過ちは去らずに残る
遅くなった言い訳
一万文字越えたから
なので分割投稿
現在→我慢だ筆者の投稿ボタンを押す指よっ!(≧Д≦)
いつもではないが村の夢を見る。
稲穂が風を受けてうねる景色、飼っていたいろんな家畜の鳴き声、夕食の漂ってくるいい匂い。
父に促されて、ご飯を作っている母が待つ家に走る兄の後を妹と手を繋ぎ、隣人の幼馴染と追いかけた日々。
その頃はいつもの日常でしかなく、それがとても大切なものだったとは当時は思いもしなかった。
メラメラと夢が端から燃えていく
村が畑が
わかっているこれが夢だと
父が母が兄が妹が
それでも夢は消えず
……が
私は狂っていく
どうか、どうか……
チェルシーは重い瞼をゆっくり上げていく。
身体はまだ眠りを欲しているけれど、それでも夢を見るよりはましだった。
暗く月明りしかない中、彼女の目に見えたのは木の板の天井。
「一、二、三……」
その天井にある木目を一つずつ数えていく。
それがチェルシーの眠りにつきたくない時の暇つぶしだ。
でも数えるのは十までしかわからないから、十になったら指を一つ折り曲げて、両手の指いっぱいになったら十が一個になる。十の一個が三個ぐらいになったらわからなくなってくる。
だから他の数えられるものを数え始める。
夢は見ない。数字を数えている間は何も考えなくていい。思いださなくていいのだ。
指を三本折ったところで隣のベッドがギシリと鳴る。
「眠れませんか?」
「起こして申し訳ございません」
隣から声を掛けられ、チェルシーはそちらの方を見て謝罪した。
「いえ、私も最近まで同じように眠れませんでしたから」
「マモト様もですか」
「私はマトモハリーです」
「マ、マトモハリー様……」
チェルシーは自分の魔法を試され、王女様の相手をすることになり、何故か紹介された名前を否定する彼女と同じ部屋で寝ることになった。
『恩を受けた分を返すのが人の筋道ですが、たまたま助けられた貴方に返してもらうほど恩を売ったとも思っていないので、う~ん』
小さい御貴族様が用意してくれたのは、王女様のお相手をすることだった。
貴族から王女、王妃にまでお会いして、頭が沸騰しながら王女の地面に文字を書く練習に付き合う姿から選ばれた。
そして仮のメイドにされて、王妃のメイドのマモ……マトモハリー様に最低限の行儀を教えてもらうことになったのである。
「王女様のお相手をするので気を揉んでいるのですね」
「え、あ、はい」
チェルシーは悪夢を見るからとは言えずに、つい頷いてしまう。
「王女様も王妃様も懐が広い方たちですから危害を加えようしない限りは大丈夫です安心してください」
「身分の差が天と地よりも遥かにあって安心出来ません……」
悪夢もだけど、農民から奴隷になった自分が国一番にいる人たちにどう接すればいいのかも憂鬱の一つだ。
「目をつぶるだけでも楽になるとよく言われますが、不安な時に目をつぶるのはもっと不安になると私は思います」
「はいそうです……」
「少しお話しましょうか。一人だとどうしても悪い方に考えに向かいますから」
「い、いいえ! お貴族様にそんなことをさせるなんて出来ませんっ!」
「貴族といっても貧しかったんですよ我が家は、ですから平民の皆さんと大して変わらない……。いえ、娘だと野菜くずも入っていない塩スープと石のように固い黒パンの欠片がだいたいで」
「え」
「農家の人と同じくらいでしょ?」
「いえあのその、野菜は作っていたのでくずは……」
「……」
「村の猟師が腕が良かったので、時々燻製にした肉が入っていたらご馳走でした」
「……私は年に一回、小指の先の塩漬け肉が入っているのが楽しみでした」
マトモハリーが死んだ目をして毛布の中に埋まっていった。
領地を持たない法衣貴族は国からの給料だけが収入源なので、格式や外見に金銭を使わなければならない貴族はまず食事から削っていくので、田舎の農民より貧しい食生活なる者たちが多かった。
「えと、あのそのっ! ど、奴隷の頃は同じようなものを食べてましたよっ!」
「貴族の娘なのに奴隷と同じようなものを食べてたんですね私」
チェルシーのフォローは更なる追撃となってマトモハリーを刺した。
「大丈夫です。実家から離れて王妃様付きのメイドと国家上層部の事務処理が出来る私は、塩味以外のスープを飲めるようになったんです」
セルフで自尊心を高めたマトモハリーが毛布から出てきて、チェルシーはホッとする。
「ちなみにパンは石のように固かったですか?」
「……残り物の白パンだったのでそこまでは」
「……魔法使いは滅べばいいんです」
再び毛布に埋没していくマトモハリーを慌てて慰めるチェルシー。
最初は貴族を不快にしてはいけないと必死に、何度も毛布に隠れようとするのでだんだんと疲れて面倒になって雑な対応になっていく。最後は妹にしてあげていた毛布の上からポンポンと叩いて寝付かせた。
おかげでチェルシーは心地良い疲労で何も考えずに眠れたのはよかったのかもしれない。
ホリー=マモト「皆さん忘れてますよね?」
三歩忘却ショタ「覚えますよ!マトモハリー嬢ですねっ!」
マトモハリー「!はいそうですっ!」
ダッシュ「それでいいのか」
長兄「悩むとハゲるぞ」
お久しぶりのマトモハリー(´▽`)ノ
丁度コミックのivy最新に登場しておりますのは偶然です。…本当ですよ?(´・ω・`)
分割投稿の最初なので知られてもいいネタバレは最後の投稿に…。くっ!ボケたいっ!(ノД`)
コミックの一巻で、女性とバラさなければイケメンにしか見えない覇王様(;´Д`)私服になってはっきりと女性と判明しました(´▽`)ノ
それでも行動が少女漫画のイケメンなのですが(-ω-;)
くっ!おさまってくれ指よっ!ご感想、評価、ブックマーク、いいねをしてもらっても、調子にのって投稿するんじゃないっ!
次回、筆者半日は我慢する!
よしボケれたな(゜∀゜ゞ)









