一番楽な後処理であったりする
一般の人に頼むと後で襲われるし、頼まれなかった人達にその人らが妬まれる事になる。
中世ファンタジーな世界では死体ぐらいで人は驚かないのだ。
それどころか死体から身ぐるみ剥ぐの。
死がすぐ隣にある時代の人達の精神耐性が高すぎる。
チンピラさん達だと一般人は絡まないし、貴族とバレバレな恰好に加えて、その惨状をお作りになったグリエダさんが俺を抱っこしているのにちょっかいは出してこない。
なぜ抱っこなのか、馬での逃走劇はかなり身体を衰弱させ、足がフルフルと震えているショタをグリエダさんが抱きかかえたのだ。
片腕で。
いかにも悪いことしてますって感じの恰好の男達が整列して背筋を伸ばして立っているのを見ると、相手にわからせる最終手段は暴力での畏怖なんだなと思う。
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そしていろいろと二人でマロッド達への対応をどうしようか話し合いながら帰宅したら、名前も知らない男が屋敷から逃亡したことを侍女長から伝えられた。
本気で誰?と聞いたら危うくハイブルク家恒例正座説教が始まりそうだったので土下座して聞き出す。
グリエダさんは少し驚いていたけど、俺の土下座はハイブルク家ではごめんね?ぐらいのものだ。
安売りし過ぎて新人の使用人ぐらいしか通じないのはご愛敬。
そして呆れる侍女長から聞いて、ジェロイ=ヒラリスがのじゃ姫リリアーヌと一緒にいた護衛だと思い出した。
とち狂って襲ってきたからグリエダさんにアイアンクローをされて兜が脱げなくなった全裸兜だ。
のじゃ姫と一緒にハイブルク邸に来て再び暴走して、そのまま使用人に連れて行かれたのでおバカなまま成長したアホという記憶しかない。
「そういえばいましたねそんなの。下着に潰れかけた兜をかぶっているのが印象的で名前なんて忘れてましたよ」
「それは酷くないかい?」
「グリエダさんは名前を聞いて覚えていましたか?」
しれっとした顔で横を向く彼女。
全裸兜が逃亡したのを聞いた時、俺と一緒に首を傾げたのは気づいていますよ。
「で、その…何某君はハイブルク邸から逃げ出したと。……別にいいんじゃない?」
全裸兜はのじゃ姫が匿われた貴族の家の一族の者だ。
調べたら、その貴族の家の中で重要人物は一人しかいなかったので、ほぼ記憶から抜けていた。
ほら、最初の印象って結構重要だよね。
上から目線、すぐキレる典型的な馬鹿なんて余程の益が無ければ放っておくか、切り捨てるか、喰いものにするかどちらかだ。
今回は王女強制進化計画が思っていたよりも困難で、たいした重要性は無いと判断した全裸兜は放置した。
なぜかハイブルク家の使用人達が構うことになっていた。
横柄だが、能力的には使用人としてはそこそこ才能はあると報告は受けていた。
一応は情報を引き出すようにしてはいたが、己の現状に愚痴をぼやきながらも命令された事はやっていたらしい。
「はい。御当主様とセルフィル様から、どう扱っても構わないとお言葉をいただいていたので、使用人教育を施していたのですが…」
全裸兜はハイブルク邸から逃げた。
侍女長達は捕獲しようと準備を整えていたらしいが、それを知ったのじゃ姫が今までにない錯乱状態になってしまったらしい。
その混乱の間に足取りも追えなくなり、俺とグリエダさんが帰宅し事情を聞いたのである。
◆◆◆◆◆◆◆◆
パタンとのじゃ姫リリィの日記を閉じる。
「さてザっと読みましたけど、僕のミスです」
「君のせいではないと思うが」
こちらを気遣ってくれるグリエダさん。
その手が俺を慰めようと伸ばされるけど、その膝にはリリィが頭を乗せて泣き疲れて眠っているので残念ながら届かない。
侍女長からの事情説明の後に、グリエダさんと二人でのじゃ姫の部屋に向かった。
室内は廃墟と呼んだ方が正しいと思うほど荒れており、全裸兜を追うために暴れて肩で息をしているボロボロ状態のリリィと、部屋から出さないように引っ掻かれ噛まれてもリリィの行動を阻止しようとして、もっとボロボロになった三人メイドのアリー、セイト、カルナが対峙していた。
グリエダさんにリリィを確保して拘束してもらうと、彼女に抱きついて大泣きし始め、最後は泣き疲れて眠ってしまう。
服を握り締めて眠りについたので、グリエダさんはリリィを抱えて別室に移動して寝台に横にし、彼女はリリィの枕替わりになった。
俺は傍にあるテーブルにつく。
ベッドに横になった時にその小さな手から零れ落ちたのがリリィの日記だ。
普段なら人様のものを読むなんてしないのだが、全裸兜との関係性を知るために読む。
そこにはリリィの幸せな生活が、ばばさまと呼ばれる教育係だった女性の死によって変わらざるを得なかったことが書かれてあった。
「いいえ。少し教育で無責任に自分の主義を教え込むのは楽しいなと、のめり込み過ぎてのじゃっ子リリィの預けられた先の情報収集を疎かにするとは…」
「ん?」
拳をグッと握る。
「これからはやられっぱなしになりませんっ!手抜きに甘かった部分は全て捨てます。ええ、チャラ王子マロッド陰謀なんてランドリク伯爵とアガタ公爵に芸術王女オーレッタ、共に完全粉砕しますよっ!」
「んん?待て」
おや?グリエダさん、首を傾げて待ったをかけるとは何事ですかな。
殺る気が出てきて、俺は気持ちが激上がりですよ。
「セルフィルは落ち込んでないのかい?」
「え、どこに落ち込む要素がありました?」
ショタも同じ様に首を傾げますよ。ほーら可愛いでしょう?
心のオッサン『追いつめられてくると、やる気がでてきます』
泣きショタ「なんて社畜の精神なんだ…」
覇王様「君自身だよね」
平気ショタ「ちなみに長兄、宰相も同じタイプですね」
ダッシュ「嫌なタイプだ…」
ショタピーンチ!(`・ω・´)
しかし追いつめられる程悪辣度が増大するサ○ヤ人みたいな小悪魔です(´・ω・`)
失敗?ミス?落ち込む暇があるなら対処しろが心のオッサン精神です。
さすが鬼畜ゲーム雨乞い2で日照り神様の体力ゲージを減少させた不屈の男(^_^;)
今回遅くなったのは……。
スマホがスマホが悪いんです!(´Д`)
だって十年以上前のスマホから最近のスマホに機種変したら浦 島太郎さん状態ですよ(´`:)
サイトが読み込んだら即エラーにならず。
アプリもちゃんとインストール出来るし、何よりなろうの画面がまとも!
久しぶりに小説を読み漁りました。
まあショタを書くのには殆ど影響はないんですが(‥;)
単純に本筋を書くのに時間がかかっているだけです。
ストーリーに話しを肉付けしていくのは難しいですね。
ショタが好き勝手するから筆者が苦労するのー(ノД`)









