魔法協会会長デコル
この回までもしコミカライズされても、この回はかなりカットされると思うんだ……(´・ω・`)
蜘蛛柄白網タイツのおばさんに先導されて魔法協会会長室に着いた。
彼女の名前が蜘蛛柄氏網タイツのインパクトに負け、いじっている最中に忘却されたのは仕方がないと思う。
「ハイブルク公爵末弟セルフィル=ハイブルクを連れてきました」
ドアをノックした網タイツ。とうとう俺の事が呼び捨てになっちゃった。
入れと室内から声が掛かり、網タイツがドアを開けたの入っていく。
長年維持されてきた協会のトップの部屋は、愚王の側妃の父親だった伯爵の成金趣味ではなく、歴史を積み重ねた品の良い執務室だった。
「遅かったな」
いい飴色に輝く執務机に座っていた人物が苛立ちを含ませた声色で言葉を放ってくる。
この部屋で待つのは一人しかいない。
魔法協会会長デコルだ。
ああ眩しい。
「これは申し訳ございません。偉大な魔法協会会長様に公爵家とはいえ末の無能な極潰し如きがお呼ばれするとは青天の霹靂のようなもので、少々昨夜あまり眠れず起床するのが遅くなりました。そのせいで慌てており、お時間の変更をお願いする者を寄こすことを失念しておりました、誠に申し訳ございません」
深―く頭を下げて、全く心を込めずに謝罪した。
前世のブラック企業で習得した技、瞬間言い訳謝罪である。コツはこいつにはこうすれば喜びそうだなと、変なプライドを捨て去り演技することが大切だ。
「私の時間を無駄にしたのは、臆するほど己の立場をわきまえていると判断して許そうではないか」
ムスーと満足した鼻息を出して俺を許すデコル。
よっしゃっ! こいつは無能だ! 俺なら許す代わりにと条件を付けるのに、許して自分の優越感を優先するなんてアホすぎる。
「お許しありがとうございます。本日は謝罪ということで、改めて正式な交渉人が国から派遣されると思いますので、これで失礼しま」
「待て待て待てぇっ! なぜそうなるっ!」
チッ。
「いえいえ、ご不快にした自分では協会長のご期待には添えませんので」
「いいから頭を上げろ。私はお前に用があって呼びつけたのだ」
呆気に取られていたら帰っていたのになー。後は間に宰相を挟んでおちょくってやろうと考えたのに。
「頭を上げろ」
上げたくないのよ。
「上げろ」
「……」
人の限度は三度ほどだ。仏の顔も三度までは正しいらしい。
仕方なく事前に先ほど見た光景を脳内で何度も再生して耐性を急上昇させて、感情を心のオッサンに預ける。え、俺!?と驚く心のオッサンを無視して、ゆっくりと頭を上げた。
目の前の執務机に座る協会長デコル。
眩しいの。
痩身で神経質そうな顔。
眩しいのよ。
装飾を付けすぎて重そうなローブ。個人の椅子に座るなら脱げばいいだろうに。
どうして貴方の名前はデコルなの。
「なんだその顔は」
「申し訳ありません。デコル様に怒られていると思い。涙が流れるを我慢してこの顔になりました」
嘘なの、体を表さない貴方の名前のように。眉間に力を入れないと崩壊しちゃうの。
「そのくらいで子供に怒るほど気は短くない」
短くないでしょ細くて量が少ないのでしょ。
あ、ため息をつかないで!
角度が変わってああっ!
執務机に座るデコルの背後は大きい窓になっていた。俺たちが遅れてやって来たことで天高い太陽の光が執務室のデコルに燦々と降り注ぐ。
娼婦の皆さん、貴方たちはもう一つの隠していましたね。
デコルは頭頂部ハゲ、それに加えて残った薄っすい前髪を巻いて後ろに流しているのをーっ!
本数太さ共に心許なくても努力と工夫で隠せた。しかし、太陽という光の神は黒き髪の偽証を許さなかった。太陽光はデコルの髪と髪の間を通過して頭部の輪郭と油をくっきりてっかりと主張させたのであるっ!
心のオッサンが心の中で爆笑して脇腹をつって悶えていなければ、指さして笑った俺はデコルの真の敵となりジジイ二人を犠牲にしても、この魔法協会本部から出ること叶わずになっていただろう。
ありがとう心のオッサン! そして頭を下げた時に見えた後方待機のジジイたちよ。手の甲と太ももを血が出そうなほど抓って耐えてくれてありがとう。
ふっ、まさか初手を身をもって取りに来るとは、さすがは協会会長だ。
太陽を背負わせると強力なデバフがこちら側にかかるが負けないぞハゲルよ! いやデコルよ!
【ショタ反省中】看板
『この度はセルフィル様が敵対しているとはいえ、人の身体的特徴を嘲笑するという公子としてやってはいけないことをしたので、正座反省中です』by侍女長
マンホール上で正座反省中の筆者です。
本人ちゃんと真面目に書いていたんですけど、どうしてこうなったんでしょ?(・∀・)
おそらくTSのノクタをショタの合間に書いてたら、コメディ書きたいなぁ、具視の新しいアイデアあるのに書く暇ねぇんだよなぁと、ぼやいてたせいだと思います。具視ヘアーの影響は大きかったようです(-ω-;)
そしてこのままショタ視点でシリアスにいけなかったので、ここで投稿しました。
筆者の脳に影響を与えた具視ヘアー書きになる方は下記アドレスからどうぞ。
【釣り合う二人はバカップル】
ノクタ版
https://novel18.syosetu.com/n1277hy/
カクヨム版
https://kakuyomu.jp/works/16817139556484842815
ただいまコミカライズ版がライコミで5/29まで6エピソード分完全無料ですよ皆さん(´∀`)
あの変態執事と三人メイドもテンション高めで登場しておりますので気になる方はどうぞ(^^)
https://comicride.jp/episodes/29d7eb129245f/
下記のコミカライズのイラストからも飛んでライコミに行けます。
コミカライズ版女性向け雑誌掲載なんですよね……(;・д・)怒られそうだ(ノД`)









